臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

【明日から募集開始】第4回水戸医学生“小児科”セミナー 

2019.10.06

ご案内してきた

第4回水戸医学生“小児科”セミナー

参加受付を明日から開始します!

 

水戸済生会総合病院は県立こども病院と

隣接し、総合母子周産期医療センターを

有する恵まれた環境を生かして、3年前から

小児医療に関心のある医学生に限定した

参加型セミナーを開催してきました

 

4回目となる水戸医学生‘小児科’セミナーの

内容は・・・・、

 

小児救急の基本となるPALSのエッセンスと

小児科領域でのClinical pearl満載の症例

検討、そして最先端のトピックも登場します。

 

過去の参加者の感想は・・・・

・小児救急について学ぶ機会がなかった

 のでとても満足です。

・よくある疾患についてレクチャーもあり、

 分かりやすかった。

・今まで受講した成人のものとは違い、

 大変勉強になりました。

・初めてこのようなものに参加しました。

 また参加したいです。

 

もし、あなたが小児医療に興味のあるなら、

間違いなく充実した1日になることをお約束します。

 

【開催概要】

日時:2019年12月7日(土)

   8:30開始予定

場所:水戸済生会総合病院、

   茨城県立こども病院

対象:小児医療に関心のある

   全国の医学生・学年は問いません

   12名 定員になり次第締め切ります

費用:無料

   昼食も準備いたします。

   当院までの交通費はご負担ください

 

さらに、10月11日24時までに

お申し込みいただいた方には

早期申し込み特典として

あなたのネームを刺繍した

当院オリジナルスクラブを

プレゼントします。

 

なお、定員が12名と少人数ですので、

早々に定員に達してしまう可能性が

あります。

 

どうぞ、明日のブログにご注目ください。

 

(編集長)

第1回セミナーより

先天性心疾患を考えてみよう!

—–

こどもの急性硬膜下血腫?!

2019.10.05

あなたが当直中のERに、生後4カ月の

男児が搬送されてきました。

 

主訴は大量の嘔吐。

正常分娩で周産期には問題なし。

 

寝かせようとしたら、大量のミルクを

嘔吐し、その後に様子が変で、視線も

合わなくなったので救急要請。

下痢は無し。

 

ABCDの評価を行い、その後に頭部CTを

施行したところ、急性硬膜下血腫と診断

されました。

 

いったい何があったのでしょう?

そして、あなたはどう行動すべきですか?

これは水戸医学生‘小児科’セミナー

過去に取り上げられた内容の一部です。

 

PALSだけでなく、臨床で遭遇する問題も

取り上げており、ER当直をするあなたにも

役立つ内容が盛りだくさんです。

 

3年前から隣接する茨城県立こども病院

との共催で始まったこのセミナーは

大変好評で、下記日程で今年も開催する

ことが決まりました!

 

近日中に募集を開始しますので、

このブログを見逃さないように

ご注目ください!

 

【開催概要】

日時:2019年12月7日(土)

   8:30開始予定

場所:水戸済生会総合病院、

   茨城県立こども病院

対象:小児医療に関心のある

   全国の医学生・学年は問いません

   12名 定員になり次第締め切ります

費用:無料

   昼食も準備いたします。

   当院までの交通費はご負担ください

 

ちなみに、冒頭の症例では

真っ先に虐待を疑います。

 

基本的に、家庭内の転倒や転落では

重症頭部外傷は起こり得ないとされ、

乳幼児の急性硬膜下血種の95%は

虐待によるものと言われています。

 

そして虐待を疑ったら、警察と

児童相談所に連絡します。

(編集長)

—–

えっ、子どももいるの?

2019.10.03

想像してみてください。

 

あなたはもう、JATECで外傷患者の

初期評価が出来ます。たとえ複数の

傷病者がいても、トリアージが出来ます。

 

そんなあなたがER当直をしている時に

交通外傷の患者が搬送されてきました。

でも、その中に子どもがいたら・・・・。

 

幸い、事故は大したことがなく、

子どもも、見た目には大丈夫そうです。

普通なら、落ち着いて対応できるはず。

 

でも、それが2歳の子どもだったら?

