臨床研修ブログ
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水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
激励会報告
だいぶ寒い毎日が続いていますね。各地で雪の予報が出ていますが、どうぞ気をつけてお過ごしください。
さて先日のことですが、当院のJ1らが、今春から当院で初期研修を開始する予定の10名の激励会をZoomで開催してくれました。
これは以前から年末もしくは年明けの時期にやっていたのですが、昨年からコロナのためZoomで開催するようになりました。国試合格に向けての激励とともに、春から同期として一緒に頑張っていく仲間との初顔合わせの目的もあります。
もちろん、直属の上司(?)となる今のJ1から激励や実践的な国試対策などのアドバイスをもらえるのは、とっても嬉しいハズです。
後半は悩みごと相談コーナーだったのですが、だいぶ硬さも取れてきて、いろいろ質問も出ました。例えば、部屋の確保や引っ越しのこと、車の冬タイヤはあった方がいいか?など・・・・。
細かいけど、気になることを少し解消できたようです。
さて、コロナ感染者の増加はすごいスピードで、茨城県内も昨日(1月12日)は120名を超えてきました。換気やマスク、黙食などを中心に、充分な感染対策を行いながら、国試までの残された時間を効率よく使って、全員合格に向けて頑張ってください!
(編集長)
激励会の舞台裏
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心不全患者さんを診る時は・その5(初期治療の注意点)
前回はクリニカルシナリオ(CS)について紹介しました。虚血と大動脈弁狭窄症を除外できそうなら、基礎疾患の検索は後回しにして、患者さんの症状を早く取るために治療を開始するツールがCSでした。
CSに基づいて初期治療を開始するのはもちろんOKですが、当然ながら注意点もあります。
まず、CSは便宜的に収縮期血圧で分類しているので血圧だけで判断しないこと。
例えば、胸水も下腿浮腫もある患者さんが、ERでの血圧が150mmHg あったとしましょう。CS1に該当し、NPPVと硝酸薬ということになります。でも、明らかに浮腫や胸水など体液貯留傾向があるなら、利尿剤を使う必要が出てきます。
心不全の治療はERの中だけではなく、特に高齢者の心不全では、いかにADLを低下させないように退院させ、外来加療に持ち込むか、という視点が重要になってきます。CSに囚われずに早く症状を改善し、退院につなげるようにしましょう。
また大動脈弁狭窄症(AS)は要注意です。
ASは重症なほど血圧が上がりません。とすると、CS2として硝酸薬と利尿剤を使いたくなりますが、急激に前負荷が低下するとびっくりするほど血圧が下がってしまいます。
何故かというと、ASは心臓の出口である大動脈弁が硬くなって開きが悪くなる病気ですから、前負荷を維持しておかないと心拍出量が維持できないのです。しかし硝酸薬と利尿剤を同時に使ってしまうと、急激に前負荷が低下して、心拍出量が低下し血圧が下がるのです。心拍出量が低下すると硬くなった大動脈弁を押し広げる力も低下してしまうので、血圧がなかなか上がらず、ハラハラしてしまうことになります。
対策としては、硝酸薬と利尿薬を同時に使わずに一方から開始して、急激な前負荷の低下を避けながら慎重に経過を見ることです。CS1とかCS2のように、利尿がついたらほぼ安心という訳には行かないので、心してかかりましょう。そして、循環器内科医や心臓血管外科医に相談し、早期に手術を考慮してもらいましょう。
(編集長)
TAVI中の一コマ
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心不全患者さんを診る時は・その4(クリニカルシナリオ)
前回は心不全患者さんの基礎疾患を探っていく時に最初に除外すべきは、虚血と大動脈弁狭窄(AS)の2つということを紹介しました。
虚血はSTEMIのように分かり易ければイイのですが、実際はなかなか難しいことも多いので、治療と並行しながら考えていきます。ASは聴診であなたが見つけ出せるので、ぜひ聴診器を当ててみてください。
さて、虚血もASでもなさそうとなれば、基礎疾患の検索は少し後回しにしてもOKで患者さんの症状を早くとってあげることが必要ですね。
このような初期対応で使われるのがクリニカルシナリオ(CS)です。
CSは基礎疾患よりは、病態を早く把握して治療を開始するためツールです。でも時々、入院していつまでも「CS1の心不全の患者さんで・・・」とプレゼンしている人がいますが、CS1は診断名ではないのでこのようなプレゼンはイケてません(笑)。
