臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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【周産期センター】日々の業務について

2023.01.24
カテゴリー: 周産期センター

こんにちは!
チームさんば所属の産婦人科後期研修医です。今回は毎日の業務についてお話しようと思います。

 

朝は7時半くらいに出勤します。カルテを確認したり、初期研修医の先生と赤ちゃんの診察や褥婦さんの硬膜外麻酔の抜去などの処置をします。

 

8時半から申し送りがあり、当直の先生が夜間にあった出来事のプレゼンをしてくれます。当直の忙しさは日によってまちまちで、朝までぐっすりという日もあれば、手術やお産で眠れない日もあります。

 

申し送り後は全員で回診をして、業務開始です。主な業務内容は病棟当番、手術、外来です。

 

病棟当番の日は入院中の妊婦さんの診察をしたり、近隣病院から妊婦さんの搬送を受けたりします。搬送されてくる方は切迫早産や前置胎盤などハイリスク妊婦さんばかりで、そのまま緊急手術になることもあります。

 

手術の日は朝から手術に入ります。当院は産科がメインということもあり、帝王切開術の執刀が多いです。他にも婦人科の良性手術(単純子宮全摘出術、付属器摘出術など)を担当させてもらうこともあります。

 

外来の日は、再診の患者さんの診察があり、私は婦人科外来を担当しています。細胞診のフォローや、子宮筋腫や卵巣嚢胞のエコー、月経異常のお薬調整などが多いです。研修医の頃の外来では多くても5人前後の診察でしたが、今は午前中で30人近い方を診るので、事前に予習したり、要領の良さが必要だなと思っています。

 

他にも子宮頸がんワクチン接種の対応や自己血貯血の外来など、業務内容は幅広いです。

 

夕方は16時半に全員で一日の出来事の振り返りをした後、回診して何もなければ終了です。

 

当院では悪性腫瘍と不妊治療はカバーできず、他の病院に異動して勉強することなりますが、こうして書いてみると、毎日とても充実していて勉強になっています。

 

ではまた。

(チームさんば)

 

初期研修医も参加しての

会陰裂傷の縫合指導

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救命救急センターだより「搬送困難症例」

2023.01.21
カテゴリー: 救命救急センター

皆さんこんにちは。空飛ぶ消化器内科医を目指して早1年半以上経ちました、naoです。

 

寒さが厳しくなってきていますがいかがお過ごしでしょうか。今年もさっそく低体温でECMO導入など冬の寒さを実感しております。

 

昨年末から救急要請件数が異常に増加しています。発熱患者さんの不適切な救急要請もあり、特に水戸市では救急車の稼働率が異常に上昇してしまい、市が救急車の適正利用についてお願いを繰り返している状況です。

 

この背景にはやはりコロナに端を発する発熱患者さんの受け入れ困難があります。当院のコロナ病床はほぼ満床を常にキープしており、一人退院すればすぐに次が入院する状態です。年末年始は、10件以上断られた発熱患者さんが当院へ搬送されるなども多数ありました。もはやコロナ病床だけでは足らず、やむを得ず一般病床を一部利用して入院対応しました。

 

先日は他県での発熱、呼吸困難のため救急要請され、酸素10L投与が必要な方が、一晩中病院が見つからず、50件以上病院選定を繰り返した結果当院へ搬送された事例がありました。当院へは2時間以上の距離でしたが、その時の担当だった救急医が、酸素需要も大きく、6L⇒10Lと酸素投与量が増えている状況も鑑みて受け入れてくれました。ニュースでは見ていましたが、実際にこのようなケースを目の当たりにして、事態の異常さを痛感しております。

 

当院も事情でお断りして、近隣の病院へ迷惑をかけてしまうことがありますので、大きなことは言えませんが、私が本来所属している消化器内科ではこの地域で消化器患者の難民は出してはいけないをモットーに、断らない医療を続けています。若手の先生たちが一生懸命頑張ってくれているからこそできることではありますが。

 

このブログを読んでいただいている、これから医師になる皆さんもぜひ、自分が最後の砦になる気持ちで医療にあたっていただけたらと思います。

 

当院のコロナ診療も、自主的に集まった専門外メンバーで開始されました。地域医療を支えるには知識と技術だけでなく、想いが大切です。そんな想いを持った医師になってください!

