臨床研修ブログ
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救命救急センターだより「鼠径ヘルニア嵌頓」
先日、鼠経ヘルニア嵌頓の患者さんが転院搬送されてきました。そこで今回は鼠経ヘルニアに対して用手還納を試みる際の注意点についてお話ししたいと思います。
鼠経ヘルニアについてはガイドラインが存在しますが、ガイドラインは基本的に外科的治療についての話が主体となっており、用手還納については基本的に言及がありません。ですので、私個人的な注意点という形になりますので、参考程度にとどめていただければと思います。
まず、ヘルニア嵌頓に対して用手還納を行ううえでどのような点に注意が必要でしょうか?
1.還納手技の際に腸管損傷をしてしまう(遅発的な間膜損傷の報告もあります)。
2.腸管壊死のため、結局嵌頓解除後に穿孔してしまう。
3.壊死腸管の急速な血流改善により、サイトカイン放出によるショック
などがあります。ですので、単純でよいので極力CT検査は行うことが望ましいです。
腹水や腸管浮腫などの(free airは論外ですが)、腸管壊死を疑う所見がないかをまず確認します。私は、加えて超音波を行い、腸管の血流を評価したり、ヘルニア門の位置を確認をしたりします。ヘルニア門と脱出臓器をしっかり確認することで還納がより確実になります。還納前に、腸管浮腫やヘルニア嚢内に腹水があるような症例では、用手還納後もできれば入院経過観察が望ましいと考えます。ルニア嵌頓は今後高齢化社会の中で増えてくるかもしれませんね。
(Nao)
水戸済生会のICU
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