今回は、このCSを確認しておきます。
CS1:収縮期血圧>140mmHg
・急激に発症するびまん性肺水腫
・体液貯留は少ない(=浮腫が無い)
・治療はNPPV、硝酸薬
CS2:収縮期血圧100~140mmHg
・全身性の浮腫、体重増加を伴う
・肺水腫としては軽度
・治療はNPPV、硝酸薬、利尿薬
CS3:収縮期血圧<100mmHg
・低潅流が主で、肺水腫や浮腫は軽度のことが多い
・心原性ショックを含む
・治療はカテコラミン、状況によって輸液
CS4:急性冠症候群
・心原性ショック
・治療はNPPV、硝酸薬、PCIなどの再灌流療法
・さらにIABPやインペラなどの機械的補助
CS5:右心不全
・肺うっ血はなく、全身性の浮腫
・輸液負荷は避けつつ、利尿剤やカテコラミンを使用
ERで良く遭遇するのはCS1と2です。CS4は循環器内科医の出番ですが、CS3と5は循環器内科医でも治療が難しいことがほとんどです。
(編集長)
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画像問題・胸部レントゲン
胸部レントゲンは基本の検査ですが、実際のところ読影はすごく難しいものです。パッと見た時の印象も大事ですし、細かい所見を丹念に見ていくことも大事です。
そんな胸部レントゲンから決して難しくはないけど、研修医が意外と分かっていないものを取り上げてみます。
今回はこのレントゲン。
あとで質問するので、まずはじっくり見てください。
あ、ペースメーカーが入っていますが、これは気にしなくてOKです。
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↓
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そろそろイイですか? では、質問です。
左右の下肺野の透過性が異なっていますが、どうしてでしょうか?
↓
↓
もちろん、画面が小さくとも、この解像度でも分かることです。
↓
↓
正解は・・・・・、右乳房切除後だからです。
よく見ると、下記の矢印ように乳房の輪郭が左では見えているのに、右では見えていません。
正解できましたか?
この症例は80歳台の女性のもの。本人も忘れているくらい昔に乳がんで手術を受けた方です。
今は乳がんでも、乳房を温存する術式が多いですが、以前は乳房切除が当たり前でした。患者さんを診察すればすぐにわかることですが、左右の胸壁の厚さが明らかに異なっているので、レントゲンでも左右差が出ます。ときどき遭遇しますので、覚えておくとイイですよ。
(編集長)
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心不全患者さんを診る時は・その4(最初に除外すべき基礎疾患)
心不全患者さんの問診や指導医へのプレゼンの際に押さえるべき2つのポイントとして「基礎疾患」と「誘因」が重要なことを紹介してきました。
前回の記事では、心不全増悪の誘因がすぐには分からないことも多いと書きました。同様にERで心不全患者さんの対応する時にも、基礎疾患がすぐに分からないことが多々あります。
でも、最初に除外すべき基礎疾患が2つあることはぜひ覚えておいてください。
しかも、そのうちの一つはあなたでも見つけ出すことができます。
何だか分かりますか?
その2つとは、虚血と大動脈弁狭窄症(AS)です。
虚血といっても急性虚血か否かの把握が大事ですが、言うほど簡単ではないことが多く、治療と同時進行で動かなければいけない状況では、あまり突き詰め過ぎないことも大事です。
実際のところ、STEMIIとか急性冠症候群が無いか、PCIやCABGなどの治療歴があれば、カルテから多枝病変や左冠動脈主幹部病変が無いかの把握が重要になります。
もう一つのASは治療の際の管理が変わるので、ASだという認識が無いと、あなたがもの凄く怖い思いをするでしょう(ここまで言うのは、編集長が怖い思いをした経験があるからです・・・・)。
そんなASをあなたでも見つけ出すことができます。その方法は聴診です。
ASの雑音は、たとえあなたが全く心雑音の聴診に興味がなくても、何かおかしいと気づけます。ぜひASの心雑音だけは覚えておいてください。
心不全患者さんを対応する時は、虚血の関与がないかを考えること、そしてASがあるかもしれないと思いながら、必ず聴診器を当ててみてください。
(編集長)
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新年明けましておめでとうございます。
いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、年末年始はいかがお過ごしでしたか?
