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水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
【今年度最終】松永先生の感染症カンファ報告
このブログでたびたび紹介している帝京大学感染制御部の松永先生の感染症カンファを先日開催しました。今年度の最終回でしたが、タイトルは「医師も知っておきたい感染対策」でした。
内容としては、
・問題となる微生物を作らない
・問題となる微生物を広げない
・耐性菌の種類
・結局、基本の徹底
と言った感じで、クロストリジウムディフィシル感染(CDI)や多剤耐性菌、結核、麻疹、風疹、水痘、ムンプス、手指衛生・・・といった感じで、毎日の病棟やERでの業務にすぐに役立つ内容ばかりでした。
その中で耐性菌に関して強調していたのは、
・耐性菌の感染対策には特別なものはない
・耐性菌かどうかは、検査しなければ分からないので、標準予防策の徹底(=基本の徹底)がもっとも大切
この2点です。
実は、松永先生は14年前に現在の帝京大学に異動されたのですが、異動された直後に多剤耐性アシネトバクター(MDRA)による院内感染が大問題になりました。新聞等のマスコミに大きく取り上げられたのですが、その院内対応などを仕切ったのが松永先生です。編集長はその頃のご苦労もある程度知っているのですが、当時の対策にも触れて実感のこもった説得力のあるお話でした。
当時の感染拡大は、ある特定の医療行為や機材によるものではなく、患者・保菌者から医療者の趣旨や環境を介して拡大したとして、手指衛生、標準予防策の重要性を訴えていて、研修医たちにも刺さったようです。
そんな松永先生の感染症レクチャーは新年度も開催されます。このブログでもアップデートしていきますので、ご期待ください。
(編集長)
ちょっと考えて込んでいるだけです☺☺☺
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
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糖尿病のお薬・・・SGLT2阻害薬
今回はSGLT2阻害薬です。
ご存じの通り、SGLT2阻害薬は糖尿病薬というよりも、心血管イベントを低下させる循環器病薬、腎保護作用を有する腎保護薬としての地位を確立しましたが、なぜ心血管イベントが低下するのか詳細な機序ははっきりしていません。これからもしばらく話題を提供してくれるでしょう。
今回は、循環器領域のことはあえて触れず、基本に戻って糖尿病薬としての役割を整理しておきます。
【機序】
・腎臓で糖を再吸収させるSGLT2の働きを阻害することで、尿糖排泄を促進させます。
【特徴】
・インスリンとは独立して作用を示す。
・1型、2型糖尿病どちらにも適応あり
・体重減少や血圧低下が見られる
・腎保護作用がある
・心血管イベントを抑制する
【禁忌】
・重症感染症、術後などは使用しません
【副作用】
・尿路・性器感染症
・脱水・口喝
・DKA
・皮疹 など
エネルギーを尿に排泄するので、高齢者では低栄養やサルコペニアを悪化させる可能性があり、症例を選ぶ必要があります。またケトン体上昇に関連した有害事象の増加が報告されており、術前は中止が必要です。さらに血糖値が正常に近くてもケトアシドーシスの可能性があります(正常血糖ケトアシドーシス)。服用中の患者さんが全身倦怠感、悪心、嘔吐、腹痛などを訴える場合は血中ケトン体(できない時は尿ケトン体)を確認することが大事です。
腎機能低下例では効果が減弱するので良い適応ではありません。また透析例では使用しません。尿路感染症はADLの良い人ではそれほど経験しませんが、編集長は、おむつを使用するような高齢者(特に女性)には使用を避けています。
最も向くのは比較的若年で、腎機能に問題なくて肥満や脂肪肝のあるような人に良いと思います。もちろん心不全が合併している患者さんにもよい適応です。
(編集長)
Aラインの確認中
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糖尿病のお薬・・・αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)
今回は、インスリン分泌非促進系薬剤のうちαグルコシダーゼ阻害薬(αGI)を紹介します。
【機序】
・小腸において二糖類からブドウ糖への分解を阻害し、糖の吸収を遅らせて食後の急激な血糖上昇を抑える。
【特徴】
・二糖類が未消化のまま大腸に行き、それが大腸の細菌叢により発酵されてガスが発生する。このため副作用として、おならや腹部膨満感などがある。
・体重が増加しにくい。
【禁忌】
・重症感染症、術後などでは使用しない
【副作用】
・重篤な肝機能障害
・開腹手術歴がある人、高齢者では腸閉塞に注意
空腹時の血糖はそれほど高くないけど、食後高血糖があるような、比較的軽症の糖尿病患者さんに向きます。しかし中等症以上の糖尿病では他剤との併用薬という位置づけです。糖尿病の前段階である耐糖能異常における2型糖尿病発症を抑制する目的で処方する場合もあります(ボグリボースのみ)。食事の直前に服用しないと効果が大きく減弱してしまうので、その点で向かない患者さんがいます。
もしαGIを服用中の患者さんが低血糖を起こした場合は、ブドウ糖を服用させないと速やかに血糖が改善しないので注意が必要です。
アカルボースは1回50㎎から開始し、1回100㎎まで増量できます。ボグリボースは1回0.2㎎から開始で、0.3㎎まで増量可能です。昼食直前の服用はどうしても飲み忘れが多くなるので、編集長は朝夕食直前で処方することが多いです。
(編集長)
今日のER♪
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マイナビにご参加ありがとうございました!
