臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
病院見学のススメ
あなたが4年生もしくは5年生なら、冬休み中の病院見学をどうするか?そろそろ考えている時期かもしれません。
年があけると、あっという間春休み、そしてあっという間にマッチング面接の時期になってしまいますから、今から情報収集しておくのが良いでしょう。
コロナの影響で病院見学を思うようにできない状況でしたが、現在の流行状況をみると今がチャンスかもしれません。
可能な限り、病院見学に行ってください。
実際に行ってみると、それぞれの病院によって想像以上に雰囲気が違うことに気づくはずです。直接見学にけなくとも、レジナビなどのWeb病院説明会には、質問コーナーや個別面談のようなコーナーを設けているものもあるので、積極的に利用してください。
病院見学に行った際のポイントは・・・、
指導医クラスの話は、半分程度に聞いておけばOKです。なぜかと言えば、基本的にイイことしか言わないからです。
必ず研修医たちに直接話を聞きましょう。そしてあなたの知りたいことを質問してみましょう。研修医も1年前には同じように悩んでいた訳ですから、たとえあなたがつまらない質問かもと思っても、そのような質問こそ聞いておくべきです。一番参考になる答えが返ってくるはずです。
そして研修医たちの元気の良さや看護師さんや技師さんたちの雰囲気にも注目してみて下さい。研修医を育ててくれるのは指導医だけではありませんからね。
さらに、気になっている病院や候補として考えている病院には2回、3回と見学に行ってみることをおススメします。何故かと言えば、どうしても初めてのところは緊張するし、余裕がないので周りを見ているようで見えていません。2回目になると余裕ができて、おなじ病院見学でも見える風景が違うはずです。
加えて1回目にあった研修医が、2回目にはものすごく頼りになる研修医に見えるはず。この時期なら、2年目の研修医の姿は、あなたが2年間の研修を終えた時の姿に重ねることが出来ます。
当院に病院見学に来ていただいた方からは
・研修医の先生が担当してくれて、質問しやすかった。
・昼食の時に研修医の先生とお話ができて、とても参考になった。
・初期研修医の先生が対応していただき、手技や治療を積極的に行えることが分かりました。
などのコメントをいただいています。
既に、この冬休みの病院見学申し込みも多数いただいています。
下のリンクからお早めにお申し込みください!
(編集長)
吸入器勉強会の一コマ
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6月21日に開催されたレジナビFairでの紹介動画(11分)を、こちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください!
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「レジナビFair 専門研修(内科)プログラム」で紹介された説明動画がご覧いただけます。
喘息の話(6)・・・吸入薬の特性
井上先生の呼吸器レクチャーからです。
今回は吸入薬の特徴です。あくまで井上先生の私見ということでご覧いただきたいのですが、吸入薬を外来で処方する機会もそれなりにある編集長としては、非常に納得する部分と、目からうろこの部分がありました。あなたも、是非とも患者さんに合わせて使い分けられるようになってください。
【タービュヘイラー】
<良い点>
・違和感が少ない
・合剤、単剤の変更がしやすい
<悪い点>
・吸った感じがあまりしない
・操作が難しい
【ディスカス】
<良い点>
・操作は簡単
・吸った感覚がある
・合剤、単剤の変更がしやすい
<悪い点>
・違和感が強い
・いずれ無くなる?
【エリプタ】
<良い点>
・操作の手順が最も簡単
・ラインナップが多い
<悪い点>
・ためしができない
・違和感は強い
【ブリーズヘラー】
<良い点>
・吸った感覚がある
・吸う時に音が出る
<悪い点>
・吸入後の席がある
・詰め替えが必要
【ジェヌエア】
<良い点>
・吸ったときに表示が変わる
<悪い点>
・ラインナップが少ない
【レスピマット】
<良い点>
・肺への拡散が良好
・吸入力が少なくとも大丈夫
<悪い点>
・操作に力が必要
・吸入のタイミングが必要
【エアゾール】
<良い点>
・違和感が少ない
・吸入力が少なくとも大丈夫
<悪い点>
・タイミングが合わないと吸えない
・アルコール臭がある製品もある
あなたも「患者さんが使える吸入薬」を選ぶ時の参考にしてみてください!
