臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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【御礼】エムスリーのオンライン病院座談会にご参加ありがとうございました!

2023.05.18
カテゴリー: 初期研修

5月17日にエムスリーのオンライン病院座談会 ~救急に強い病院特集~ に参加しました。多数のご参加をいただき有難うございました。

 

エムスリーは昨年と同様に司会ありの40分枠でしたが、質問をたくさんいただき、予定時間を約10分も延長してしまいました。司会の進め方も上手でしたが、多くのご質問をいただき我々もやり易かったです。どうも有難うございました。

 

さて、5月も半分を過ぎてしまいましたが、6年生のあなたにとっては、あっという間にマッチング面接の時期になります。4年生、5年生のあなたは、夏休みを利用した病院見学に関して、いろいろな情報収集をする時期だと思います。レジナビのようなリアルのイベントも有用ですし、オンラインでの説明会もチャットで質問できるので、是非ともいろいろと活用して下さい。

 

今月29日にはレジナビオンラインに、そして6月8日には再びエムスリーのオンラインに参加予定ですので、ぜひ参加して、いろいろ質問して下さい!

 

なお、当日の編集長は循環器内科のセカンドオンコール当番だったのですが、前半の病院説明のプレゼンを開始してすぐに緊急PCIのコールがあって、実はプレゼン中にかなり焦っていました。座談会が終了してすぐにカテ室にダッシュしたのですが、循環器内科のF先生がJ1の研修医と一緒に、ちゃんとPCIを途中までやってくれていました。編集長も途中から加わってPCIは問題なく終了し、一安心しました・・・・。

(編集長)

今回はこの二人が担当しました♪

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物理的と化学的・・・治療の2つの軸

2023.05.16

前回は松永先生の感染症レクチャーから、感染症「診断」の2つの軸を紹介しました。今回は感染症「治療」の2つの軸についてシェアします。

 

70歳代の男性が発熱と食欲低下で入院しました。糖尿病の既往がありますが、特に食欲低下と発熱以外の症状はありません。身体所見でも明らかな異常所見なし。採血では白血球12000、CRP>20と高値であったので、各種培養を採取してから尿路感染疑いと言うことにして抗菌薬(CTRX)を開始しました。翌日に血液培養からクレブシエラが検出されました。クレブシエラに対してCTRXは感受性があるので抗菌薬をそのまま継続しましたが、その後も発熱は持続し、採血データもあまり改善ありません。

 

こんな時、あなたならどうしますか?

 

この症例は、実は肝膿瘍でした。膿瘍であれば抗菌薬だけでは治療が不十分で、ドレナージを考えます。ドレナージしていなかったので、解熱も採血データの改善も得られなかったと考えられます。

(このネタの症例はこちらから見ることができます→ 肝膿瘍の過去記事はこちら

 

多くの人にとって感染症治療といえば抗菌薬の選択というイメージを持っていると思います。もちろん抗菌薬が重要な軸であるのは間違いないのですが、もう一つの重要な軸も忘れてはいけません。それが「物理的に除去する」ことです。

 

そもそも、抗菌薬の役割は微生物を「化学的に除去する」ことですが、用量が少なすぎたり、目的のところに十分到達しなければ効果は得られません。ドレナージや洗浄、切除(切断)、人工物の除去など「物理的に除去する」ことを外科医などと協力して治療を行うことを忘れないようにしましょう。

 

物理的に微生物を除去するのは具体的に以下のようなものがあります。

 

-膿瘍

-「うっ滞性」感染症 

 ・胆石・腫瘍による胆道閉塞 ⇒ 胆管炎

 ・尿路結石による尿路閉塞 ⇒ 尿路感染症

-人工物

 ・中心静脈ライン

 ・動脈ライン

 ・人工呼吸器    

 ・胃管

 ・尿カテ

 ・人工弁

 ・人工関節 など

-壊死組織

(編集長)

松永先生レクチャーの最重要スライド

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◆エムスリーのオンライン病院座談会で会いましょう!

5月17日(水)開催の「救急に強い病院特集」に出展します。

 

40分と十分な時間枠のため、あなたからの質問にもじっくりお答えできます!

