臨床研修ブログ
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アナフィラキシー
小児科医を目指しているJ1のminimumが記事を書いてくれました。今回がブログのデビュー記事になります♪
少し前にニュースになったワクチン接種後のアナフィラキシーについてまとめてくれましたので、ぜひご覧ください。
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最近、新型コロナウイルスのワクチン接種によるアナフィラキシーショックのニュースがありましたが、世間の関心も高く、自分自身もう一度勉強し直したいと思いまとめてみました。
•アナフィラキシーとは?
<アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応>をアナフィラキシーといい、血圧低下や意識障害を伴うものをアナフィラキシーショックという。
(日本アレルギー学会)
診断基準は以下の通りです。
急速(数分〜数時間)に発現する以下の症状を①〜③いずれかを満たす
①皮膚粘膜症状+呼吸器症状、循環器症状どちらか
②皮膚粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状、持続する消化器症状
③アレルゲン暴露後の急速な血圧低下 平常時血圧の70%以下 またはsBP90以下(11歳から成人)
※
皮膚粘膜症状:全身の発疹、掻痒、紅潮、浮腫
呼吸器症状:呼吸困難、気道狭窄、喘鳴、低酸素血症
循環器症状:血圧低下、意識障害
消化器症状:腹部疝痛、嘔吐
原因は薬剤、抗菌薬、造影剤、食物、蜂、蟻、ラテックスなど多岐にわたります。もちろん、コロナワクチンも含まれます。
アナフィラキシーの初期対応は次のようになります。
①バイタルサインの確認
循環、気道、呼吸、意識状態、皮膚、体重を評価する
②助けを呼ぶ
院内→蘇生チーム、院外→救急隊
③アドレナリン
0.01mg/kg 大腿外側 筋注 (最大量 成人0.5mg 小児0.3mg)
(新型コロナワクチンのアナフィラキシー時の緊急対応ガイドでは0.3mg)
④体位変換
(仰臥位、足を30cmほど高くする。 呼吸が苦しい場合は少し上体を起こす。嘔吐している時は顔を横向きにする。)
⑤酸素投与(6-8L フェイスマスクor経鼻エアウェイ)
⑥静脈ルート確保
⑦必要に応じて心肺蘇生
⑧バイタル測定
一番重要なのはアドレナリンの投与をためらわず速やかに行うことで、そのためには上記の診断基準を頭の中で整理しておく必要があります。また、アドレナリンについては、打つ部位、投与量、投与経路に関しても合わせて押さえておきたいところです。
私自身、まだそのような場に遭遇したことはありませんが、いざという時はすぐに体が動かせるよう準備したいと思っています。
(minimum)
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