
臨床研修ブログ
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巨人の肩に乗る・・・舩越先生のレクチャー
昨日のことですが、東京ベイ浦安市川医療センターの救命救急センター長の舩越拓先生にZoomでレクチャーを行っていただきました。
舩越先生のことは、このブログで何度も紹介していますが、救急領域では名が知られた存在の先生で、多くの監訳や著書があり、レジデントノートなどの雑誌の企画も行っています。
今回は「巨人の肩に乗る」というテーマで、CPRについてレクチャーしていただきました。ただし、CPRと言っても心肺蘇生法(Cardiopulmonary Resuscitation)のことではありません。今回の話は臨床予測ルール(Clinical Prediction Rule)の方のCPRです。
具体的には、
・小児の頭部外傷でCTを撮影するかを判断するときのPRCARN
・成人の頭部外傷でCTを撮影するかを判断するときのNew Orleans CriteriaやCanadian CT Head rule
・成人の膝関節や足関節外傷でレントゲン撮影をするかを判断するときのOttawa Knee ruleやOttawa anckle rule
といったものが、今回のレクチャーで取り上げられていました。
さて、「巨人の肩に乗る」という話ですが、臨床判断は経験を積んだベテランになるほど良くなるというデータがあるそうです。とは言っても一人で経験する症例には限りがあります。例えば、小児の頭部外傷も一人の救急医が見るのは、数百人とかせいぜい千人台と言ったところではないでしょうか。
でも上述のPECARNは4万人以上のデータから作られたものなので、はるかに精度が高くなります。当然、使わない手はありません。これが「巨人の肩に乗る」ということ。うまくCPRを使うことで、未熟な経験を先人に補ってもらう、疲れた夜間でも判断がぶれないという利点があります。
注意点としては、対象患者(除外されている患者)は誰なのか?何をアウトカムとしているのか?を確認する必要があると舩越先生は強調していました。
あなたもさっそく次のER当直からCPRを用いて、信頼性の高い診療につなげてみてください。
(編集長)
追伸
ちなみに舩越先生はこのCPRについての著書もあります。
「救急検査ケースファイル:Clinical Prediction ruleのオモテウラ」
分かりやすいので、ご覧になってみてください♪
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