臨床研修ブログ

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肺炎患者の対応・・・A-DROP

2023.06.15
カテゴリー: カンファレンス 内科

前回に続いて、肺炎についてのポイントを整理していきます。今回は市中肺炎(CAP)です。

 

まず質問です。あなたがERでCAPの患者さんをみた時に最初にすることは何でしょう?

まずはA-DROPですね。研修医も医学生も、ほとんどの人が答えてくれるほど浸透しています。A-DROPは重症度評価に使いますが、入院させるのか、それとも外来で治療するのかの判断材料になります。

A-DROPでは、各項目を1点としてスコア化します。それを基に治療方針を判断します。

・0点なら軽症:外来治療

・1~2点なら中等症:外来もしくは入院

・3点なら重症:入院

・4~5点なら最重症:ICU入院

 

ポイントは、レントゲン所見が入っていないことに注意しましょう。例えばレントゲン所見が大したことなくとも、SpO2が低ければヤバいと判断する必要があります。

 

重症度評価と共に、敗血症の有無についても評価して下さい。いろいろと議論はあるところですが、臨床で簡便なので敗血症の有無はquick SOFAを使うのが良いでしょう。

 

quick SOFAは

・呼吸回数≧22回/分

・意識障害

・収縮期血圧≦100mmHg

 

2点以上なら敗血症疑いとして、さらに本来のSOFAスコアで評価します。

 

すでに気づいているかもしれませんが、A-DROPの中にはR(呼吸)、O(意識)、P(収縮期血圧)とquick SOFAの項目もかぶっているので、同時に評価できます。微妙に基準値が異なりますが、その辺は気にしないでOKです。なにより、ヤバい肺炎を逃さないことが優先事項です。

 

これらを頭に入れておいて、指導医の先生に上手にプレゼンして下さい。例えば・・「71歳の男性のCAPで、qSOFAは0点ですが、A-Dropが2点(年齢・脱水)でした。SpO2も92~94%と低めで、呼吸回数も20回前後とちょっと速いので、入院させた方がいいと思いますが・・・。」とプレゼンできればイイですね。

(編集長)

ERでのライン確保

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