臨床研修ブログ

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新型コロナウイルス感染対策

2020.02.13

ご承知の通り、新型コロナウイルス

感染症に関して、連日報道されて

います。

 

ちょっと過剰な報道に違和感を

抱えつつ、我々は冷静に対応

しなくてはいけませんね。

 

ネット上のデマに振り回されない

ように、厚労省とか国立感染症

研究所などの情報をチェックして

ください。

厚生労働省の関連サイト  

国立感染症研究所の関連サイト

 

 また、この原稿を書いている時に

見つけたのですが、WHOが今回の

新型コロナウイルス感染症を

COVID-19と名付けたとBBCが

報道していました。

BBCの報道(COVID-19)

 

 さて、このCOVID-19対策のために

先日当院でもシュミレーションが

開催されました。

 

外来やERに、感染が疑われる患者

さんが来た時の導線や防御法などの

確認を中心に行いました。

 

特にERでは研修医が、ファースト

タッチする可能性があるため、多くの

研修医が参加してくれました。 

現時点は感染が疑われる患者の

受診はありませんが、防御法として

N-95マスクとガウン、フェイスシールド、

長い手袋着用で対応する予定です。

(やや過剰気味な防御かもしれませんが、

今後の情報で変更されると思います。)

 

ただ、今回大事なことは、

飛沫接触感染だということ。

 

飛沫感染にはマスクはイイのかも

しれませんが、マスクを外す時に、

マスクの外側を触ってしまえば、

意味がありません。

 

このため、今回のシュミレーション

では、特にマスクやガウンの外し方を、

当院のICTから(厳しく)指導されて

いました。

 

今回に限らず、感染症の対応は

いつ必要になるか分かりません。

次の機会に生かせるように、何か

一つでも学んでおくといいですね。

(編集長) 

追記

編集長は不勉強で知らなかった

のですが、徳田安春先生らは、

2009年にマスクをしていても感染率の

低下には効果がないというランダム化

試験をしていました。是非ご覧ください。

Use of surgical face masks to reduce the incidence of the common cold among health care workers in Japan: A randomized controlled trial

 

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肺炎でE.coli??

2020.01.09

高齢の患者さんが発熱を主訴に

入院してきました。

 

脳梗塞の既往があって、ADLは

一応自立していたけど、ほとんど

自宅内というか、ベッドの上で

過ごしているようです。食事などで

むせこむこともしばしば。咳嗽もあって、

胸部レントゲンも右下肺野で怪しい。

 

よくありそうな、誤嚥性肺炎の

経過です。

 

抗菌薬の点滴を開始して、徐々に

解熱が得られ、全身状態も改善

傾向です。

 

ところが、数日後に判明した

入院時の血液培養では、

4本中4本からE.coliが検出されました。

 

何かおかしくないですか?

 

ここで、「肺炎なのに血培からE.coli?」

と、違和感を感じたあなたは立派です。

 

多くの人は、「感受性もあってるし、

患者さんも元気になっているし、

抗菌薬はこのまま継続でいいね」

としか考えません。

 

でも、ちょっと考えてみてください。

そもそも、E.coliが肺炎の起炎菌に

なる得るのでしょうか?

 

松永先生のレクチャーで何度も

登場してきますが、感染症診断の

2つの軸は「どこで」、「何が」でした。

 

「どこで(=感染巣)」が分かると、

起炎菌が絞れます。

 

「何が(=起炎菌」」が分かると、

感染巣が絞れます。

 

E.coliが悪さをするのは、

肺ではなく、真っ先に尿路感染症が

思い浮かびますよね。

 

実は、尿検査の結果を確認していな

かったとか、実際に入院時に尿検査が

行われていなかったとか、オーダー

されていたけど、検体が取れて

いなかった、ということは十分ありえます。

 

入院当初に想定していたことと

最終的な診断が異なることは

よくあることですし、別に悪いことでは

ありません。

 

