臨床研修ブログ
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P/ F 比
さて、今回は新J1のヒゲだるまが記事を書いてくれました。
研修医になって最初のローテーションが総合内科なので、いろいろベーシックなところを確認しながら病棟で奮闘中です。そんなヒゲだるまに酸素化の評価をどうするのか?と宿題を出したら、まとめてくれたのでシェアします。
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とても真面目とは言えなかった僕は、呼吸状態は「SpO2が95%くらいあれば大丈夫っしょ」くらいに思ってました。
ですが実際は鼻カニューレ、リザーバーマスク、NPPVさまざまな環境で計測されるSpO2があるわけで、そう単純なものではありませんでした・・・・。
例えばSpO2は98%であるがリザーバーマスク10Lを付けてる状況ではどうでしょうか?
SpO2は確かに高い値ですが、リザーバーマスク10Lはなかなかの量です。さて、こんな時はどう考えたらよいでしょう?
ここで出てくるのがP/F比です。
PはPaO2=動脈血酸素分圧、FはFiO2=吸入気酸素濃度の割合のことを言います。
FiO2の大まかな値は以下に載せておきます。
そしてこのP/F比は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の重症度を示す基準にもなっています。
具体的には
軽 症: 200 < P/F ≦300
中等症: 100 < P/F ≦200
重 症: P/F ≦ 100
さて、ここで冒頭の例を考えてみましょう。
SpO2が98%ではPaO2≒100と考え、リザーバーマスク10LはFiO2が0.8とすると、P/F=100/0.8=125となります。
これは上述したARDSの基準を参考にするとだいぶ悪いということがわかります。
おそらく1年前の僕なら「大丈夫じゃね?」でスルーしてたと思いますが、これからは酸素化の指標としてはP/F比を自然と使えるようになりたいものです。
(ヒゲだるま)
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