臨床研修ブログ

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せん妄の対処2

2023.10.12
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回はせん妄に対する各薬剤の特徴についてです。

 

【各薬剤の特徴など】

<第二世代>

リスペリドン(リスパダール®)

液剤の頓服での使用が多い。錐体外路症状(EPS)や誤嚥性肺炎に注意。腎代謝。

 

クエチアピン(セロクエル®)

食欲増進。耐糖能異常・起立性低血圧に注意。DMには禁忌。QT延長しやすい。

 

オランザピン(ジプレキサ®)

DMには禁忌。体重増加しやすい。EPSは起こりにくい。抑うつ・双極性障のうつ病相にも適応あり。

 

アリピプラゾール(エビリファイ®)

ドパミン部分アゴニスト。副作用が起こりにくい。他の抗精神病薬内服下や、切り替え時は精神病症状増悪に注意。抑うつ・双極性障害の躁状態に使用できる。

 

ペロスピロン(ルーラン®)

抗不安作用が強い。抗幻覚・妄想と鎮静作用は弱い。

 

<第一世代>

チアプリド(グラマリール®)

せん妄に対し保険適応あり。夕方に処方量を徐々に増量(25→50→75mg)することが多い。腎代謝。遷延注意。脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮、徘徊、せん妄が適応症。

 

スルピリド(ドグマチール®)

150mgまでの低用量で胃潰瘍などに使用し、600mgまででは抗鬱薬、1200mgで抗精神病薬としての適応。

 

<そのほか>

トラゾドン(デジレル®、レスリン®)

睡眠―覚醒リズムの適性が必要なせん妄に使用。

 

抑肝散

元来は小児の夜泣きなどに使用されていた。高齢者の易刺激性によく使用される。

 

*睡眠薬、抗精神病薬、抗てんかん薬、抗うつ薬をジャンル毎に記憶したあと、各薬剤の他の疾患適応を考慮に入れて、実際の現場に役に立てればと思います。                 

(ヒロキ)

 

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