臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
BLPARとBLNAR、BLPACR
感染症で苦手意識をもつ理由に
たくさんの略語があります。
知っていれば、なんてことないの
ですが、抗菌薬の略語だけでも
たくさんあるのに、PRSPとか
ESBLとか、ごちゃごちゃしてきますよね。
今回はMeguがBLNARのことをまとめて
くれました。
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BLNAR (β-lactamase negative
ampicillin resistance)
インフルエンザ桿菌は、その耐性機序
により4つに分類される。
元々のインフルエンザ桿菌はアンピ
シリンが有効であった。しかし抗菌薬の
使用によってβラクタマーゼ産生の
インフルエンザ桿菌(BLPAR:β-lactamase
positive ampicillin resistance)が出現した。
BLPARに対しては、ABPC/SBTが有用で
あったが、次にペニシリン結合タンパク
そのものが変異した耐性株が出現した。
これがBLNARである。
BLNARはアンピシリン、第二世代セフェム
にも耐性を持つため、これを疑う場合は
BLNARにもBLPARにも有効な第三世代
セフェム(CTRXなど等)を使用する。
さらに、βラクタマーゼを産生するにも
かかわらず、βラクタマーゼ阻害薬の
クラブラン酸が効かない耐性株も出現
している(BLPACR= β-lactamase
positive ampicillin-clavulanate resistant)。
BLPACRの報告数はまだ少なく、治療が
確立されていないが、CTRXに感受性の
ある株が残っているとの報告もある。
(Megu)
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