臨床研修ブログ
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リードレスペースメーカ
あなたはペースメーカを植え込まれている患者を担当したことがあるでしょうか?下のような胸部レントゲンを見たことがあると思います。

では、もう一つ。下のレントゲンもペースメーカが入っている患者さんのものですが、ペースメーカがどこにあるか分かるでしょうか?

答えは矢印のところです。

これがリードレスペースメーカですが、ペースメーカが植え込まれている情報が無かったり、撮影条件によっては、編集長も見落としそうになることもあります。従来のものと比べた写真が下のものです。

このリードレスペースメーカは、登場した当初はVVIのみでしたので、徐脈性心房細動や高齢者に用いられることが多かったのですが、現在はVDDのものやスクリューで固定するタイプのものが登場して、以前とは適応も変わってきています。あなたもどこかで目にすることがあると思いますので、今回は基本的なところを紹介します。
まず、リードレスペースメーカの適応(推奨クラスⅠ)として
①感染リスクが高い
②末期腎不全
③デバイス感染の既往
④先天性心疾患などで経静脈リードの植込みが難しい解剖学的原因がある
⑤ステロイドや免疫抑制薬などの薬物治療中
⑥放射線治療中
⑦長期的血管内カテーテル留置中あるいはその既往
となっています。
同時にリードレスの重大な有害事象である、植え込み時の心筋穿孔・心囊液貯留のリスクについても言及しており、下記の評価を行うことを求めています。
・年齢≧ 85 歳
・BMI< 20 kg/m2,
・女性
・心不全
・陳旧性心筋梗塞
・肺高血圧症
・慢性閉塞性肺疾患
・透析
現状では、施設によってリードレスの件数が大きく異なっていますが、もともと高齢者にペースメーカを植え込むことが多かったわけですから、今後もリードレスを使用する場面が増えると思います。実際のところ水戸済生会の循環器内科では、新規植え込みの半数以上がリードレスとなっています。
リードレスだと、存在を忘れがちになりそうですが、患者さんに植え込まれているデバイスとしては重要なものなので、見落とさないようにしてください。
(参考文献:2024JCS/JHRSガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療)
(編集長)
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