臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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救命救急センターだより「熱中症の初期治療」
お久しぶりです。空を夢見る消化器内科医Naoです。
非常に暑い日と雨降りの日が続いておりますが皆様はいかがお過ごしでしょうか。またしても間が空いてしまいまして申し訳ありませんでした。
意外と救命センターだよりを読んでくださっている方がおられるようで、「最近滞ってるけど忙しいのか?」とお声がけいただけてうれしい限りです。
さて、今年もこの季節がやってまいりました!みんな大好き、熱中症です!
以前も熱中症のブログを書きましたが、熱中症は初期治療がとても大切な疾患です。そして適切な初期治療により予後を大幅に改善させることが見込める、逆に適切な初期治療が遅れると、重篤化してしまい生命に危機を及ぼすことのある疾患です。
この記事を読んでいただいている皆様は、これをきっかけに改めて熱中症の初療を思い出していただき、レジャー中にこのような方に遭遇したら適切な治療をしてあげてください。
熱中症の重症度を見分ける簡単な方法は
軽症 水分の自力摂取が可能
中等症 ぐったりし水分摂取ができない、嘔気などのために水分摂取ができない。
重症 呼びかけに応じない。
中等症は適切な対応で現場対応可能な可能性もありますが、基本的には中等症~重症はためらわずに医療機関へ収容しましょう。特に重症は救急車を呼びましょう。
軽症の対応は、
①日陰やできれば冷房のかかった部屋に移動します。
②厚手の衣服を着ている場合、汗の気化を阻害してしまいますので、なるべく薄い格好にします。仰いで汗の気化を促進させるのも効果的です。
③冷たい電解質を含む飲料水(経口補水液やスポーツドリンク)を摂取させます。細かい説明は省きますが水やお茶は最適解ではありません。熱中症の場合は塩分の喪失を起こしておりますので、電解質を含む飲料水が望ましいです。
中等症以上の場合であっても、救急車を待つ間や医療機関へ運ぶ間に上記対応を行いましょう。冷却したペットボトルがあれば首や腋下、股の間にあてて冷却するのも効果的です。
なお、経口補水液として有名なOS-1ですが、カリウムを比較的多く含んでおりますので透析患者さんには要注意です。また塩分濃度も高いので、予防的に常用するのは望ましくありません。経口摂取不良がある高齢者や運動などで水分の喪失が多いときに補助的に使用しましょう。
(Nao)
慌ただしいER
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