培養結果など、後日になって

結果が判明するものにも

必ず目を通しましょう。

 

そして、データだけではなく、

患者さんの経過と矛盾がないか

確認しながら治療を進めていくことが

とても重要です。

 (編集長)

 

お正月のERは大忙しでした。

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免疫能低下と感染症・・・・・松永先生の感染症カンファより

2019.12.28

少し間が空いてしまいましたが、

11月に開催された松永先生の

感染症カンファからです。

 

今回のテーマは「免疫能低下と感染症」

 

「免疫能低下」とか「免疫不全」と聞くと

あなたはどんなイメージを持つでしょうか?

 

化学療法中の白血球減少とか、

HIV感染とかをイメージするかも

しれません。

 

では、これらの患者さんが、発熱を主訴に

受診したら、対応は同じでいいのでしょうか?

 

松永先生が強調した重要点は以下の通りです。

 

 

そこで今回は、細胞性免疫液性免疫

そして好中球減少について整理します。

 

細胞性免疫の低下を来す背景

・悪性腫瘍・感染症

 急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、

 HIV感染症、HTLV-1関連疾患

・医療行為

 移植(造血幹細胞・固形臓器)、

 ステロイド投与、免疫抑制剤、

 生物学的製剤

 

関連微生物には

・細菌(細胞内寄生菌)

 サルモネラ、ノカルジア、リステリア

 Tb、MAC

・ウイルス

 ヘルペス属、インフルエンザ、

 アデノウイルス

・真菌

 Pneumocystis jiroveci

 Cryptococcus neoformans

・寄生虫

 トキソプラズマ、糞線虫

 

 

液性免疫が低下する背景として

・悪性腫瘍・感染症

 多発性骨髄腫、HIV感染症

・医療行為

 造血幹細胞移植後、脾臓摘出後

 

関連微生物としては

・細菌

 肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌

 

 

好中球減少を来す背景には

・血液疾患

・化学療法

・薬剤

・放射線

 

関連微生物として

5日未満の初期であれば

・細菌 緑膿菌、MRSA

 

5日以上の長期では

・細菌

・真菌 カンジダ、アスペルギルス

 

特に好中球減少時の発熱は

発熱性好中球減少症

(FN:Febrile Neutropenia)と呼びますが、

FNでは

・症状や所見がでにくい

・進行が速い

・通常みられない部位に感染症が起こる

・まれな微生物による感染症が起こる

といった特徴があります。

 

具体的な例を出すと

・膿尿がない腎盂腎炎

・髄膜刺激症状のない髄膜炎

・髄液で白血球上昇のない髄膜炎

・身体所見や胸部レントゲンが正常な肺炎

 

なので、想定しておかないと

診断・治療ができないのです。

(編集長)

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髄膜炎②・・・松永先生の感染症カンファ

2019.09.26

前回は松永先生の感染症

カンファから髄膜炎について

シェアしました。

 

今回もその続きです。

 

髄膜炎は一刻も早く治療を開始

することが肝心です。培養結果を

待っているヒマはありません。

 

なので、年齢などを考慮して

原因微生物を想定し、Empiric therapyを

開始します(下表参照)。

 

そして、髄膜炎の治療では

抗菌薬の「髄膜炎用量」があるのを

知っていますか?

 

血液脳関門(BBB)を通過して、

十分な濃度に達する用量として

設定されています。

 さらに、抗菌薬に加えてステロイド投与も

行われます。

 

具体的には、デキサメサゾン0.15㎎/㎏

(体重60~70㎏の人なら10㎎と

 覚えておくと便利です)

 

もちろん髄液や血液培養の結果が判明

したら、適切な抗菌薬への変更も検討

しましょう。

(編集長)

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髄膜炎①・・・松永先生の感染症カンファ

2019.09.24

少し間が空いてしまいましたが、

先日開催された松永先生の感染症

カンファからシェアします。

 