(編集長)
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喘息の話(5)・・・吸入薬の指導
井上先生の呼吸器レクチャーからです。
前回は喘息の長期管理について紹介しました。
その中に「服薬アドヒアランスは良好か?吸入手技が正しいか?」というチェック項目がありました。喘息でもCOPDでも吸入薬が治療の中心となりますので、正しく吸入できているかは大変重要なポイントです。そこで10月に続いて、11月も井上先生に吸入指導についてのZoomレクチャーをお願いしました。
喘息やCOPDで使われる吸入薬にはICS(吸入ステロイド)、LABA(長時間作用型β刺激薬)、LAMA(長時間作用型抗コリン薬)がありますが、単剤のものやICS+LABAやLABA+LAMAの2剤合剤、今ではICS+LABA+LAMAの3剤合剤があり、非専門家にはとても覚えられません。しかも、ご覧の通りいろいろなタイプのデバイスがあります。
井上先生の診察室にある吸入器たち
使い方をきちんと指導して、患者さんができるようにならないと・・・
・ふたを開けないで吸入する
・タンクを装着しないで使用している
・吸入剤に息を吹き込んでしまう
・吸入剤のカプセルを飲んでしまう
・吸入剤の粉末を水に入れて飲んでしまう
・吸入剤を部屋に噴霧している
などと、笑い話のようなことがホントに起こってしまっています。
どんなに「エビデンスがある」とか「効果が強い」と言っても、個々の患者さんが吸入できなければ意味がありません。井上先生も「吸入できる薬剤であることが絶対条件」と何度も強調していました。
井上先生の吸入剤の使い分けのポイントとして
・吸入を自分のタイミングしたい・・・DPI(ドライパウダー吸入)
・吸入力が弱い・・・pMDI、ソフトミスト
・吸入した感覚が欲しい・・・音、味がある
・吸入の違和感が嫌・・・粒子が細かい
・手先が不自由・・・力がいらないもの
・介護が必要・・・外から見て吸入が分かる
といったことを挙げていました。
次回はそれぞれの吸入剤の特性について紹介します。
*なお、それぞれの吸入剤の使い方やピットフォールについても、もちろん教えてもらいましたが、ここでは割愛しました。もし興味のある方はお問い合わせフォームからご連絡ください。動画を閲覧できるようにいたします。
(編集長)
相変わらず分かりやすい話でした!
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患者さんを”みる”とは
在宅診療医としては、あるあるというほどではありませんが、時折経験されるのが病院で経口摂取不良のため、胃菅、PEG、CV、CVポートなどで在宅栄養管理目的の紹介をされたものの、家に帰ってきたら徐々に食事食べるようになり、気が付いたら、栄養状態全く問題なしというケース。
本人によくよくお話を伺うと、「だって病院のメシまずいんだもん。あんなの食っちゃいられないよ。」
(水戸済生会の病院のご飯はおいしいと思いますよ!検食は完食してます!)
こんなとき在宅診療医の僕は思うのです。「病院の医者は患者を診ているかもしれないが、看てはいないな」と。
先日のことですが、こんなことがありました。立て続けに整形外科入院中の患者さんが胆嚢炎を起こし、お二人とも高齢や併存症の都合で胆摘ではなくPTGBD管理することとしました。保存的治療で軽快しPTGBDを抜去し、あとは施設退院あるいはリハビリ転院を待つばかりという状態になっていたのに、二人ともご飯を食べない。0-2割くらい。。。
胆嚢炎が再発していないかとエコーをしたり、内視鏡をしたりしましたが特に問題はなし。そんな折、看護スタッフから「個別対応で食事出したいから、脂質制限解除してもいい?」と聞かれ、まぁどうせ食べれていないし脂質制限はなくてもいいか、と脂質制限食をやめたところ、8-10割を摂取するように!
もう一人の患者さんも試しに常食を出してみたところ、半分以上摂取するように!