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どこで?何が?・・・診断の2つの軸

2023.05.13

高齢の患者さんが転倒して動けなくなったとの主訴で救急搬送されてきました。患者さんは転んで腰を打ったらしく、腰痛を訴えています。明らかな麻痺はありません。バイタルを確認すると血圧等は大丈夫ですが、発熱を認めました。高齢者に良くあることですが、発熱でふらついて転倒し、それを契機に立てなくなったようです。

 

脳梗塞の既往があって、ADLは一応自立していたけど、外に出ることはなく、食事などでむせこむこともあった様子。胸部レントゲンも右下肺野で透過性が低下しているように見えます。

 

誤嚥性肺炎からの発熱で合致しそうな経過と判断し、入院して抗菌薬の点滴を開始しました。幸い徐々に解熱が得られ、全身状態も改善傾向です。ところが、2日後に判明した入院時の血液培養では、4本中4本から黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出されました。

 

これって、何かおかしくないですか?ここで「誤嚥性肺炎なのに血培からMSSA?」と、あなたが違和感を感じたのなら、あなたの臨床センスはスバラシイ!

 

多くの人は「感受性もあってるし、患者さんも元気になっているし、抗菌薬はこのまま継続でいいね」としか考えません。でも、ちょっと考えてみてください。そもそもMSSAが肺炎の起炎菌になる得るのでしょうか?

 

松永先生のレクチャーで何度も登場する重要なメッセージに、感染症診断の2つの軸は「どこで」、「何が」があります。

 

「どこで(=感染巣)」が分かると、起炎菌が絞れます。

「何が(=起炎菌」」が分かると、感染巣が絞れます。

 

この症例のように血液培養でMSSAが検出されたら、肺ではなく皮膚軟部組織か血管内を思い浮かべる必要があります。

 

実は病歴をよく確認すると、腰痛は転倒する前から自覚していたらしく、画像検査で化膿性椎間板炎と診断されました。MSSAの侵入経路ははっきりしませんでしたが、かゆみのためによく皮膚をひっかいていたそうです。

 

今回は皮膚から侵入したMSSAによって血流感染から化膿性椎間板炎を来して、発熱と腰痛、体動困難を認めたと考えられます。一度誤嚥性肺炎だと診断してしまうと、解熱してCRPが下がっていると安心してしまいますが、化膿性椎間板炎であれば長期の抗菌薬投与を行わないと再燃してしまいます。培養結果を見て、当初想定していた菌が検出されていればイイですが、想定と違う菌が検出された際は、{どこで」「何が」悪さをしているのかを考える必要があります。

 

培養結果など、後日に結果が判明するものも必ず目を通して、今までの経過と矛盾がないかを振り返ってみてください。

(編集長)

 

松永先生のレクチャー風景

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救命救急センターだより「 思い込みとの戦い・パート2」

2023.05.11
カテゴリー: 救命救急センター

救急医と消化器内科医の二刀流、医者の世界で大谷翔平を目指す、空飛ぶ消化器内科医ことNaoです。こんにちは。(大谷選手のファンの方、調子に乗ってごめんなさい)

 

ところで前回の「思い込み」に関する記事はご覧いただけましたでしょうか。今回は、前回の記事が長くなりすぎたため載せなかった症例のご紹介です。

 

前回は脳血管に関する二症例でしたが、今回は心血管に関する症例になります。「STEMIを診断したときは、できればCTも」と以前からたびたび言われていましたが、その理由を痛感した症例になります。

 

消防からの受け入れ要請は、「初老の男性、激しい胸痛および呼吸困難」でした。救命士の診察で、バイタル以上に全身状態からこれは3次レベルだ、とのことでかかりつけ医ではなく当院へ搬送されてきました。疼痛および呼吸困難から高度の不穏状態であり、鎮静および挿管し諸検査を行う方針としました。心エコーでは心タンポナーデ、広範な前壁の壁運動低下が認められました。心電図でも胸部誘導で広範なST上昇が認められ、STEMIだ!と判断し循環器内科医callしました。

 

しかし、ほかの救急医たちや循環器内科の医師は「なんか違和感がある」と。これはただのSTEMIではないのではないかということで造影CTを撮ると、上行大動脈の基部が極めて限局的に解離し、心タンポナーデをきたし、左冠動脈の起始部を閉塞させていることがわかりました。正直、自分自身では画像をみても最初はわからず、救急医や循環器の先生たちに教えられて初めて分かったレベルでした。

 

「優秀な内科医」に色々な定義はあるかと思いますが、一つ言われているのは「いかに鑑別を出せるか、いかにたくさんの疾患を思い浮かべられるか」が重要であるといわれています。

 