もし、生後8か月の子どもだったら?

 

夜間のERで、小児科医がいない状況なら、

あなたはどう対処しますか?

 

そんな時に役立つのが、PALS

(Periatric Advanced Life Support)です。

小児版ACLSと言えるPALSは、

小児救急の基本となるものです。

 

これを身に付けることで

例えERに重症の子どもが現れても

慌てず対応できるようになります。

ER当直をするあなたなら、是非とも

身につけておきたいスキルの一つです。

 

そのPALSのエッセンスを学べるコースが

水戸医学生‘小児科’セミナーです。

 

さらにPALSだけでなく、Clinical pearl

満載の症例検討や、メディカルラリーなど、

小児医療に関心のあるあなたにとって

間違いなく充実した1日となります。

 

3年前から隣接する茨城県立こども病院

との共催で始まったこのセミナーは

大変好評で、昨年に引き続き、今年も

開催することが決まりました。

 

詳細は近日中にご案内しますので、

このブログを見逃さないように

ご注意ください!

 (編集長)

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◆水戸済生会総合病院の

 内科専門研修について

 

0月15日から専攻医登録が始まります!

日本専門医機構のページはこちら

 

当院の内科基幹型研修プログラムは

循環器内科、腎臓内科、消化器内科を

志望し、サブスペ専門医資格取得を

最短で目指すプログラムです。

 

ご質問・お問い合わせは下記の

アドレスからお願い致します。

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◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは

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攻めの問診

2019.10.01
カテゴリー: 初期研修

もともとADLの自立した高齢男性が、

起床時から腹痛、嘔吐を主訴に

外来を受診しました。

 

診察では心窩部痛を訴えており、

下痢もあるらしく、胃腸炎の診断で

整腸剤を処方して帰宅となりました。

 

ところが、その後も食事がとれず、

寝たきりのようになったということで、

2日後に再び受診しました。

 

採血してみたらCPK700、トロポニンが

強陽性と判明したので、循環器内科に

連絡がありました。

 

心電図を見てみると、ST上昇や

異常Q波は認めませんでしたが、

なんとも言えないST低下が

ありました。

 

いったい、何があったのでしょう?

診断は、非ST上昇型心筋梗塞

(NSTEMI)です。おそらく発症は

腹痛を自覚した時です。幸い、

ダメージを受けた範囲が小さく、

心不全などにならずに済んだのですが、

高齢者だったので、食欲が落ちて

寝たきり同様になってしまったのだと

考えられます。

 

実は、冬場などノロウイルスの流行

時期に、心筋梗塞が見落とされて

あとで判明したということを、編集長も

何度か経験しています。

このケースの場合、おそらく「下痢」

引っ張られたのだと思います。

 

心筋梗塞なら心窩部痛はあっても、

下痢は来ないはずですからね。

 

では、どうすればよかったのでしょう?

 

おそらく、下痢に関して、もっと踏み込んだ

攻めの問診をしていれば、何かおかしいと

気づけたかもしれません。

 

以前にも紹介しましたが、問診の際は

OPQRST-LAが大事です。

以前の記事はこちら

 

その中で、Pでは増悪/完解因子

つまり、どうすると症状が悪化したり、

改善したりするか、の確認をします。

 

このケースに戻ると、普通の胃腸炎

であれば、排便すれば一時的にでも

腹痛は軽減します。

 

でも、後から患者さんに確認してみると

下痢で排便した後も、心窩部痛は軽減

しなかったそうです。

 

つまり、下痢に関して一歩踏み込んだ

問診をして、下痢と腹痛が実は関係

なさそうだと気づければ、心筋梗塞を

鑑別疾患を挙げられたかもしれません。

 

あなたも問診の際には、

もう一歩踏み込んだ、攻めの問診

やってみてください。

(編集長)

追記1

攻めの問診は、当院にもお越しいただいて

いる山中克郎先生の大事な教えです。

 

