臨床研修ブログ
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喘息の話(2)・・・井上先生の呼吸器レクチャー@Zoom
井上先生の呼吸器レクチャーからです。今回は喘息を疑った時の対応についてです。
前提として、
・喘息は小児から高齢者まですべての年代において発症し得る疾患
・喘息の診断には「ゴールデンスタンダード」となりうる客観的指標はない
・喘息の診断には症状が重要なので、詳細な問診が必要
・症状の中で最も特異性の高い症状が「喘鳴」、最も頻度が多いのが「咳嗽」
これらを踏まえて、まず問診チェックリストを用います。
・「大項目+小項目のうちいずれか1つ以上」あれば喘息を疑い、次に紹介する診断アルゴリズムに移ります。
<問診チェックリスト>
大項目
喘息を疑う症状(喘鳴、咳嗽、喀痰、胸苦しさ、息苦しさ、胸痛)がある
小項目
〔症状〕
①ステロイドを含む吸入薬もしくは経口ステロイド薬で呼吸器症状が改善したことがある
②喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)を感じたことがある
③3週間以上持続する咳嗽を経験したことがある
④夜間を中心とした咳嗽を経験したことがある
⑤息苦しい感じを伴う咳嗽を経験したことがある
⑥症状は日内変動がある
⑦症状は季節性に変化する
⑧症状は香水や選考などの香りで誘発される
〔背景〕
⑨喘息を指摘されたことがある(小児喘息も含む)
⑩両親もしくは兄弟に喘息がいる
⑪好酸球性副鼻腔炎がある
⑫アレルギー性鼻炎がある
⑬ペットを飼い始めて1年以内である
⑭末梢血好酸球が300/μl以上
⑮アレルギー検査(血液もしくは皮膚検査)にてダニ、真菌、動物に陽性を示す
繰り返しになりますが、上記チェックリストで「大項目+小項目のうちいずれか1つ以上」あれば、下記のアルゴリズムに従って診断します。
日本喘息学会 喘息診療実践ガイドライン2021より
これを見ると分かりますが、喘息を疑ったらICS/LABAを試して積極的に喘息を診断しに行きましょうという感じが伝わりますね。
(編集長)
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