そうです。胆嚢炎後なので脂質制限食にしていたところ味が合わないために食事摂取が進まなかったのです。患者さんがなんでご飯を食べないのか、身体的異常という観点からしか患者さんを診ていなかったのです。
あぁ、やっぱり僕も病院の医者だった。患者さんに心が寄り添えていなかった、と反省です。
(Nao)
人の手元をよく見てますね!
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喘息の話(4)・・・井上先生の呼吸器レクチャー@Zoom
井上先生の呼吸器レクチャーからです。前回は喘息の治療について紹介しました。症状から治療ステップを選択するというものです。
しかし実際の臨床では、なかなか症状がコントロールできない場合があります。そんな時の診療の進め方がガイドラインにあります。
他に井上先生は、喘息のコントロール状態について医師と患者との間で認識に大きなギャップがあることを強調していました。治療を受けている患者らを調べると、医師側は79%でコントロール良好と認識していたのに、患者側では約半数しかコントロール良好と回答していなかったというデータがあるそうです。つまり、患者側の喘息治療に対する治療満足度が低いということです。
もう一つ、全身ステロイド投与、つまり経口とか点滴でのステロイド投与についてですが、長期に全身投与することは、いろいろ問題があるのは容易に想像できると思います。ですので、喘息コントロールのための経口ステロイドの使用は短期間の間欠投与(ステロイドバーストと呼ぶそうです)が原則です。
でも、ステロイドバーストを年4回以上行っていると、いくら短期使用といっても、骨粗鬆や高血圧、肥満、糖尿病などのリスクが上昇してしまいます。ですので、年に何度もステロイドの全身投与をするような患者さんでは、生物学的製剤の位置づけが高くなっているそうです。生物学的製剤は値段も高くて使用に条件がありますので、専門医に紹介して導入してもらいましょう。
まとめると、喘息の管理目標である
1、症状のコントロール(発作や喘息症状がない状態を保つ)
2、将来のリスク回避(喘息死回避、急性増悪予防、呼吸機能の経年低下抑制、治療薬の副作用回避、健康寿命と生命予後を良好に保つ)
これらを意識しながら、患者さんの満足度を高めるように積極的な治療を行う必要があります。
(編集長)
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カッコいい先生、素敵な先生に診てもらいたい
あなたも一度くらいは病院やクリニックで患者として診察を受けたことがありますよね?
診察室に入る時に、どんなお医者さんか?何を聞かれるか?程度の差はあれ、緊張しませんでしたか?
そんな時に、お医者さんの方から自己紹介してくれて、いろいろ話しやすく相槌を打ってくれて、不安なことを話せて、話もまとめてくれると、すごく安心します。あなたにもそんなお医者さんになってもらいたいです。
でも、同時に患者さんや家族は「このお医者さんを信頼していいのか?」と疑いの目でも見ています。無意識のうちに医者を値踏みしているのです。あなたも診察を受けた時にそう思っていませんでしたか?
これは誰でも無意識にしていることなので、患者さんを責めても意味がありません。ですが、ある程度の対策はあります(笑)。それは・・・、身だしなみを整える、つまり見た目を良くすることです。
たぶん患者さんは誰でも、自分がかかったお医者さんがカッコいいとか、腕がいいとか、偉いとか、テレビに出たことがあるとか、そんなことを期待しています。家族や知人に、どんないい先生だったかを自慢したい気持ちがあります。そんな時に寝ぐせで髪が立っているとか、白衣の襟がきちんとなっていないとか、無精ひげだったり、白衣や靴に血液がついて汚れていたら、やはり印象が悪くなりますよね。・・・・あなたは大丈夫ですか?