明日から仕事はじめという方が多いと思いますが、実際は年末年始も当直や日勤で、結局は病院にいたという方も多かったのではないでしょうか。大変お疲れ様でした。
さて、水戸済生会では昨年秋の初期研修医マッチングでは2年連続で10名のフルマッチとなりました。また、当院の内科専門研修プログラムにも1名応募いただいたり、協力施設からのローテーションで来ていただくことになったり、嬉しいことが続きました。
各診療科をローテーションしている専攻医らも頑張ってくれており、メキメキと実力を付けて、いろいろ任せても頼りになる存在になっています。
専門医取得を目指すあなたにとって、自分が経験できる症例数や、自分で実際に行う手技の多さと多様さ、そして働く環境という点から考えると、当院はすごく掘り出しものだと思っています。
そんな当院の専門研修についてお伝えできるように、今年はよりパワーアップしていこうと思っています。
改めて本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(編集長)
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◆水戸済生会での専門研修に関するご質問はこちらへ!
どんなことでも問い合わせフォームからご質問ください。
また、各診療科の専攻医にZoomで質問できますので、その旨もお知らせください!
◆市中病院で循環器専門医を目指しているなら
水戸済生会循環器内科のサイトを是非ご覧ください!
PCIだけでなく、Ablation、TAVIなど、当院で行っている幅広い循環器診療を紹介している充実したサイトです。各種の資格取得にも有利です!
是非ご覧ください!
◆10分で分かります!
1月に開催された「レジナビFairオンライン2021 ~専門研修(内科)プログラム~」 での説明動画を、水戸済生会YouTubeチャンネルでご覧いただけます!
水戸済生会の内科専門研修の特徴が10分で分かります。特に、消化器内科・循環器内科・腎臓内科を志望しているあなたは、ぜひご覧ください!
新年あけましておめでとうございます。
ブログ読者のみなさま
新年明けましておめでとうございます。本年もこのブログをどうぞよろしくお願い申し上げます。
新年なので気の利いた話題を紹介したいところですが、あいにくネタがはありません(笑)。そこで、この時期に編集長の頭を悩ませるローテーションについて書いてみようと思います。。
当院では12月の初めから研修らと面談を行って、来年度のローテーションの調整を行っています。まずは今のJ1たちに話を聞いて、2年目のローテーションを決めて、それから新しく入ってくる新J1のローテーションを組むという流れです。
ご存知の通り初期研修には必修科目があって、内科6か月、救急3か月、地域1か月、小児科1か月、外科1か月、産婦人科1か月、精神科1か月、外来研修1か月となっています。
この必修ローテーションがあるので、実は自由度はあまり高くないのが分かると思います。そんな中でこれらの必修科目を考えながら、何とか各研修医の希望に沿うよう苦心しながら決めていきます。
ここで面白いことに、希望を聞いていると大きく2つのパターンがあることに気づきます。
一つは、自分の希望診療科を決めていて、それに関連する診療科のみをローテーションしたい人。もう一つは、いろいろ勉強したくて、1か月ごとにマイナー科も含めてたくさんローテーションしようとする人。
これは編集長がこの仕事をするようになってから、この傾向はずっと変わりません。
どちらが良いとか悪いとかではありませんが、そもそも初期研修の目的は「プライマリケアの習得」ですから、バランスの問題だと思います。