「優秀な救急医」にもたくさんの定義があると思われ、判断が迅速である、当然正しい判断ができるとか、手技が正確であるとかいろいろあると思います。

 

ただ、前回の件や今回の件をして思うのが、「いかにいろんな場面を想定できるか」ということだろうと思います。この患者さんに何が起こっているのか、を短絡的に診断に結び付けることなく、得られた臨床症状を説明しうるストーリーをしっかり考えつくせることだろうと考えます。救急医の判断が誤ると、初動の遅れにつながるわけです。

 

この症例では、STEMIでタンポナーデがおこっているとしたら時間軸が合わないなど、おかしな点がいくつかあるわけです。救急医だけに限らず、「何かおかしい」という感覚を無視せず大事にし、患者さんのために働いていきたいと思いました。

 

「救急診療は医師ならば誰しもができるべき」厚労省はそんな方針で医師教育を考えているように見受けられますが、本物の救急医は、やはり「救急のスペシャリスト」であって決して片手間でできる領域ではありません。僕も早く本当の意味で消化器内科医と救急医の二足の草鞋を履きこなせるように引き続き努力していきたいと思います。

 

皆さんも、当院で救急医(あるいは消化器内科医)を目指しませんか?笑

(Nao)

CPA搬送直後の一コマ

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水戸済生会の外来研修

2023.05.09
カテゴリー: 初期研修

初期研修で外来研修が必修化されていることはあなたもご存じだと思います。この外来研修はなかなか大変で、導入当初はどこの研修病院の担当者は準備に苦労しました。これは、今まで日本の医学教育で外来診療はまともに教えられてこなかったからだと思っています。

 

ちなみにカリキュラムの中では外来研修は、「症候・病態について適切な臨床推論プロセスを経て解決に導き、頻度の高い慢性疾患の継続診療を行うために、特定の疾病に偏ることなく、原則として初診患者の診療及び慢性疾患患者の継続診療を含む研修を行う」とされています。そして、研修目標として「コンサルテーションや医療連携が可能な状況下で、単独で一般外来診療を行える」ことが掲げられています。

 

編集長の聞く限り、多くの病院では地域研修でクリニックなどに行った際に外来をやらせてもらっていて、自分の病院で外来研修をしているのは少数のようです。地域研修の際に外来をやるのは集中してできる反面、1か月の地域研修中に同じ一人の患者さんを診察するのは1回きりのことが多く、外来で何度かフォローして自分の判断が正しかったのかを知ることができないという弱点があります。

 

そこで水戸済生会の外来研修では、当初から一般内科外来を1年間を通して行う並行研修で行っています。具体的にはJ1の秋からJ2の秋までの1年間をかけて、他の診療科をローテーション中でも週1回の曜日を固定した外来を継続する、というものです。

 

当院のようなスタイルで外来研修を行っている施設はほとんどないと聞きていますが、メリットとしては一人の患者を最大で1年間フォローできるので、高血圧や糖尿病といった慢性疾患の治療を経験できることや、良く分からない・診断がつかない患者が最終的にどうなったかを知ることができます。これはERや入院患者では経験できない点です。

 

一方でデメリットは、当院では内科の初診外来医が指導医となりますが、どうしてもその指導医の専門分野に症例が偏りがちになることです。例えば月曜日の指導医が消化器内科だと、月曜日の研修医は消化器疾患が多くなり、他の疾患を診察する機会が少なくなってしまいます。

 

こうした点を改善するために、昨年11月から外来研修を始めたJ2は、開始から半年が経過した今月から曜日の入れ替えを行い、幅広い疾患を経験できるようにしています。目論見通りいくかはこれからですが、貴重な外来研修をより充実させたいと思っています。

 

最後に外来研修について一つだけアドバイスすると、外来診療では「時間を味方につける」ことがポイントになります。ERと違って、その場で検査を全部やって、診断を付けなくともよいのです。それから、長い経過を見ていくことが重要です。何てことないと思っていた胸部レントゲンの影が半年後には肺がんだったということもあります。

 

当院の外来研修では1年間にわたって長く患者をフォローして、あなたの臨床能力の向上を目指しています。

(編集長)

 

これはERでの診察風景

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【御礼】ブログ開始から8年目です!

