臨床研修ブログ

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点滴のコツ

2020.04.11
カテゴリー: カンファレンス 内科

研修が始まったあなたが、

まず戸惑うのが点滴のオーダー

ではないでしょうか?

 

パスで決まったオーダーとなって

いることも多いですが、術後の点滴や

心不全の点滴のオーダーなどは、

実は指導医によって大きく違うので、

すごく戸惑うはずです。

 

さらに、なんでその点滴なのかと

理由を尋ねても、たいていの場合、

理由をはっきり説明してくれません。

 

「んー、なんとなく前からこうして

いるから」で終わってしまいます。

 

では、あなたは輸液をどう考えたら

よいのでしょう?

 

編集長がおすすめする輸液オーダー

時の、押さえるポイントは4つです。

 

1、 総輸液量

2、 Na量

3、 K量

4、 カロリー

 

まず、総輸液量ですが、患者さんの

体内に入る水分量と考えてください。

 

輸液の維持量は1日あたり30~40ml/kg

(つまり、体重50㎏の人なら1500~

2000ml/日なので、点滴3~4本と

なります)

 

心不全なら、これより少ない量に

しますし、術後でドレーンなどからの

排液が多ければ、これより多くします。

 

この時の注意点は、抗菌薬などの

溶解液、いわゆる「おかず」の分を

忘れないようにすることです。

 

例えば、ペニシリン系の抗菌薬

であるABPC/SBTは1日4回投与

なので、生食100mlで溶解していると

すると抗菌薬だけで、1日400mlに

なります。

 

これを忘れていると、例えば体格の

小さい高齢者では、輸液過多に

なって、浮腫や心不全を呈することも

ありますので注意してください。

 

次回も続きます。

(編集長)

今日はベンチレーターの使い方講習会

 

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