(Nao)

ERの一コマ

PPEで患者対応と外回り

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栄養の評価方法 GLIM・SGA・MUST

2023.01.19
カテゴリー: カンファレンス 内科

当院の消化器外科で専門研修中のMeguが、初期研修医時代に書いてくれた記事から、栄養評価についての続きです。

 

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GLIM criteria(Global Leadership Initiative on Malnutrition )

2018年に提唱された、全世界統一の低栄養の診断基準。評価方法は2段階に分かれており、1段階めでは、MUST等の現在使用されている評価項目を用いて評価を行う。1段階めで問題ありと評価されると2段階めに移り、現症(体重減少、BMI低値、筋肉量減少)と病因(摂食量低下or吸収能低下、疾患・炎症の程度)のそれぞれ一つ以上に該当すれば低栄養の診断となる。診断後は現象に基づいて

重症度を判定する。

 

SGA(subjective global assessment)

主観的包括的栄養評価ともいう。簡便であり、適応範囲が広いことから、栄養評価スクリーニングによく使用される全世界共通の栄養評価法である。病歴(体重変化、食事摂取状況、基礎疾患と必要カロリーのバランス等)と身体所見(浮腫、腹水等)の2項目についてチェックし、それらをふまえて観察者が主観により患者の栄養状態を判定する。
 

MUST(Malnutrition Universal Screening Tool )

化学療法中の患者さんの栄養評価。 BMI、体重減少、急性疾患と栄養摂取不足(5日以上の摂食なし)の3項目からリスク評価を行う。元々は在宅の患者向けに推奨されていたが、近年では急性期の予後予測因子としても有効であるとの報告があり、入院時の栄養評価スクリーニングにも使用されている。

(Megu)

心外Ope中の一コマ

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栄養の評価方法 CONUT・GPS・PNI

2023.01.17
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回の記事で、特に高齢の入院患者では栄養とADLが大事だと紹介しました。実際のところ、栄養状態の評価方法については下記のようにいろいろあります。

 

・CONUT

・GPS

・PNI

・GLIM

・SGA

・MUST

 

これらの多くは外科の患者の評価、特にがん患者の予後評価に用いられますが、内科患者の評価にも使われるものもあります。それぞれ特徴があるのですが、もしあなたがこれらのいくつかでも知っているなら、かなり勉強している人に間違いありませんね。

 

現在は当院の消化器外科で専門研修中のMeguが、初期研修医時代に書いてくれた記事に、それぞれの評価方法の要点が良くまとまっているので再度紹介します。

 

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患者さんの栄養評価の指標となる検査値はいくつかあるが、その一つにCONUT score (Controlling Nutrition Status) がある。

 

2003年に欧州の学会で提唱された指標であるが、CONUT scoreは、日常よく測定される採血項目であるアルブミン値、総リンパ球数、総コレステロール値を用いた、簡便に栄養状態のスクリーニングを行えるスコアリングシステムである。

 

総リンパ球は、低栄養状態や異化亢進状態では、免疫細胞の産生低下が起こる事が知られていることから、免疫能の指標としてこのスコアリングに組み込まれている。

 

CONUT scoreは膵臓癌、消化器癌術後の予後予測因子として有用とされているが、心不全の予後予測因子としても有効という報告もある。

 

CONUT score以外にも、以下に紹介するような栄養評価指標は、特にがん治療の際にがんのステージ分類と組み合わせて使用すると、より正確な予後の評価が可能となる。

 

GPS(Glasgow Prognostic Score)

血清アルブミン値とCRPを用いた指標。非小細胞肺癌等の悪液質の評価に有用。

 

PNI(Prognostic Nutritional Index)