2023.05.06
カテゴリー: 初期研修

いつも当ブログをご覧いただき有難うございます。2016年5月9日から始めたこのブログですが、今月で8年目に突入します

気が付くとあっという間という感じですが、今日のこのブログが1135本目の記事となりますこうして長いこと続けてこれたのも、あなたが読んでくれているからです。改めて御礼申し上げます。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

このブログでは、当院のイベントや研修の実際、そして初期研修医や医学生のあなたに知ってもらいたいこと、病棟やERで役立つ知識などを記事にしています。

 

また、研修医たちのアウトプットの場としても活用させてもらっています。学会発表するほどではないけど印象に残った症例や、今後も使える知識などを、自分の後輩や一緒に仕事する看護師さんたちに説明するような感じで書いてもらっています。

 

実はこれがすごい効果を生み出していることが最近分かりました。このブログを載せている水戸済生会の採用サイトの閲覧数(PV)が1年前は月に1万PV程度だったのですが、今年3月には5万PVを超えていました。例年は春から秋のいわゆる就活時期はPV数が伸びて、その後低下するものですが、1年前から増加し続けて月5万PVに至りました。ちなみにこの5万PVがどの位か比較すると、編集長が研修医時代を過ごした鎌倉の病院の3倍以上なんだそうです。

 

そしてこのPV数の伸びの一番の要因が、研修医らに書いてもらっている記事なのです。例えば、グーグルで「ACT 凝固」で検索してみると、2020年9月にMegu先生が書いてくれた記事が検索の1位に出てきます。他にも、「ガンマ計算」で検索すると3番目に出てきます。これは1年前にミッフィー先生が書いてくれた記事。研修医自身がちょっと疑問に思って、調べて書いてくれた記事を、医学生や研修医が同じように検索して読んでくれるので、検索順位があがってサイトのPV増加につながっているようです。

 

ブログを始めた当初はこんなことまで想像もしていなかったのですが、ますます研修医の先生達に記事を書いてもらおうと思っています。そしてこれからも、当院の研修をもっと知ってもらい、なおかつ、あなたに役立つ内容をお伝えできるように、このブログを続けていますので引き続きご愛読をお願いいたします。

(編集長)

医学生からの質問に

冷蔵庫の上で答えている研修医F

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救命救急センターだより「 思い込みとの戦い」

2023.05.04
カテゴリー: 救命救急センター

空を目指す消化器内科医ことNaoです。

 

そろそろ「空を目指す消化器内科医」から「空飛ぶ消化器内科医」に昇格したいなと夢見ております。救命センターのボスにも「急変対応がもうすっかり救急医になったね」と言ってもらえてうれしいばかりです。今後は山P目指して、プライベートでも聴診器を持ち歩こうかと思います。

 

さて、いろんなものを目指しすぎて何が何だかよくわからない状態になっていますが、この記事を書いている今日はゴールデンウィーク初日です。ヘリから地上を診ていると、田植えの準備がすすみ一面水のはられた田畑が広がっており、美しい景色だなと思うと同時に、この時期に一生懸命田植えをしてくださっている農家の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。また、茨城の田舎にもたくさんの車が走っていて、活気づいているのが見て取れて大変うれしく思います。

 

GWとは全く関係ありませんが、先日立て続けに「思い込み」に注意しなければ、と思う症例に出会いました。いずれもヘリ症例でした。

 

一例目

第一報は、車VS歩行者の交通外傷、歩行者の高齢男性が意識レベル低下しており、切迫するDを疑っての覚知要請。この時点で、僕は重症頭部外傷と「診断」し挿管準備などを整えていました。しかし、この時の救急医は、元脳外科医。第2報で、そのほかのvitalや自然止血された鼻出血などの情報から、内因性先行の症例ではないかと言っていました。

 

実際に接触してみると、ふらついて車道に倒れこんできた患者をよけきれずに車が接触したものの、撥ねたわけではない、交通事故としてはほぼ接触事故に過ぎないことがわかりました。結果的には内因性の脳出血が先行した症例でした。

 

二例目

第一報は高齢女性の意識障害、けいれん。接触すると全身性強直性間代性けいれんをきたしており、右共同偏視、右上肢麻痺が認められました。けいれんをとめてヘリへ収容し帰院。自分としてはLVOあるいは脳出血と思っていましたが、脳血管障害としては違和感があるとヘリドクターは言いながら帰ってきました。

 

胸部レントゲンを撮ると、あれ…?CTでは多発脳腫瘍が認められました。

 

いずれも思い込みがそこまで大きな問題をきたす状態ではありませんでしたが、時として思い込みが正しい診断を妨げ、正しい治療介入を遅らせることになります。救急医たるもの、判断は早めなければならないが、安易に思い込みで診断してはいけないと思わされる事態でした。

 

病院前診療は、限られた資材で判断し対応しなければならない分、緊張感はありますがとても楽しいです。あなたも、救急医を目指しませんか?

