臨床研修ブログ
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低ナトリウム血症の対処8
すこし間が空いてしまいましたが、
前回まで低Na血症の鑑別の進め方
そしてSIADHの診断、原因疾患、
治療についてまとめてきました。
今回は低Na血症の鑑別に、
もう一つ加えておいて欲しいものを
紹介します。
入院患者さんにみられる低Na血症の
原因にはSIADHが多いのですが、
治療として水分制限を行っても
改善しないケースがあります。
特に高齢者に多くみられることから
鉱質コルチコイド反応性低Na血症
(MRHE:mineralocorticoid-responsive
Hyponatremia of the elderly)
と呼ばれます。
(Endocr J 43 : 101―108, 1996.)
診断はSIADHにほぼ一致していますが、
SIADHは体液量が正常(脱水も浮腫もない)
であることが前提ですが、MRHEは
軽度の脱水があることがポイントになり、
SIADHの治療である水分制限でも
改善がないのが特徴です。
診断基準としてSIADHの診断基準に
加えて、下記3項目を追加したものが
提唱されています。
① 60歳以上
② SIADHの診断基準に合致し、
さらに下記2項目を満たす
・水制限で低Na血症が悪化する
・臨床的に脱水所見を認める
③ 鉱質コルチコイドの使用で
低Na血症が補正される
(Nephrol Dial Transplant 2014;29 (suppl 2):ii1–39.)
MRHEとSIADHは鑑別困難な場合があり,
じつは8月に開催された徳田先生との
症例検討会でMRHEであった可能性が
高い症例を討論しました。
SIADHの診断基準を満たしながらも
水制限で改善されない低Na血症では
MRHEを鑑別に挙げてみましょう。
(編集長)
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