テーマは「感染症Emergency」

でしたが、今回はEmergencyの

中でも重要な髄膜炎についてです。

 

髄膜炎は、頭痛だけでなく、何となく

反応が鈍いといった程度の意識障害

だったり、けいれん、神経巣症状も

来します。

 

大事なのは、迅速に診断して、

速やかに治療を開始することです。

 

さて、ここで質問です。

髄膜炎の時に見られる身体所見を

挙げて下さい。

項部硬直だけしか思いつかなかった

あなたはラッキーです。

必ず続きを読んでくださいね。

 

項部硬直以外にも、

 

Brudzinski徴候

Kernig徴候

Jolt accentuation

Neck flextion test

 

などがあります。

 

それぞれのやり方と、

どうなったら陽性と判定するかは

必ずネットで調べておいてください。

 

ここでは、松永先生が強調していた

それぞれの感度と特異度について

紹介します。

 

【項部硬直】

感度30% 特異度68%

 

【Brudzinski徴候】

感度5% 特異度95%

 

【Kernig徴候】

感度5% 特異度95%

 

【Jolt accentuation】

感度97% 特異度60%

 

【Neck flextion test】

感度81% 特異度39%

 

こうしてみると、感度と特異度が

結構違っているのが分かります。

 

髄膜炎は、身体所見で確定診断

する疾患というよりも、見逃しては

いけない疾患ですから、特異度

よりも、感度が重要になります。

 

感度が高いということは、陰性所見に

意味があり、陰性ならば除外可能を

意味します。

 

上記の感度・特異度を見てみると、

Jolt accentuationやNeck flextion test

が陰性なら除外可能です。

 

もしJoltが陽性なら、もっと特異度の

高い、項部硬直やBrudzinski徴候、

Kernig徴候をさっと確認し、髄液検査を

ためらわないことです。

 (編集長)

休憩中にも、まじめに質問してます

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感染症Emergency・・・松永先生の感染症カンファ

2019.09.14

本年度3回目の松永先生の

感染症カンファが開催されました。

 

今回のテーマは「感染症Emergency」

 

カンファの中から、いいところを

ご紹介します。

 

Emergencyには色々な意味がありますが、

感染症におけるEmergencyには

 

・時間

  経過が速い

・重症度

   局所の問題(壊死など)

   全身の問題(循環・呼吸動態)

・部位

   局所(髄膜、咽頭周囲、眼窩など

             重篤な機能障害が残る)

   全身(Focus不明のSeptic shock)

 

といくつかの意味があります。

 

今回の大事なメッセージとしては

「Emergencyであってもアプローチ

基本通り」

 

つまり、

診断の二つの軸:どこで?なにが?

治療の二つの軸:化学的と物理的

経過観察の二つの軸:全身か?局所か?

 

過去の記事はこちら

どこで?何が?

化学的と物理的

全身か?局所か?

 

でも、Emergencyですから

診断と治療を同時に

進めていく必要があります。

さらに全身状態、すなわり

バイタルの安定化は最重要です。

 

具体例として、

・壊死性筋膜炎

・ガス壊疽

・Toxic Shock Syndrome(TSS)

・MSSAの感染性心内膜炎

・髄膜炎性菌血症

・Postsplenectomy Sepsis(PSS)

・Ludwing angina(Orbital cellulitis)

・接合菌症

・髄膜炎

 

など多くの症例を提示しながらの

レクチャーだったのですが、研修医に

感想を聞くと「衝撃的な写真が印象的

でした」と、感想が出たほどでした。

 

次回は髄膜炎について紹介します。

(編集長)

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抗菌薬の整理法・8   松永先生のカンファより

2019.07.18

7月9日に松永先生の

感染症カンファからです。

 

今回はマクロライド系です。

 

マクロライド系の抗菌薬は

入院患者さんよりも外来患者さんで

よく処方されているかもしれません。

 

また呼吸器内科領域では

抗菌薬という目的ではなく

使用されていることもあり、

何となく処方の閾値が低い

かもしれません。

 

でも、耐性菌の問題もあるので、

何を狙って(起炎菌が何か?)いる

のかを考えながら使う必要があります。

 

基本的には

・肺炎球菌は OK (だった?)