(Nao)

慌ただしいERの一コマ

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1か月が経ちました

2023.05.02
カテゴリー: 初期研修

J1のあなたが病棟にデビューして、1か月が経ちました。恐らく、あっという間だったと思います。学生時代と大きく環境が変わって、目の前のことを覚えるのが精いっぱいで、ろくに昼食もとれなかったかもしれません。でも1か月経つので、ようやく昼食を食べるタイミングとか、それこそトイレに行くタイミングが分かってきたのではないでしょうか?

 

研修医の労働環境は非常にストレスフルであることは、過去の調査や研究でも明らかになっていますが、そんなストレスフルな状況の時だからこそ、体調管理をしていきましょう。以下の3つのポイントは、月並みですが実際にやれていないことが多いことばかりです。

 

・朝食をしっかり食べる

当直明けでも、何か食べないと力も出ないし、頭も回りません。タイミングによっては昼食が摂れるとは限りません。しっかり食べましょう。

 

・睡眠時間をしっかりとる

医学部を卒業したあなたにとって、睡眠時間を削って勉強することはそれほど苦痛ではないかもしれません。人より多く勉強するにはそれくらいのことは当然と思っているかもしれません。でも、いくら若いあなたでも睡眠不足だと間違いなくパフォーマンスが落ちます。ミスにつながり、患者さんや看護師さんに迷惑がかかる事態になります。当直の時はやむを得ませんが、それ以外の日は睡眠時間をしっかり確保しましょう。

 

・体を動かす

まだまだペースがつかめないということは、常に緊張して張り詰めたままということです。ほんの15分でも20分でもいいので、体を動かす時間を週に何度か確保しましょう。運動することで仕事の緊張がほぐれます。時間の使い方もうまくなります。

 

あなたのような真面目な研修医は、あれもこれもやらないと!と思いがちですが、それと同じくらい体調管理に気を配る必要があります。まだ始まったばかりです。焦らずにいきましょう。

 

さて、最初の4月を終えたJ1のGeorge先生が記事を書いてくれたので紹介します。George先生は4~5月は総合内科で頑張ってくれています。

(編集長)

 

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お仕事が始まって1ヶ月、右と左がすこーしずつわかるようになってきました。入院から退院まで診ていく総合内科。毎日充実しています。
 
入院入るよーって言われたけど、まだ患者さんが病棟に上がってこない!そんな時にできることは?入院時胸部レントゲン、心電図はデータが揃っていそうです。くる前になんとなくどんな患者さんかイメージします。
 
今回は胸部X線の読む順番について。「人のハい」で読んでいきます。
 
①「人」:気管が人の文字をしているか、左右に変異していないか確認します。
 
②「の」:下行大動脈のラインが追えるかどうか確認します。肺炎などで浸潤影があったりすると追えなくなってしまいます。
 
③「ハ」:肺門部から心陰影をハの形に追ってみます。心臓の左右の弓や心拡大がないかを確認します。
 
④「い」:胸郭、横隔膜をチェックします。どちらもラインがしっかり追えるか、肝臓の裏側まで血管が見通せるくらいか、CPアングルはsharpか、確認します。
 
このようにパッとみてどこに何があるだろうと探すより、読む順番を決めることで見落としが減ると思います。心不全の患者さん、肺炎の患者さんはどんなとこにどんな異常があるか予め予想できたら、ベッドサイドで聴診をする時に役に立つと思います!
 
5月はどんな学びがあるのかな?楽しみです!
(George)

初めての当直 

J2から患者搬入前の準備を教えてもらっています

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研修医を育ててくれるのは・・・

2023.04.29
カテゴリー: 初期研修

初期研修医にとっては毎日のささいな事すべてが勉強ですが、それをいつも指導医が手取り足取り教えてくれる訳ではありません。大学なら指導教官がいますが、市中病院では、医師は診療が主体になるのはやむを得ません。忙しい時間の隙間で研修医にポイントを教えたり、フィードバックしています。

 

