
臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
年齢でDダイマーが変わる? 船越先生のレクチャーより
肺塞栓疑った時にDダイマーが正常範囲なら
肺塞栓の除外に使える有用な検査です。
でもDダイマーが上昇していたら
全例で造影CTが必要なのでしょうか?
もしかしたら無駄な造影CTをやってしまって
いるかもしれません。
かと言って、異常値が出たからには
そのままにしておくわけにはいきません。
大事なことは、Dダイマーは調べる前に、
よく考えておく必要がある項目
ということです。
前回の記事では
肺塞栓の発生確率が低い集団+PERC陰性
ならば肺塞栓は否定的なので、
Dダイマーはチェックしなくてよい
ことを紹介しました。
ただし、PERCを使う際の注意点は
病棟や術後の患者さんには使えないこと、
50歳以上ならやっぱりDダイマーをチェック
しなければいけないことです。
あなたも経験があるかもしれませんが、
j実際にDダイマーをチェックしてみると
高齢者では肺塞栓も深部静脈血栓症が
なくとも高値の人がいます。
つまり、50歳以上ならDダイマーが
引っかかり、結局のところ造影CTに
なってしまいそうです。
その問題点を解決してくれそうなのが
年齢調整Dダイマー(Age-Adjusted
D-Dimer)です。
Age-Adjusted D-dimer cutoff levels to rule out pulmonary embolism
JAMA 2014; 311: 1117-1124
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/1841967?resultClick=1
(Freeで読めます)
これは高感度Dダイマーを使用していますが
50歳以上なら
Dダイマーのカットオフ値=年齢×10
にするというもの
例えば75歳なら、Dダイマーが750未満は
画像検査に進まなくてOKということです。
まだガイドラインには取り上げられて
いませんが有用なものなので、いずれ
取り上げられるはず、と船越先生が
紹介してくれました。
(編集長)
朝カンファの一コマ
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