・非定型肺炎の起因菌は OK

・グラム陰性菌にはダメ

・百日咳菌 はグラム陰性桿菌だが適応あり

・髄膜炎には使えない

 

副作用

•胃腸障害

•QT 延長

 → Torsade de pointes、 心室細動

 

エリスロマイシン 

(エリスロシン ® ; EM)(注;経口)

・(肺炎球菌)+百日咳+非定型肺炎起因菌

 

クラリ スロマイシン 

(クラリス ® ; CAM )(経口)

・エリスロマイシン+インフルエンザ桿菌

・市中肺炎に使える(た?)

 

アジスロマイシン 

(ジスロマック ® ; AZM)(注;経口)

・注射薬があり、入院の非定型肺炎に

 対して用いる

・クラリスロマイシン±サルモネラ・赤痢菌

・薬物相互作用が少ない

 

今回で抗菌薬については、いったん

終了します。松永先生のカンファは、

次回9月に開催予定です。

(編集長)

レクチャーの合間に質問

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抗菌薬の整理法・7   松永先生のカンファより

2019.07.13

7月9日に松永先生の

感染症カンファからです。

 

前回はキノロン系抗菌薬を

紹介しましたが、今回は

カルバペネム系です。

 

カルバペネム系は入院患者さんに

良く使用されているのを見かけます。

 

確かに、緑膿菌にも有効な広域

スペクトラムで、なんでも効いて

しまうような錯覚になりますが、

当然、効かない菌もあります。

 

特徴は

・緑膿菌も嫌気性菌もカバー

・ESBL産生菌に対する第一選択

・髄液移行性も良好

 

逆に、効かないものは

・非定型肺炎(マイコプラズマ、

 クラミジア、レジオネラ)

・MRSA

・結核

 

しかし、最も重要なことは

乱用による、高度耐性菌の出現

 

これはホントにヤバいです。

カルバペネム系が効かないとなると、

事実上打つ手がなくなります。

 

あくまで最後の手段として用いる

べき抗菌薬です。

 

ペネム系に限ったことではあり

ませんが、AMR (Antimicrobial 

resistance)対策のことを知って

おく必要があります。

 

当然ながら、国試にも出題される

はずです。よくチェックしておいて

ください。

 

 代表的薬剤

•イミペネム(チエナム®; IPM/CS)

 (痙攣に注意)

 

•メロペネム(メロペン®; MEPM)

 

•ドリペネム(フィニバックス®; DRPM)

(編集長)

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抗菌薬の整理法・6   松永先生のカンファより

2019.07.11

7月9日に松永先生の

感染症カンファが開催されました。

 

11年目となった当院にとって

無くてはならないカンファの

一つです。

 

毎年のことですが、2回目のテーマは

「微生物・抗微生物薬」。

 

感染症診療の基本を確認しながら、

抗菌薬を一気に勉強しました。

 

抗菌薬は入院でも、ERでも、

よく処方する薬の一つですが、

苦手な人が多いはず。

 

抗菌薬を勉強する時のポイントは

「この菌に有効な抗菌薬が何なのか?」

をおさえることです。

 

そのためには、抗菌薬表を

利用すると分かりやすくなります。

さらに、個々の菌名を覚えるよりも、

グループで覚えた方が

分かりやすくなります。

 

このブログでは、一昨年にペニシリン系を

昨年は、セフェム系の抗菌薬表を

紹介しました。 菌の分類についても

紹介しているので、ぜひご覧ください。

抗菌薬を整理する ペニシリン系

抗菌薬の整理法1 第1世代セフェム

(*抗菌薬の整理法5まであります!)