古くはBuzbyらが提唱した指標があるが、現在はより簡便化されたOnoderaらが提唱したものが使われている。血清アルブミンと総リンパ球数を用いて評価し、術前の予後予測因子に使う。この数値が低い(PNI≦40)と吻合不全が起きる可能性が高く、手術は難しいことが多い。

(Megu)

 

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救命救急センターだより「病院前診療と急性心筋梗塞」

2023.01.14
カテゴリー: 救命救急センター

空飛ぶ消化器内科を目指すnaoです。

 

救命センターだよりを読んでいただいている医学生の皆さんの中には、「救急」に興味がある方も多くいらっしゃることと思います。私も元々救急志望、その後なぜか耳鼻科医を目指し、最終的には消化器内科を選択し消化器内科医としてキャリアを積んできましたが、重症COVID診療を担うなかで、救急医に集中治療について教わる中で、本当は救急医になりたかったんだと思い出し、集中治療に興味をもって今に至っています。

 

今後は消化器内科医という立場で、専門診療(救急診療も専門診療があってこそですから)をより充実させつつ、病院前診療と集中治療の分野で救急の先生たちの仲間に入れてもらいながら修行を積んでいきたいなと思っています。

 

さて、それは閑話休題として、皆さんは病院前診療ではどんな症例で呼ばれることが多いと思いますか?

 

私の記事を読んでいただいている人はなんとなくイメージがついているかもしれませんが、「意識障害」と「胸痛」、「目撃ありCPA(目撃ナシはドクターカー適応外となっています)」が多いです。

 

そう。外傷は少ないんですよ。少なくとも当県では。外傷が一番テンションが上がるんですが。なんつったって救急医が目に見えてかっこよく動き回れますからね!

 

でも、地味な仕事の中にこそ問われる真価というものがあります。内科系救急医の僕としては、地味な仕事をひたむきにこなしていく中でカッコよさを見せつけていく必要があります。

 

さて、今回は「胸痛」がテーマなわけですが、病院前診療ではそれがいわゆる「本物」かそうでないかをいち早く見極め、適切な医療機関へ搬送することが求められます。

 

最近の救急車は十二誘導心電図が取れるようになっています。でも「とれる」のと「読める」のでは雲泥の違いがあります。救急医は迅速に十二誘導心電図を撮り、かつ心エコーをあて、それが本物かどうかを見極めます。ここで本物であると確信した場合は患者収容要請と同時に、循環器内科医師呼び出しを依頼します。

 

脳血管疾患と違い、心電図と心エコーが使えるので、虚血性心疾患の見極めは精度高く行うことができます(陳旧性の梗塞がある場合などでスカしてしまうこともあるのですが…)。

 

将来的には、救命士たちが心電図を読み、心エコーをあて判断できる日が来ることを願いますが、現状ではすでにその経験のある医師たちがそれを行うことでより迅速に患者さんの対応に当たることができます。

(Nao)

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国家試験までの過ごし方

2023.01.12
カテゴリー: 初期研修

J1の新潟県産もやし先生が、国試前のあなたにアドバイスをくれました。

 

もやし先生は新潟大学からのローテで、昨年4月から当院で研修していましたが、今月末で新潟にもどります。いろいろ経験値を増やしたので、新潟でも活躍してくれるはずです。そんなもやし先生からのアドバイスをぜひご覧ください!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

受験生のみなさんへ。国試まで一ヶ月を切り、不安と焦りでいっぱいになっているかもしれません。

国試を受けてまだ一年たってない私から、昨年の経験を踏まえ少しでもアドバイスできればと思い、この記事を記載しました。参考程度に読んでいただければと思います。

 

① あれもこれも手を出さない

各予備校から様々な直前講座が開設され、まわりの友達がやっていると、自分もやらなければいけないのかという気持ちになりますが、惑わされてはいけません。自分がこれまでやってきた勉強を繰り返す方が良いです。自分の場合は回数別5年分を解き直したり、まとめノートを見返したりしていました。直前講座ひとつもやらなくても合格すると思いますが、お守り的な感じで一つくらいは受けてもいいかもしれません。以下にそれぞれの特徴を簡単にまとめます(主観的です)