でも、実際に研修が始まると気づくことですが、実は指導医から教えてもらうよりも看護師さんから教えてもらうことが多いのです。編集長も、研修医のころに看護師さんたちに大事なことをたくさん教えてもらいました。それだけでなく、数多くの失敗のフォローしてもらいました。ホント有難うございました”(-“”-)”

 

そんなこともあって、編集長は看護師さんの指導にもちょっと関わっています。

 

当院では看護師特定行為研修というものをやっているのですが、この特定行為研修を看護師さんが受講すると、例えば血ガスをとったりドレーンを抜いたり、人工呼吸器の調整を行ったり、輸液の調整、PICC挿入といった医療行為を医師の手順書という指示の下で看護師の判断で行うことができるようになります。医師のタスクシフトに大きな役割を果たしてくれるものと言われていますが、よく考えてみるとこれって初期研修医の仕事とかぶりますよね。実際に当院では特定行為研修を終えた看護師さんから指導を受けてPICCを入れたり、ベンチレーターをいじってみたりしていて、研修医も看護師もレベルアップしていく相乗効果が生まれています。

 

そして、特定行為研修を実際に仕切っているのが診療看護師です。当院の診療看護師は看護師だけでなく研修医の指導にも大きく関わってくれています。

 

診療看護師というと、あまりなじみがないかもしれません。実際のところ、日本では診療看護師と言う職業はないのですが、海外のNP(Nurse Practitioner)を参考に養成され、一部の病院では臨床の最前線で活躍しています。

 

当院の診療看護師である青柳氏は、この業界ではちょっとした有名人で、自分で会社を作って看護師教育用の教材やコンテンツを作っています。なので、よっぽど指導医よりも教え方が上手です。

 

そんな診療看護師や特定行為研修を終えた看護師さんたちと、病態のことや患者さんのことなど議論したり、教わりながらレベルアップしていけるのが当院の強みの一つです。

 

臨床では医師だけではなく、看護師をはじめとしたコメディカルからも学ぶことがたくさんあります。当院には経験実績豊富なコメディカルスタッフがたくさんいて、あなたの研修をサポートしてくれますよ。

(編集長)

特定行為研修中の看護師さんらと一緒に回診

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救命救急センターだより「 診療科の垣根を超えた診療」

2023.04.27
カテゴリー: 救命救急センター

空を目指す消化器内科医ことNaoです。こんにちは。今回はERでの出来事ではなく、消化器内科医としての経験のお話です。

 

先日、上部消化管出血の患者さんに緊急内視鏡を行うことになりました。昇圧剤や輸血だけでは血圧を保つことができず、ポンピングを行いながらの内視鏡となりました。内視鏡を挿入すると血液が津波のごとくとめどなく押し寄せ、内視鏡的止血は不可能であると瞬時に悟りました。消化器内科医として、内視鏡止血をこんなにもあっさりと諦めたのは初めての経験でした。それほどまでに激しい出血でした。

 

直ちにER、カテ室へ連絡し内視鏡室から直接ERに隣接するハイブリッドカテ室へ患者さんを搬入しました。移動中も血圧を保つのが困難なほどの出血でした。

 

ハイブリッドカテ室へ向かうためにERを通過するときに救急医が周囲を取り囲み、カテ室ではIVR医がすぐにでも穿刺可能な状態に本当に無駄のない動きで準備を進めていました。透視台へ移乗すると同時に消毒がなされ、我々消化器内科医はvitalの安定化のために輸液、輸血を準備しポンピングを行い、救急医は気道管理を行い全員で一つの命を追い続けました。外科の医師もIVRで止血が得られなかった際に備えて一緒にカテ室で状況を確認し手術に向けた準備を同時に行ってくれていました。

 

術中、あらゆる循環動態管理にも血圧が反応せず、血圧触知不能になり心臓マッサージを行うなど、何度も危うい状況を迎えましたが、救急医とIVR医からの檄により何とか心を奮い立たせて処置を行い続けました。非常に太い破綻血管を同定し塞栓が完了すると、今までの血圧低下が嘘のように一気にvitalが改善し、救命することができました。

 

内視鏡で止血ができないという絶望の中で、カテ室に入室したときのIVRの姿は神様にも見えるほど輝いていました。

 

救急診療は診療科の垣根を超えた治療です。普段からの横のつながりがあれば、このような緊急の事態でも連携して処置を行うことができます。僕もいち早く空飛ぶ消化器内科医として独り立ちし、自分の姿だけで周りのスタッフを勇気づけられる、そんな存在になりたいと強く思いました。

(Nao)

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