臨床研修ブログ
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髄膜炎①・・・松永先生の感染症カンファ
松永先生の感染症カンファからのシェアです。テーマは「感染症Emergency」でしたが、今回はEmergencyの中でも重要な髄膜炎について2回に分けて紹介します。
髄膜炎は、頭痛だけでなく、何となく反応が鈍いといった程度の意識障害だったり、けいれん、神経巣症状も来します。大事なのは、迅速に診断して、速やかに治療を開始することです。
さて、ここで質問です。髄膜炎の時に見られる身体所見を挙げて下さい。
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項部硬直だけしか思いつかなかったあなたはラッキーです。必ず続きを読んでくださいね。
項部硬直以外にも、
Brudzinski徴候
Kernig徴候
Jolt accentuation
Neck flexion test
などがあります。
それぞれのやり方と、どうなったら陽性と判定するかは必ずネットで調べておいてください。
ここでは、松永先生が強調していたそれぞれの感度と特異度について紹介します。
【項部硬直】 感度 30% 特異度68%
【Brudzinski徴候】 感度5% 特異度95%
【Kernig徴候】 感度 5% 特異度95%
【Jolt accentuation】 感度 97% 特異度60%
【Neck flextion test】感度 81% 特異度39%
こうしてみると、感度と特異度が結構違っているのが分かります。髄膜炎は、身体所見で確定診断する疾患というよりも、見逃してはいけない疾患ですから、特異度よりも、感度が重要になります。感度が高いということは、陰性所見に意味があり、陰性ならば除外可能を意味します。
上記の感度・特異度を見てみると、Jolt accentuationやNeck flextion testが陰性なら除外可能です。
もしJoltが陽性なら、もっと特異度の高い、項部硬直やBrudzinski徴候、Kernig徴候をさっと確認し、髄液検査をためらわないことです。
(編集長)
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