・究極マップ:広く浅く、抜けがないかの確認ができる

・直前アシスト:要点を絞っているが、近年的中している問題もある。

・サマライズ、ラスメ:量が多くて大変ですが、メックユーザーにはいいかもしれません。

 

② 最後の模試で落ち込まない

テコ4を受験した方は、おそらく偏差値が下がって、もしかしたら落ち込んでいるかもしれませんが気にしなくていいです。今年のテコ4は難易度が高かったようですし、国試前、最後の模試ということで、受験生が気合を入れて受験するので平均点が上がり、自分の偏差値が下がるのは当然です。結果は気にせず、間違えた問題だけを復習し、そのまま国試に出ればいいなーくらいの感覚がいいと思います。

 

③ 国試前日にやることを決めておく

国試前日は緊張で勉強に集中できませんし、あれもこれもやりたいと思ってしまいますが、ホテルまでの移動などを考えると自分のやろうと思っていたことはほとんどできません。この時期から予めやることを考えておき、それだけをやるようにしましょう。私は、公衆衛生の復習とコクタマの確認だけやりました。コクタマは近年ぜんぜん的中していませんが、多くの受験生が登録しているので、一応目を通しておくといいと思います。ちなみに国試前日の夜はなかなか眠れないそうです。(私は寝れましたが)一睡もせずに国試に臨み合格してる人もいるので、寝れなくても大丈夫です。あと検温検査を不安に思う人もいると思いますが想像以上にざるシステムなので心配しなくていいです。

 

国試に合格し、四月から水戸済生会病院で働いている自分の姿を想像し、気分をあげて日々過ごしてください。みなさんが合格できるよう心より願っております。

(新潟県産もやし)

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入院中から忘れず評価すべきこと・・・栄養とADL

2023.01.10
カテゴリー: カンファレンス 内科

80歳代の男性でADLは自立、敷地内の別棟に息子さん家族がんでいる(茨城はこのパターンが多いんです)方が、肺炎で入院しました。幸い、順調に経過し、血ガスも胸部レントゲンも、WBCやCRPも改善しています。

 

では、そろそろ退院してもらおうと家族に話をしたら、「こんなんじゃ、おじいちゃんを連れて帰れません!」と言われてしまいました。

 

なぜだか分かりますか?

その患者さんは、食事は食べれるけどむせ込まないように誰かがついてないといけません。摂取量も十分とは言えない。ADLも歩けているけど歩行器を使用していて自宅で一人での移動は無理。

 

家族からすれば、今まで全く手がかからなかったのに、常にだれか家にいなくてはいけないなんて、家族みんな仕事しているから無理! となる訳です。こんなことは、あなたもこの先必ず経験するハズです。

 

特に高齢者では、入院を契機に急速にADLの低下を来します。脳梗塞を起こしたわけでもないのに、嚥下機能が落ちたり、食事量も激減することはしばしば日常で遭遇します。

 

なので、すべての入院患者さんについて「栄養とADL」を忘れずに評価しておきましょう。

 

入院前の生活に戻れるのか? 転院や施設を考慮した方がいいのか? 早い段階で家族に見通しを伝えて、退院に向けての準備を始めておかないと、退院直前になって冒頭のようなことになってしまいます。

 

疾患のことばかりでなく、いろいろ目配せが大事ですが、特に「栄養とADL」はキモになることを覚えておきましょう。

(編集長)

 

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鑑別疾患のあげ方(解剖学的アプローチ)

2023.01.07
カテゴリー: カンファレンス 内科

あなたがたとえどの診療科に進むとしても、初期研修医のうちに必ず身に着けてもらいたいことの一つに、「鑑別疾患のあげ方」があります。

 

鑑別疾患は、星の数ほどあるので全部覚えることは無理ですが、鑑別疾患のあげ方(フレームワーク)をおさえておくと、考えやすくなるだけでなく、抜けがなくなるので、ぜひ覚えて下さい。

 

編集長が勧める鑑別疾患のあげ方には2つあって、前回は1つ目のVINDICATE!!!Pを紹介しました。今回は2つ目の、解剖学的アプローチを紹介します。

 

この方法は具体例を出した方が分かりやすいので、やってみましょう。

では、「胸痛」の鑑別をできるだけたくさんあげてみてください

いくつ鑑別をあげられましたか?