ブランド物の白衣でもきちんと着ないとカッコ良くないですし、スクラブも市民権を得ましたが高齢の患者さんにとっては「お医者さん=白衣」というイメージがまだまだあるので、イマイチかもしれません。(このため編集長は白衣を着るようにしています)
カッコよくする、身だしなみを整えることで、よい印象を持ってもらうことが出来ます。患者さんを診察する時の見た目がだらしないのはNGです。あなたの行動をみんなが見ていますから、だらしない格好で患者さんや家族の前には行かないようにしましょう。
(編集長)
回診に出る前に、輸血のチェック
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喘息の話(3)・・・井上先生の呼吸器レクチャー@Zoom
前回の続きです。
前回は喘息を疑ったら、ICS/LABA(吸入ステロイド/長時間作用型β刺激薬)を使って積極的に診断していきましょうという内容でした。
では、診断したら治療を行う訳ですが、喘息ではICSが治療の中心になることは、どこかで聞いたことがあるはずです。このICSが導入されたことで、1995年から2013年までの18年間で、喘息による死亡が80%近くも低下しています。凄いですよね。こんなに死亡率が低下した疾患は他にないそうです(編集長としてもすごく実感します)。
さて、治療を行う際には症状の重症度をおさえたうえで、治療ステップに基づいて薬剤の選択をしていきます。重症度や治療ステップの表は見たことあると思いますが、その中から長期管理のための基本治療薬をまとめると以下のようになります。
なお、発作時はいずれのときでもSABA(短時間作用型β刺激薬)が基本となります。
【軽症間欠型】
頻度:週1回未満
強度:症状は軽度で短い
夜間症状:月2回未満
➡治療ステップ1
・低用量ICS
・LTRA(ロイコトリエン受容体拮抗薬)内服
・テオフィリン徐放剤内服
【軽症持続型】
頻度:週1回以上だが、毎日ではない
強度:月1回以上、日常生活や睡眠が妨げられる
夜間症状:月2回以上
➡治療ステップ2
・低~中用量ICS+LABAまたはLAMA(長時間作用型抗コリン薬)
・LTRA内服
・テオフィリン徐放剤内服
【中等症持続型】
頻度:毎日
強度:週1回以上、日常生活や睡眠が妨げられる。しばしば増悪
夜間症状:週1回以上
➡治療ステップ3
・中~高用量ICS+LABA+LAMA
・LTRA内服
・テオフィリン徐放剤内服
・抗IL-4受容体α鎖抗体(デュピルマブ)
【重症持続型】
頻度:毎日
強度:日常生活に制限、しばしば増悪
夜間症状:しばしば
➡治療ステップ4
・高用量ICS+LABA+LAMA
・LTRA内服
・テオフィリン徐放剤内服
・抗IgE抗体(オマリズマブ)
・抗IL-5抗体(メポリズマブ)
・抗IL-5受容体α鎖抗体(ベンラリズマブ)
・抗IL-4受容体α鎖抗体(デュピルマブ)
・経口ステロイド薬
・気管支熱形成術
次回紹介する予定ですが、ポイントは経口ステロイド薬よりも生物学的製剤の位置づけが上に来ていることに注意しましょう。
(編集長)
ER当直中の一コマ
(手を出したいけど、出さない指導医)
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徳田先生のカンファレンス2021・秋の陣
徳田安春先生のケースカンファレンスが本年6月に引き続き、第2回目が11月9日に開催されました。
今回はJ2の所先生が症例提示をしましたが、ナント65枚ものスライドにわたる長い経過の症例でした。
グラム陽性球菌による菌血症の症例だったのですが、当初に想定していた疾患と異なる検査結果を得て、軌道修正をしながら診断に至りました。膠原病や血液疾患を疑わせる検査結果をどう解釈すべきか、懸念した感染性心内膜炎ではない合併症が発覚したりと、なかなかのタフケースでしたが、鑑別疾患を一つ一つ丁寧に勉強してまとめてくれたので、とても分かりやすいスライドで徳田先生も絶賛してくれました。
症例の経過を知っていても、徳田先生の鑑別の進め方、目の付け所は今後の診療に役に立ちます。予定の2時間を大幅に超えてのケースカンファでしたが、症例から非常に多くのことを学べる好例でした。
所先生もお疲れ様でした!