 

そして、今年はキノロン系抗菌薬を

紹介していきます。

 

キノロンは、よく処方される抗菌薬で、

なんでも効くような印象があって、

困ったときは処方している人が

多いと思います。でも、特徴や

問題点をきちんと押さえておきましょう。

 

キノロン系の特徴は

 

・核酸合成阻害作用

・非定型肺炎(マイコプラズマ、

 クラミジア、レジオネラ)に有効

・古い世代ほどグラム陰性菌に強い

・新しい世代ほどグラム陽性菌に強い

・経口で抗緑膿菌作用のある唯一の系統

 

問題点としては

・耐性化、特にシプロキサシン

・結核を中途半端にカバーしてしまう

 →診断の遅れにつながる

・経口薬ではMg製剤と同時服用はNG

 →吸収が低下します

 

副作用

・乳幼児の軟骨形成障害

・痙攣(特にNSAIDsとの併用時)

・QT延長⇒Torsade de pointes⇒心室細動

・腱断裂(高齢者)

・大動脈瘤の破裂リスク増大

 

それから、キノロン系にも世代が

あるのを知っていましたか?

 

代表的なキノロン系薬剤の特徴は

 

シプロフロキサシン(シプロキサン®; CPFX)

–グラム陰性桿菌+非定型

–緑膿菌もOK

 

レボフロキサシン(クラビット®; LVFX)

–シプロ+グラム陽性菌

–緑膿菌もOKだがシプロより弱い

 

モキシフロキサシン(アベロックス®; MFLX)

–グラム陽・陰性+非定型+/-嫌気性菌

–緑膿菌への効果は失われた

 

 抗菌薬表にすると、こんな感じです

(編集長)

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いつまで続ける?  投与期間の決定

2019.07.06

来週7月9日の開催予定の

松永先生の感染症カンファの前に、

「感染症診療の流れ」における

6つのポイントを紹介しています。

 

今回は最後に残った

「投与期間の決定」についてです。

 

例えば、あなたが蜂窩織炎の患者

さんを担当したとします。血液培養で

黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出され

ました。第1世代セフェムのセファゾリン

(CEZ)の投与で順調に改善しています。

患者さんも元気になってきて

「いつ退院できますか?」とか

「点滴はいつまでやるの?」と

聞いてきました。

 

こんな時、あなたは何と答えますか?

 

結論から言うと、投与期間の判断は、

「各疾患の一般的な目安+個々の

患者の状態」

で決めることになります。

 

血液培養でMSSAが検出されて

いれば、抗菌薬の10~14日間投与

を考えます。

 

でも、人工血管などのデバイスが

ある患者さんだったら、かなり

悩んでしまいます。血液培養の

陰性化も確認しなくてはなりません。

 

ということで、「決まり」ではなく、

「目安」をもとに、培養結果や

感染局所の指標を見ながら

判断することになります。

 

「抗菌剤投与の目安」には

以下のようなものがあります。

 

【髄膜炎】

髄膜炎菌、インフルエンザ菌 ・・・・7日間

肺炎球菌 ・・・・・・・・・・・・・14日間

リステリア菌 ・・・・・・・・・・・21日間

 

【肺炎】

肺炎球菌 ・・・・・・・・・・・・・解熱後3~5日

  (最短5日)

レジオネラ・非定型 ・・・・・・・・7~14日

腸内細菌科、緑膿菌 ・・・・・・・・21日

  (しばしば42日)

 

【心内膜炎】

緑色連鎖球菌 ・・・・・・・・・・・14日

  (GM使用下)

腸球菌 ・・・・・・・・・・・・・・28日~42日

黄色ブドウ球菌 ・・・・・・・・・・28日~42日

 

【腎盂腎炎】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・14日

CPFX、LVFX使用 ・・それぞれ7日、5日

 

【菌血症】

感染源除去可能 ・・・・・・・・・・10~14日

 

(編集長)

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