 

狭心症、心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓、気胸・・・・、多くの研修医は、ERで見落とすとヤバい疾患はすぐに言えても、あまり

ヤバくない(生命にすぐにかかわらない)疾患は、なかなか挙げられません。ヤバい疾患ではなくとも、患者の不安は一向に解消されないので、下手をするとトラブルのもとになることもあります。



こんな
時に、解剖学的に近い臓器や組織を考えていくと鑑別疾患を挙げやすくなります。

 

具体的に、胸に近い臓器は・・・・

皮膚:

 帯状疱疹

乳房:

 乳癌、乳腺炎

骨:

 肋骨骨折、圧迫骨折、骨転移

筋肉:

 筋肉炎

肺(さらに胸膜、肺胞、間質、気管支、気管と分けて考えましょう):

 気胸、胸膜炎、肺癌、肺炎、気管支炎、肺塞栓

心臓(冠動脈、心外膜、心筋、弁):

 狭心症、心筋梗塞、急性心外膜炎、心筋炎、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症、

大血管(大動脈とその分枝、大静脈):

 大動脈解離(特に上行解離)、大動脈瘤破裂

縦隔:

 縦隔炎、縦隔気腫、縦隔腫瘍

食道:

 逆流性食道炎、食道破裂、食道腫瘍

胃:

 胃炎、胃潰瘍、胃癌

肝臓:

 肝膿瘍、肝腫瘍

胆嚢・胆道:

 胆石、胆嚢炎、胆管炎

甲状腺:

 甲状腺炎

神経:

 肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛

横隔膜:

 横隔膜下膿瘍

 

まだまだあると思いますが、このように解剖学的に近いものを順に頭に浮かべて、それに関する疾患をあげていくと意外とたくさん出てきます。臨床の現場では、前回紹介したVINDICATE!!!+Pと、この解剖学的に攻める方法を無意識に組み合わせて鑑別疾患を考えていると思います。

 

医学生や研修医のうちは、鑑別疾患をたくさんあげるトレーニングを意識しましょう。同時に、鑑別疾患を広げるだけでなく、目の前の患者さんの診断に至るように鑑別を絞り込むトレーニングも大事です。こちらはまた別の機会で紹介します。

(編集長)

回診中に鑑別疾患を聞かれているところ♪

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救命救急センターだより「ロード アンド ゴー」

2023.01.05
カテゴリー: 救命救急センター

空飛ぶ消化器内科を目指すNaoです。本年も宜しくお願い致します。

 

「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。」

 

最近はドクターヘリよりドクターカーの出勤が多くて飛べていません。冬は、空気が澄んでいるのと、暑くないので空が楽しいんですけどね。ただの豚じゃなくなりたいものです。

 

さて、僕たち救命に携わる医師および看護師が現場進出の上で、病院外で患者さんに一刻も早い治療を届けるべく働いたりしますが、これを病院前診療と言います。現場進出の手段によりドクターカーやトクターヘリと呼んでいます(最近はドクタージェットというものもありますが、これはどちらかというと搬送が目的ですかね)。医師や看護師が現場進出するのも大切ですが、現場でできることには限りがありますので、やはり一刻も早い「搬送」が大切になります。

 

僕が現場に行った事案ではありませんが、このことを示す一つ良い事例がありました。交通外傷により大動脈損傷、横隔膜損傷および腹腔臓器損傷をきたした症例です。胸部大動脈損傷に対してTEVARを行い、その後緊急開腹して救命したというものになりますが、この時現場進出した救急医は、当然ながら超重症であることを一目で判断しました。

 

そこからがポイントなのですが、現場でできることは少ないと判断し、必要最小限の治療を行い一刻も早く搬送することを優先したのです。ともすると、僕のようなひよっこは、現場で色々細かく評価したり、できる検査や処置全部やりたくなってしまったりしますが、患者さんの救命には、早く病院に連れていき、より正確に診断し治療介入することのほうが重要なこともあります。重症だからこそ、です。