2月27日にマイナビレジデントのWebセミナー ~研修体制が自慢の病院~ に参加しました。
ご参加いただき有難うございました。
マイナビのWebセミナーは25分程度とレジナビの20分よりも長く、司会ありのスタイルです。5分程度しか違わないのですが、レジナビよりも余裕をもって病院説明や質問に回答することができるのがいいところだと思います。そんなマイナビに今回はJ1の布施先生、J2の内田先生と編集長の3人で参加しました。
3年生から5年生が参加してくれましたが、いろいろと質問をしていただきました。研修医の二人には「どうして水戸済生会に決めたのか?」という定番の質問をいただきましたが、二人ともかなり正直(笑!)に答えていました。
5年生のあなたにとっては、春休みを過ぎるとアッという間に採用面接の時期になりますので、春休みも利用して是非とも病院見学に行って下さい。3年生と4年生のあなたは、時期的に少し
早いと思うかもしれませんが、あまり気にしないで雰囲気だけ掴むつもりで見学に行くのがイイと思います。
水戸済生会でも春休み中の見学申し込みを連日いただいています。ぜひ、お早めにお申し込み下さい。あなたの見学をお待ちしています♪
(編集長)
今回はこの二人♪
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糖尿病のお薬・・・ビグアナイド
今回は、インスリン分泌非促進系薬剤のうちチアゾリジリンについてまとめてみます。一般名はピオグリタゾン(先発品はアクトス)です。
【機序】
・肥満細胞に作用して、インスリン抵抗性を改善
【特徴】
・インスリン分泌に関与しないので、単独では低血糖を起こしにくい
・体重増加がみられる
【禁忌】
・心不全患者
【副作用】
・水分貯留傾向があり、浮腫や心不全の増悪に注意
・女性で骨折のリスク上昇が報告されている
・肝機能障害
一時期は抗動脈硬化作用もあると、もてはやされた薬剤です。その後は膀胱がんのリスクが上がるのではないかとのデータが出され、これを契機にあまり処方されなくなりました。しかし現在は膀胱がんのリスク上昇は否定されています。
用量としては通常30㎎錠を1日1回服用ですが、女性や高齢者では15㎎錠から開始。最大用量は45㎎/日です。
体液貯留傾向があるので心機能が悪い人高齢者には避けた方がイイですが、インスリン抵抗性のある肥満患者で心機能に問題ない人には良い適応となります。また体重増加を来しやすいので、食事療法もきっちりやる必要があります。
現在はあまり処方されることもない薬剤になってしまいましたが、編集長の個人的な意見としてはHbA1cがリバンウンドすることなく長期に安定して低下するので良い印象をもっています。
(編集長)
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スプリングセミナーにご参加有難うございました♪
先週の2月24日にWebで茨城県修学生スプリングセミナーが開催されました。
このスプリングセミナーは、茨城県の地域枠や修学生を対象に県内の臨床研修病院を紹介するものです。前半では各病院の特色を動画で紹介し、後半では各病院の研修医らがリアルに回答する質疑応答コーナーで構成されています。修学生らが対象と言え、Webでの開催ですので一般医学生も参加できます。
当院は24日の午後に、日立総合病院、水戸赤十字病院、筑波メディカルセンター病院と共に参加しました。参加者は1年生から5年生まで100名ほどで、実際の勤務や生活、学生時代のアドバイスに関する質問を司会が読み上げて、各病院の指導医や研修医が回答する形式で、当院からは編集長とJ1の平井先生、福本先生が参加して、参加者からの質問に答えていました。
どの病院の指導医も研修医も言っていたことですが、研修病院を選ぶ時にはWebからの情報を収集して比べることはもちろんですが、やはり自分で病院見学をして、Webでは分からない雰囲気などを肌で感じることが大事です。学年が低いからダメということはありませんので、ぜひ足を運んでください。
このスプリングセミナーは3月2日(土)の午前と午後ににも開催されますので、ぜひあなたも視聴してみてください。
さらに3月9日の土曜日にはつくば国際会議場で茨城県内の臨床研修病院が一堂に集まる合同説明会が5年ぶりに対面で開催されます。もちろん水戸済生会も参加しますので、会場で研修医からホントのところを聞き出してください!