関連する科だけのローテーションは一見効率的ですが、どこまでを関連すると言えるのかは曖昧です。結局のところ自分のやりたいことだけになってしまわないかが心配な点です。
例えば、外科を考えてい研修医がいたとしましょう。内科的なことはどうも苦手で、特に糖尿病とか透析は良くわからない・・・。でも糖尿病や透析患者さんの手術をしない訳に行きません。どう管理するのかまで出来なくとも、透析患者さんは何に注意して腎臓内科医に相談すべきなのかは初期研修医のうちに習得できます。
病院を受診する患者さんの背景はじつに様々ですから、多くの合併疾患を抱えている高齢者で、どの診療科がイニシアチブを取ればいいのか悩むことは日常茶飯事です。このような時は、いろいろな診療科をローテーションしていた方が、各科の事情も分かるし、相談しやすくなります。
一方、いろいろな診療科を1か月ごとにローテーションしても、知識も手技も果たして身に付けられるのか?と思ってしまいます。もちろん、知らないよりはいいですが、臨床はそんなに甘くありません。やった気になっただけでは、あなたも患者さんも不幸です。
ということで、当院では
・目標はプライマリケアの習得
・1診療科を、できれば2か月以上
・希望の診療科が決まっているなら、パートナーとなる科のローテーションを勧める
(例えば、消化器内科希望なら消化器外科の研修を組み込む)
これらを基本方針にして相談しています。
初期研修でさまざまな症例を経験して、その後の専門研修でも当院の研修目標である、
医療を支えるチームの一員として『疾患』のみならず『患者さん』を診ることができる
ようになってほしいと考えています。
さらに、これから医療環境が大きく変化することが予想されます。臨床のスキルを身に付けることはもちろんですが、医学以外のことにも関心をもって、大きな変化に対応できるようになって欲しいと思います。
あなたにとって2022年が飛躍の1年になるよう頑張って行きましょう!
(編集長)
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年末のご挨拶
早いもので、今年もあと2日を残すだけになりました。今回が年内最後のブログになります。
このところの寒波は厳しく、水戸もだいぶ寒いですね。年明けもだいぶ冷え込んだり、大雪の予報が出ている地域もあるようです。
大雪といえば編集長も学生時代は日本海側に住んでいたので、予報で「大雪」となった時は、ホントにすごいことになりますよね。あれは住んでみないと分からない雪の怖さです。
さて今年を振り返ると、やはりコロナの第5波がきつかったですね。当院はECMOを回せる重症対応の病院という位置づけだったので、ベンチレーター、そしてECMOと対応に追われました。発熱外来は寒い時期も暑い時期も多くの患者さんの対応をしてくれた現場スタッフには頭が下がりました。
研修医のみんなもERに搬送された患者さんの発熱対応や、発熱外来、コロナ病棟の対応、そしてワクチン接種に頑張ってくれて、非常に頼りになりました。有難うございました。
年が明けてもオミクロン株の流行や3回目のワクチン接種など、コロナとの戦いは続きそうです。国試を控えたあなたも、どうか気を付けてお過ごしください。
来春から10名の研修医を迎える予定ですが、年が明けたらZoomで激励会を開催予定です。
この激励会は先輩になる今のJ1らと同期になるメンバーとの顔合わせになります。コロナ前には、年末に集まって激励会を開催していたのですが、前回からZoomに切り替えました。
6年生のあなたは国試に向けてラストスパートになります。今まで幾多の試験を乗り越えてきたので、真面目に取り組めば問題ないはずです。体調管理に十分に注意を払って頑張ってください!