 

医師の介入なしでも現場の救急隊でこれを判断して行えるようにした仕組みが、「Load and Go(ロード アンド ゴー)」です。Load and Goは収容してすぐに現場離脱するものですが、生命の危険が少しでも疑われる傷病者への対応方針を言います。状況評価で高エネルギー事故に該当するもの、初期評価ででABCに異常がみられるもの、全身評価でJPTECが定める損傷(フレイルチェストや頭頚部および体幹部の穿通性外傷、骨盤骨折、両側大腿骨骨折など)がある場合などに適応とされます。

 

この場合、救急隊はLoad and Goを宣言し、救命救急センターである我々は必要最小限の情報だけを受け取り、受け入れの準備を行います。病院選定時に不必要に情報のやり取りで時間をかけないための方策で、これにより収容から搬入までに少なくとも数分以上の時間短縮が見込まれます。

 

数分、数秒が命の時間を左右することは、救命センターでは少なからず経験されます。消防および救命センターの強い連携のもとで引き続き地域医療を守っていきたいと思います。

 

実際そこまでシビアな症例は多くありませんが、当院で2年の研修を積むと経験することになります。救命センターでの仕事は、大きなやりがいがあります。

 

皆さんと当院で一緒に働けるのを楽しみにしています。ぜひ見学にいらしてください!

(Nao)

慌ただしいERの一コマ

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新年明けましておめでとうございます。

2023.01.03
カテゴリー: 初期研修

ブログ読者のみなさま

新年明けましておめでとうございます。本年もこのブログをどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

この数年はサボっていましたが、以前は新年最初のブログでキャリアなどの将来計画に関する話題を何度か紹介していました。今年は久しぶりにこれに関連する話題を紹介してみようと思います。

2020年新年最初の記事

2018年新年最初の記事

2017年新年最初の記事 

 

あなたは「キャリアのVSOP論」というのを聞いたことがあるでしょうか?年代ごとに求められるスキルのことだそうです。

 

20代はVitality(バイタリティ)

積極的にいろいろなことに取り組んで視野を拡げることで、自分の得意な分野や方向性を掴む年代

 

30代はSpecialty(スペシャリティ)

自分の得意分野を深堀りしていく時期。つまり、「自分はこの分野で勝負する」という方向性を決める年代。

 

40代はOriginality(オリジナリティ)

専門性を持ったとしても、周囲との差別化はできません。自分にしかできない仕事を意識して追及する年代。

 

50代はPersonality(パーソナリティ)

「役職が高い」と言うことではなく、周囲の人から「信頼されている人」なのかどうかで、自分の価値が決まる「人間力」で勝負する年代。

 

ちなみにこのVSOP論は1978年に脇田保と言う方の本に書かれたのが最初のようです。編集長はネットで見つけたので、原著はもちろん読んだことはありませんが、ネット上ではVがVariety(バラエティ:多様性)と書かれている記事が多くあります。でも、原著では「Vitality」と書かれているらしく、時代とともに少し変わっているようですね。さらに60代はPhilosophy(フィロソフィー:哲学)と書き加えられているものも見つけました。

 

由来はどうでもいいですが、研修医から医師として独り立ちしていく過程で、20代は失敗しながら一生懸命にいろいろなことに挑戦してみる、30代は自分の得意な専門性を高めていく、40代は専門領域の中で自分にしかできないことを探っていく、というのは、既にもうちょっと上の年代に達した編集長からするとすごく腑に落ちるところです。あなたの周りでカッコよく活躍している先生も、最初からできたわけではないのです。

 

将来のことは普段は忙しくて考えることを後回しにしがちです。せっかくの年の初めですから、短い時間でもVSOPを意識しながら将来のことを考えてみてはいかがでしょうか?

 

あなたにとって2022年が飛躍の1年になるよう一緒に頑張って行きましょう!本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 

(編集長)

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