(編集長)
参加者からの質問に答える平井先生
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糖尿病のお薬・・・ビグアナイド
糖尿病薬については、細かくなくて良いので主な作用機序と禁忌や有名な副作用、そして適した症例や避けた方がいい症例という感じにイメージを掴んで覚えるのが効率的だと思います。
今回は、インスリン分泌非促進系薬剤の代表格であるビグアナイドについてまとめてみます。
【機序】
・肝臓での糖新生抑制
・他に消化管からの糖吸収抑制
・末梢組織でのインスリン感受性改善など
【特徴】
・体重が増加しにくい
・心血管イベントを低下させる
・安い
【禁忌】
・肝硬変・肝不全
・腎機能低下例では注意、特にeGFR<30では禁忌
造影CTなどのヨード造影剤を使用する際は休薬することは良く知っていると思いますが、造影剤に限らず、脱水やショック、心筋梗塞、重症感染症など、eGFRが急激に低下する可能性のある病態では中止しましょう。
【副作用】
・乳酸アシドーシスが有名
・臨床的には、消化器症状(軟便、下痢、心窩部不快感など)
・ビタミンB12の吸収阻害による大球性貧血を来すことがある
以上のことから、ビグアナイドが向くのは、心血管イベントリスクが高そうな、比較的若めの肥満のある2型糖尿病が良いでしょう。こういった患者さんは腎機能も肝機能も問題ないことが多いです。逆に、痩せている高齢で腎機能がちょっと低下気味の人には避けた方がいいでしょう。
用量は1日500㎎~2250㎎を2~3回に分けて服用となっていますが、お昼の服用は忘れる人が多いので編集長は朝と夕の2回で処方しています。効く人は500㎎程度でもA1cが低下してきますが、1000㎎まで増やしてから他の薬剤追加を検討しています。
(編集長)
インスリン勉強会での一コマ
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糖尿病のお薬・・・・内服薬の分類
どの診療科に行っても糖尿病の患者さんがいます。当然、手術や検査の時に食事を止める場合は糖尿病薬を中止したり、減量したりする必要があります。また高齢者では、今までずっと服用していた糖尿病薬だとしても、入院を契機に減量や中止など、処方を見直す必要が出てくる場面にも良く遭遇します。
ですので、糖尿病が苦手と思っているあなたでも糖尿病薬について全く知らない訳には行きません。そんな時にあなたが知っておくべき最低限のクスリの知識を紹介していきます。
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糖尿病薬には内服薬が9種類、インスリンを含めて注射薬が2種類あります。多くて覚えにくいかもしれませんが、まずは大きく内服薬の分類を把握してみましょう。
内服薬には
【インスリン分泌非促進系】
・ビグアナイド薬
・チアゾリジリン薬
・αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)
・SGLT2阻害薬
【インスリン分泌促進系】
<血糖非依存性>
・スルホニル尿素薬(SU薬)
・速攻型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
<血糖依存性>
・DPP4阻害薬
・GLP1受容体作動薬(内服薬、注射薬)
・イメグリミン
【インスリン製剤】
インスリン各種
インスリン+GLP1受容体作動薬の配合剤
それぞれの機序や副作用、禁忌などを把握して、1剤から開始するのが原則です。薬剤名と一般名を覚えるのはちょっと大変ですが、まずは院内に採用されているものを覚えていきましょう。
ここでは取り扱いませんが、現在は合剤も多く発売されており、錠数も少なくて服薬アドヒアランスが向上するなど、慣れてくるとメリットは大きいものがあります。慣れてきたらぜひ使ってみてください。
次回はビグアナイドについて紹介します。
(編集長)
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CPCを開催しました♪
