臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

知っていますか? キノロンの注意点

2019.03.07

2月28日に行われた松永先生による

感染症カンファからです。

 

今回のテーマは

「医師も知っておきたい感染対策」

でしたが、感染対策を一言で言うと、

 

問題となる微生物を、

「作らない」 「広げない」 「治す」

ということです。

 

これに関連して、あなたも

薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)

対策という言葉くらいは聞いたことが

あると思います。

 

2016年にAMR対策アクションプランが

策定されていますが、その中に

成果指標の一つとして

 

ヒトの抗微生物剤の使用量を

2020年までに

・全体で33%減少、

・経口セファロスポリン、フルオロキノロン、

 マクロライド系薬を50%減少

・静注抗菌薬を20%減少

(いずれも対2013年比)

という目標が掲げられています。

 

ここでやり玉に挙がっている

キノロン系抗菌薬について

あなたはどの程度知っているでしょう?

 

ニューキノロン系薬は、尿路感染症や

肺炎に頻用されている薬剤ですね。

 

でも、耐性株は意外と存在することを

知っていますか?

 

例えば、尿路感染の代表的な起炎菌は

大腸菌(E.Coil)ですが、ある病院では

キノロン薬の感受性が73%しかない。

 

E.Coliだから何でも効きそうな印象ですが、

この値はキノロンの感受性は良好では

ない、キノロンを第一選択として用いる

ことができないレベルと言う意味です。

 

肺炎に対しても、成人肺炎診療

ガイドライン2017では

医療・介護関連肺炎に対して、

外来エンピリック治療としての

ニューキノロン系薬は弱い推奨

なっています。

 

理由としては、副作用、耐性化の可能性、

そして結核をカバーしてしまうために、

結果として肺結核の発見が遅れて、

予後の悪化につながってしまうという

問題があるからです。

 

特に外来診療の場で、安易に

尿路感染症・肺炎=キノロン系薬

と選択しないように気を付けて下さい。

(編集長)

 

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春のイベントのご案内

春休みに病院説明会が開催されます。

当院も参加しますので、ぜひブースに

お越しください!

 

 

レジナビフェアスプリング2019東京

日時:平成31年3月10日(日)午前10時~午後5時

場所:東京ビックサイト 東7・8ホール

詳細はこちら

https://www.residentnavi.com/rnfair/ts190310

 

茨城県臨床研修病院合同説明会

日時:平成31年3月17日(日) 午後1時~午後5時

場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール

詳細はこちら

https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/jinzai/ishikakuho/isei/ishikakuho/mstudent/goudousetumeikai20190317.html

 

◆感想やコメントはFacebookページから

 お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

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今までとはちょっと違いました・・・第19回水戸医学生セミナー報告

2019.03.05
カテゴリー: 水戸医学生セミナー

3月2日と3日の2日間で、第19回

水戸医学生セミナーを開催しました。

 

今回もリピーターはもちろんのこと、

金沢など遠くからも参加していただき

ました。

 

今回の特徴は2年生や3年生の参加者も

いたことです。2年生と言えば、まだ臨床の

講義が始まったかどうかというタイミング

ですが、それでもセミナーに参加してくれて、

編集長は嬉しい限りでした。

 

また当院の研修医が医学生のサポートを

するのですが、当院だけでなく筑波記念

病院の研修医2名も参加してくれました。

 

内容は、いつものように1日目の午前中に

MCLSを中心にJATEC、ALSの講習と

実技を行いました。

 

午後は当院のヘリポートでドクターヘリを

見学してから水戸協同病院に移動です。

昨年のセミナーでは、ドクヘリの出動要請が

入っていて見学できなかったのですが、

今回の間近で写真が撮れてラッキー

でした。

 

 

水戸協同病院では、今までPhysical 

examination roundを行っていましたが、

今回はちょっと内容を変えて、小林先生

による身体診察の基本とリンパ節触診法、

そしてチーフレジデントの長崎先生が

臨床推論の基本についてレクチャーを

行っていただきました。

 

 

じつは、このセミナーで実際に患者さんの

身体所見を取り、その後フィードバックを

受けると、もう一度患者さんのところに

行きたくなります。でも、実際のところ

2回目の診察は困難です。

 

そこで今回はじっくりと時間を取って

臨床推論の基本と、それに必要な情報を

得るための身体診察法という流れを

確認したという訳です。そして実際には

ちゃんと出来ていないリンパ節の触診法

を教えていただきました。

 

 

2日目は当院でのメディカルラリー。

今回もラリーのシナリオはJ2が作って

くれました。彼らの経験症例に基づいた

シナリオで、基本を守らないと大変な

事態になってしまう・・・、そんな面白い

シナリオでした。

 

セミナーの内容はまたブログで紹介

していきますので、お楽しみに。

(編集長)

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春のイベントのご案内

春休みに病院説明会が開催されます。

当院も参加しますので、ぜひブースに

お越しください!

 

 

レジナビフェアスプリング2019東京

日時:平成31年3月10日(日)午前10時~午後5時

場所:東京ビックサイト 東7・8ホール

詳細はこちら

https://www.residentnavi.com/rnfair/ts190310

 

茨城県臨床研修病院合同説明会

日時:平成31年3月17日(日) 午後1時~午後5時

場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール

詳細はこちら

https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/jinzai/ishikakuho/isei/ishikakuho/mstudent/goudousetumeikai20190317.html

 

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今年度最終・松永先生の感染症カンファ報告

2019.03.02

このブログでもたびたび紹介している

帝京大学感染制御部の松永先生に

お越しいただき、今年度最終となる

カンファを2月28日に開催しました。

 

今回のタイトルは

「医師も知っておきたい感染対策」

 

内容は・・・、

問題となる微生物を

「作らない」、「広げない」、「治す」

ということに絡めて

AMR(薬剤耐性)対策や手指衛生など、

日常臨床ですぐに使える内容が

いっぱい詰まっていました。

その一部は次回以降に紹介します。

 

今年度最後でしたので、終了後に

初期研修を終える当院J2の3名から

松永先生にプレゼントが手渡されました。

 

そして松永先生から、その3人に本の

プレゼントがありました。

 

松永先生が今まで読んだ本から、

J2それぞれの進路に合わせてチョイス

してくれたものです。

 

プレゼントは皮の名刺入れ

 

初期研修を終えてそれぞれの専門に

進んだとしても、感染症と縁を切る

ことはできません。

 

2年間で計10回の松永先生カンファで

繰り返された「どこで? 何が?」

忘れることなく、それぞれの領域で

診療に当たってほしいと思います。

 

新年度も松永先生の感染症カンファが

開催されます。感染症に興味のある

あなたはぜひ参加してみて下さい!

(編集長)

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春のイベントのご案内

春休みに病院説明会が開催されます。

当院も参加しますので、ぜひブースに

お越しください!

 

 

レジナビフェアスプリング2019東京

日時:平成31年3月10日(日)午前10時~午後5時

場所:東京ビックサイト 東7・8ホール

詳細はこちら

https://www.residentnavi.com/rnfair/ts190310

 

茨城県臨床研修病院合同説明会

日時:平成31年3月17日(日) 午後1時~午後5時

場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール

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