臨床研修ブログ

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年齢でDダイマーが変わる?  船越先生のレクチャーより

2018.06.12
カテゴリー: カンファレンス循環器

肺塞栓疑った時にDダイマーが正常範囲なら

肺塞栓の除外に使える有用な検査です。

 

でもDダイマーが上昇していたら

全例で造影CTが必要なのでしょうか?

もしかしたら無駄な造影CTをやってしまって

いるかもしれません。

 

かと言って、異常値が出たからには

そのままにしておくわけにはいきません。

大事なことは、Dダイマーは調べる前に、

よく考えておく必要がある項目

ということです。

 

前回の記事では

肺塞栓の発生確率が低い集団+PERC陰性

ならば肺塞栓は否定的なので、

Dダイマーはチェックしなくてよい

ことを紹介しました。

 

ただし、PERCを使う際の注意点は

病棟や術後の患者さんには使えないこと、

50歳以上ならやっぱりDダイマーをチェック

しなければいけないことです。

 

あなたも経験があるかもしれませんが、

j実際にDダイマーをチェックしてみると

高齢者では肺塞栓も深部静脈血栓症が

なくとも高値の人がいます。

 

つまり、50歳以上ならDダイマーが

引っかかり、結局のところ造影CTに

なってしまいそうです。

 

その問題点を解決してくれそうなのが

年齢調整Dダイマー(Age-Adjusted

D-Dimer)です。

 

Age-Adjusted D-dimer cutoff levels to rule out pulmonary embolism

JAMA 2014;  311: 1117-1124

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/1841967?resultClick=1

(Freeで読めます)

 

これは高感度Dダイマーを使用していますが

50歳以上なら

Dダイマーのカットオフ値=年齢×10

にするというもの

 

例えば75歳なら、Dダイマーが750未満は

画像検査に進まなくてOKということです。

 

まだガイドラインには取り上げられて

いませんが有用なものなので、いずれ

取り上げられるはず、と船越先生が

紹介してくれました。

(編集長)

 

朝カンファの一コマ

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