(編集長)
カンファ中の徳田先生
(当院のスクラブもカッコイイですよね♪)
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喘息の話(2)・・・井上先生の呼吸器レクチャー@Zoom
井上先生の呼吸器レクチャーからです。今回は喘息を疑った時の対応についてです。
前提として、
・喘息は小児から高齢者まですべての年代において発症し得る疾患
・喘息の診断には「ゴールデンスタンダード」となりうる客観的指標はない
・喘息の診断には症状が重要なので、詳細な問診が必要
・症状の中で最も特異性の高い症状が「喘鳴」、最も頻度が多いのが「咳嗽」
これらを踏まえて、まず問診チェックリストを用います。
・「大項目+小項目のうちいずれか1つ以上」あれば喘息を疑い、次に紹介する診断アルゴリズムに移ります。
<問診チェックリスト>
大項目
喘息を疑う症状(喘鳴、咳嗽、喀痰、胸苦しさ、息苦しさ、胸痛)がある
小項目
〔症状〕
①ステロイドを含む吸入薬もしくは経口ステロイド薬で呼吸器症状が改善したことがある
②喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)を感じたことがある
③3週間以上持続する咳嗽を経験したことがある
④夜間を中心とした咳嗽を経験したことがある
⑤息苦しい感じを伴う咳嗽を経験したことがある
⑥症状は日内変動がある
⑦症状は季節性に変化する
⑧症状は香水や選考などの香りで誘発される
〔背景〕
⑨喘息を指摘されたことがある(小児喘息も含む)
⑩両親もしくは兄弟に喘息がいる
⑪好酸球性副鼻腔炎がある
⑫アレルギー性鼻炎がある
⑬ペットを飼い始めて1年以内である
⑭末梢血好酸球が300/μl以上
⑮アレルギー検査(血液もしくは皮膚検査)にてダニ、真菌、動物に陽性を示す
繰り返しになりますが、上記チェックリストで「大項目+小項目のうちいずれか1つ以上」あれば、下記のアルゴリズムに従って診断します。
日本喘息学会 喘息診療実践ガイドライン2021より
これを見ると分かりますが、喘息を疑ったらICS/LABAを試して積極的に喘息を診断しに行きましょうという感じが伝わりますね。
(編集長)
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喘息の話(1)・・・井上先生の呼吸器レクチャー@Zoom
今年度から始まった井上先生の呼吸器レクチャー@Zoomが先日開催されました。
今回のタイトルは「それでいいのか?喘息、COPDの診療」とちょっと攻めた感じでした(理由は井上先生の専門領域だからです)。今回から井上先生のレクチャーの中から気管支喘息(以下、喘息)について紹介していきます。
まず、あなたの喘息に対するイメージはどんなものでしょうか?
ゼーゼーしながら病院に来て、吸入や点滴をすると良くなって帰宅する病気と言った感じでしょうか?
編集長が研修医の頃は喘息発作の入院が多くて、それはもっぱら研修医の仕事でしたが、今は喘息発作の入院を経験したことがない研修医が大半かもしれません。。
ところが、喘息として治療を受けている人は約111万人(2017年統計)ですが、喘息様の症状がある人は数百万人いると推定されているそうです。その全てが喘息ではないとしても、、喘息と診断されておらず、未治療の人がまだまだ多いということです。
その未治療の喘息患者さんを診断し、治療に結び付けていくにはどうしたら良いか?それにはあなたが喘息を診断しなければいけません。
では、どうやって診断しますか?
↓
↓
↓
初めに喘息の定義を振り返ってみると、
「気道の慢性炎症を本態とし、変動性を持った気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳などの臨床症状で特徴付けられる疾患」
となっています。
ここでのポイントは、纐纈奴や糖尿病などと異なり、数値が入っていないぼんやりした定義だということです。つまり、何か検査をして喘息と診断する訳でなく、症状から疑っていく必要があるということです。
具体的には
風邪でもないのに・・・、
冷たい空気を吸うと・・・、
風呂の湯気を吸うと・・・、
タバコや線香の煙で・・・、
天気が悪くなると・・・、
咳が出る
息が吸いづらい
胸が重苦しい
胸が圧迫される
これらは喘息の症状かもしれません。
実際のところ、長引く咳の原因の7割が喘息関連(咳喘息+咳優位型喘息)というデータがあるそうです。(Niimi A et al. J Asthma. 2013; 50: 932 937)
繰り返しになりますが、あなたが「もしかしたら喘息かもしれない」と疑うことが未治療の喘息を診断する第一歩になります。
次回は、喘息を疑ったときの対応を紹介します。
(編集長)
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