このブログも、新しい年を迎えてもあなたにとって価値ある情報をお届けできるよう努力して参ります。当ブログを引き続きよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。
(編集長)
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心不全患者さんを診る時は・その3(誘因への介入)
前回までは心不全患者さんの問診や指導医へのプレゼンの際に押さえるべき2つのポイントのうち「基礎疾患」と「誘因」について紹介しました。
「基礎疾患」を押さえることで治療の方針がある程度決まります。
では、なぜ「誘因」を押さえることが重要なのでしょうか?前回も少し触れましたが、今回はこの点を詳しく紹介したいと思います。
下の図は、心不全の経過についてです。ガイドラインにはもちろん、いろいろなところで目にしたことがあるかもしれません。
(ガイドラインより 心不全とそのリスクの進展ステージ)
心不全は増悪・寛解を繰り返しながら、どんどん悪くなる症候群です。その心不全の重要な治療目標の一つに「心不全での入院を回避する」ことがあります。
心不全の治療では、利尿剤を静注すればサッと良くなって、すぐに退院できる人がいるのも事実ですが、よくなるから大丈夫という考えは間違いです。入院を繰り返す患者さんの予後は極めて不良なので、なんとか入院を回避したい。そのために「誘因」に対して介入する必要があります。
具体的には、
・感染を契機に悪化した人には予防注射(インフルエンザや肺炎球菌)を勧めます。
・内服を自己中断して悪化した人には、内服するタイミングを変更する、薬剤の錠数が多くて嫌だという人には合剤などを組み合わせて錠数を減らすなど工夫してみます。
・食事への介入は現実的には一番難しいのですが、週に何回かでも宅配のお弁当(減塩メニュー―があります)を利用したり、栄養指導を繰り返してみます。
誘因を把握し、可能な部分に介入することで、心不全の入院を回避することはすごく重要です。
また、さまざまな誘因で心不全が悪化してくるということは、別の病気で入院していた患者さんに心不全が合併してくる、ということも当然あります。
なので、特に心疾患の既往がある人や高齢の人では、入院中でも外来フォローであっても、「もしかしたら心不全を合併していないか?」と注意しておくことが大事です。
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心不全患者さんを診る時は・その2(誘因)
心不全患者さんを診る時に押さえるべき2つのポイントは「基礎疾患」と「誘因」ですが、今回は「誘因」についてです。
心不全が悪化する時には「誘因」が隠れているはずです。
もちろん原疾患の進行(例えば大動脈弁狭窄症の進行)ということもありますが、なぜこの時期に悪化したのか?なぜこのタイミングなのか?と常に考えておく必要があります。
なぜ誘因をおさえることが重要なのかと言うと、それは基礎疾患だけ治療しても心不全をコントロールできないことがありますし、基礎疾患の治療ができないこともあるからです。
誘因の覚え方はFailureが有名です。
F:Fogot medicine
内服薬の中断・調節のことです。特に利尿薬の自己中断や自己調節は想像以上によくあることです。また医療機関でも熱中症対策と称して利尿剤が減量されていることもあります。β遮断薬が新たに追加された場合も誘因となることがありますが、循環器内科以外でβ遮断薬が処方されることはあまりないので、頻度は少ないかもしれません。
A:Anemia, Arrhythmia
貧血や発作性心房細動などの不整脈が心不全に誘因になることがあります。貧血は心不全だけでも進行してくることがありますが、消化管出血の有無は必ず確認が必要です。
I:Infection, Ischemia
感染と虚血は重要な誘因です。感染はこの時期に最も多いかもしれません。発熱→心臓の仕事量増加につながります。また急性冠症候群(ACS)などの虚血イベントの除外は、最初に行うべき最重要ポイントです。
L:Life style
生活習慣で心不全の誘因になるのは、労作や過労、寒冷、そして食事(塩分過多)が多いと思います。労作や過労は旅行に行った後やお葬式などがきっかけなることが多い印象があり、できるだけ具体的に質問しないと分からないことがありま。編集長のTipsとして、特にお葬式は時期によっては寒冷負荷も加わるので必ず聞くようにしています。
また、この時期は寒いところでの作業などや自宅の環境にも注意です。自宅でも居間でしか暖房を入れていないことがあり、台所や廊下、トイレは外と同じ気温ということもホントにあります。住宅環境を聞いておくのも大事です。
そして日本人は塩分好きですから、食事の影響は大きいです。塩分を控えるために味噌汁をやめた代わりに、うどんを食べていた(しかも汁まで飲んでいた)とか、ラーメンは良くないと言われ、そばを食べていたという笑えない話も実際にあります。
U:Up-regulator
甲状腺疾患や妊娠などが、いわゆる高拍出性心不全の誘因になります。
R:Rheumatic valve, Renal insufficiency
リウマチ性弁膜症の進行、そして腎不全の悪化で体液量の調節が甘くなって心不全に至ることがあります。腎不全の悪化の要因としてはNSAIDSなどの薬剤がないか聞き出すことも大事です(高齢者では腰痛や膝痛で痛み止めを処方されます)。
E:Embolism
肺塞栓なども心不全の誘因になるので、鑑別の中に入れておきましょう。
誘因については、1回の問診だけではわからないこともあります。でも、その後の患者さんや家族との会話の中にヒントが隠されていることがほとんどですから、注意してみてください。
(編集長)
経食道心エコー中
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