臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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HIVで知っておくべきこと(3)・・・松永先生レクチャーより
症例は32歳男性で、1週間前から咽頭痛が出現し、疼痛が増強するため受診しました。患者さんの話では3週間前には手掌に下のような皮疹が出現していたそうです。
あなたは診断できましたか?
そう、手掌・足底の皮疹とくれば梅毒を疑います。
でも、ここで安心しないで下さい。
この患者さんの身体所見では体温36.5 ℃、咽頭所見は後咽頭左上部に1.5cm大の発赤を認めました。他に両鼠径部に1.5cm大で無痛性のリンパ節を複数認めました。
STI(梅毒)+非典型的症状(リンパ節腫大)で、何かおかしいと思ってHIVの可能性を追求してみてください。
実は、HIV患者の受診時に聴取された既往歴で最も多いのがB型肝炎で、その次が梅毒です。またAIDS指標疾患以外でHIV抗体検査のきっかけとなるのは、最多が梅毒で、次に術前スクリーニング検査となっているそうです。
(第24回日本エイズ学会(東京)2010、見おとし注意!第2版 2010)
大事なことは1つのSTIを見つけたら別のSTIを想定すること。STIの既往は聞き出しにくいことではありますが、松永先生は以下のTipsを教えてくれました。
【STI問診のTips】
・STIの問診をする理由をきちんとお伝えする。
・「既往歴はないですか?」「STIになったことは?」と聞いても、意外と答えてもらえません。
「みなさんに聞いているんですけど、」と切り出した方が患者さんは答えやすくなります。
・既往歴も個々の疾患の有無を聞き出すのも有効。
特にウイルス性肝炎(A,B,C)はSTIでもあるので、「B型肝炎になったことは無いですか?」と質問すると「実は・・・」となる場合があります。
(編集長)
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