先週のことですが、院内でCPCが開催されました。
前回のCPCは12月に臨時で朝に開催しましたが、通常は毎月開催されている水戸市医師会病棟検討会という地域の先生方にも参加いただく症例検討会の場を利用して年に数回開催しています。コロナの最中からZoomを用いて開催していますが、今回も同様にハイブリッドで行いました。
今回は2症例で、肝硬変患者の敗血症と急性心筋心膜炎疑いの症例でした。2症例とも来院されてから亡くなるまでの時間経過が早く、診断も死因もすっきりしない点がある症例でした。
結論を言うと、肝硬変症例では肝硬変の原因はNASHを疑っていましたが、病理学的にはそれを裏付ける所見はありませんでした。ただ、肝硬変もかなり進んでしまうと、特徴的な所見も分からなくなるそうですので、臨床的にNASHと診断しました。
もう一例は、心室頻拍や心室細動を繰り返した症例でしたが、病理学的には心筋炎や心膜炎の所見は無く、急性心筋梗塞という診断でした。冠動脈造影所見と合致しない点もあり、モヤモヤが残りましたが、臨床経過と良く突き合わせる必要があることを改めて認識しました。
いくら画像診断が進んだとはいえ、剖検や病理と臨床経過を突き合わせると新たな発見があります。当院では剖検の際に研修医にも助手として参加してもらいますが、たとえ直接の担当患者でなくとも剖検に参加することで学びがあり、また、似たような状況に遭遇した時次はどう対応すべきかをじっくり考えるきっかけとなります。そういった点で、剖検やCPCは非常に貴重な学びの場になっています。
(編集長)
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患者さんはホントのことを言わない
研修医外来で少し前にあったエピソードからです。
70才台の女性が受診しました。主訴は右肩の疼痛。でも、右上肢の可動制限や筋症状、神経症状も無く、すでに整形外科を受診して治療も開始されていました。
研修医が一通り話を聞き終えてから、隣で外来をやっている指導医のところに相談に来ました。
「特に問題なさそうで、整形外科でも痛み止めを処方されています」
「何もすることもないと思うんですけど・・・、どうやって帰したらいいでしょう?」
確かに肩の痛みは問題なさそうです。でも、こんな時あなたならどうしますか?考えてみてください。
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この時、指導医は「何かほかに受診した理由があるはずだから、もっと家庭の状況とか、最近の状況とかを聞き出してごらん」とアドバイスしました。
研修医がもう一度話を聞き出したところ・・・・、
・患者さんの知人が最近ガンで亡くなった。
・その知人が元気な時に、「肩が痛い」と言っていたので、自分も心配になってしまった。
・整形外科では痛み止めで治ると言われたけど、今のところあまり変わりない。
・もしかしたら内臓の病気?ガンかもしれないと思って内科を受診した。
ということが分かりました。
ここで大事なことは、「患者さんの言葉を(そのまま)信じてはいけない」ということです。
どういう事かと言うと、患者さんからすれば病院を受診するのは、なんだかんだ言ってもハードルが高いものです。ドクターや看護師に「そんなことで受診するなんて」と言われたらどうしようと、ちょっとビクビクしながら受診しているのです。ですから、初めからホントのことを言ってくれません。何となくもっともらしい「建前」の理由を話すのです。
患者さんが話していることは基本的に建て前。
患者さんは(最初から)ホントのことを言わない。
患者さんの言葉を(そのまま)信じてはいけない。
このことをよく理解すると、あなたは患者さんから格段に良い情報(本音)を聞き出せるようになります。そして、その本音の部分を理解して、不安や疑問を解決してあげることが大事です。ぜひこれから患者さんの話を聞く時は、これを意識してみてください。
(編集長)
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