臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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HIVで知っておくべきこと(2)・・・松永先生レクチャーより
40歳男性が10日前から発熱、咽頭痛、頭痛を認め近医を受診しました。そこで処方された抗菌薬、解熱薬でも改善せず、体幹に皮疹も出現。咽頭痛は1週間で軽快しましたが、38℃から40℃の発熱が続くため来院しました。家族歴、アレルギー歴、内服歴は特記なく、喫煙10本/日 x 20年。機会飲酒程度です。
バイタルは体温 38.5 ℃, 血圧 130/ 68 mmHg, 脈拍 104/min,呼吸数 14/分。全身状態としては 重篤感なく、前頸部リンパ節軽度腫脹(+)を認めるものの、他には特記ありませんでした。皮疹は写真の通り。
若い男性で発熱が約2週間続いて皮疹もあるものの重篤感がないとなると、何か違和感を感じます(感じてください♪)。こんな時は急性HIV感染症も鑑別に挙げておく必要があります。
【急性HIV感染症】
・所見は非特異的(下表参照)
インフルエンザ様、伝染性単核球症様(異形リンパ球も見られます)、髄膜炎
・潜伏期:2-4週間
・古い世代の抗体検査で陰性と出ることも(偽陰性)
・強く疑う例ではHIV-RNA検査を行う
こうしてみると、発熱や感冒症状で受診する患者さんの中に、急性HIV感染が紛れていても不思議ではありません。いきなりHIV検査はできないかもしれませんが、気になる症例は1週間後に再診予約をいておくなど、早期診断につながるようにフォローしておくと良いと思います。
(編集長)
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