追記2

このケースはNSTEMIなので、

診断は難しかったかもしれませんが、

「へそから上の症状では心電図を確認」

しておきましょう。

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CPCを開催しました

2019.09.28
カテゴリー: 初期研修

先日のことですが、院内で

CPCが開催されました。

 

当院では水戸市医師会病棟検討会

という地域の先生方にも参加いただく

症例検討会を毎月開催しています。

 

その歴史は長く、もうすぐ290回に

なります。その一環として、年に

数回CPCを開催しています。

 

ちなみにCPCとはClinico-pathological 

conference の略で、臨床病理検討会と

呼ばれます。

 

ご存知かもしれませんが、CPCは

初期研修中の必須項目となっており、

毎回初期研修医がスライド作りや

症例提示を行います。

今回は、2年目の田村先生と田口先生が

それぞれ症例提示を行いました。

 

1例目は心不全症例、もう1例が

産科DICの症例でした。

 

特に2例目は、病理学的に診断する

のも困難でしたが、地道に状況証拠を

積み上げて診断に至っており、病理の

すごさを実感した症例でした。

 

いくら画像診断が進んだとはいえ、

剖検や病理と臨床経過を突き合わせると、

新たな発見があります。

 

当院では、剖検の際にも研修医が

助手として入れるようにしています。

タイミングさえ合えば、是非とも自分の

目で見ておくとよいですよ。

(編集長)

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髄膜炎②・・・松永先生の感染症カンファ

2019.09.26

前回は松永先生の感染症

カンファから髄膜炎について

シェアしました。

 

今回もその続きです。

 

髄膜炎は一刻も早く治療を開始

することが肝心です。培養結果を

待っているヒマはありません。

 

なので、年齢などを考慮して

原因微生物を想定し、Empiric therapyを

開始します(下表参照)。

 

そして、髄膜炎の治療では

抗菌薬の「髄膜炎用量」があるのを

知っていますか?

 

血液脳関門(BBB)を通過して、

十分な濃度に達する用量として

設定されています。

 さらに、抗菌薬に加えてステロイド投与も

行われます。

 

具体的には、デキサメサゾン0.15㎎/㎏

(体重60~70㎏の人なら10㎎と

 覚えておくと便利です)

 

もちろん髄液や血液培養の結果が判明

したら、適切な抗菌薬への変更も検討

しましょう。

(編集長)

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髄膜炎①・・・松永先生の感染症カンファ

2019.09.24

少し間が空いてしまいましたが、

先日開催された松永先生の感染症

カンファからシェアします。

 

テーマは「感染症Emergency」

でしたが、今回はEmergencyの

中でも重要な髄膜炎についてです。

 

髄膜炎は、頭痛だけでなく、何となく

反応が鈍いといった程度の意識障害

だったり、けいれん、神経巣症状も

来します。

 

大事なのは、迅速に診断して、

速やかに治療を開始することです。

 

さて、ここで質問です。

髄膜炎の時に見られる身体所見を

挙げて下さい。

項部硬直だけしか思いつかなかった

あなたはラッキーです。

必ず続きを読んでくださいね。

 

項部硬直以外にも、

 

Brudzinski徴候

Kernig徴候

Jolt accentuation

Neck flextion test

 

などがあります。

 

それぞれのやり方と、

どうなったら陽性と判定するかは

必ずネットで調べておいてください。

 

ここでは、松永先生が強調していた

それぞれの感度と特異度について

紹介します。

 

【項部硬直】

感度30% 特異度68%

 

【Brudzinski徴候】

感度5% 特異度95%

 

【Kernig徴候】

感度5% 特異度95%

 

【Jolt accentuation】

感度97% 特異度60%

 

【Neck flextion test】

感度81% 特異度39%

 

こうしてみると、感度と特異度が

結構違っているのが分かります。

 

髄膜炎は、身体所見で確定診断

する疾患というよりも、見逃しては

いけない疾患ですから、特異度

よりも、感度が重要になります。

 

感度が高いということは、陰性所見に

意味があり、陰性ならば除外可能を

意味します。

 

上記の感度・特異度を見てみると、

Jolt accentuationやNeck flextion test

が陰性なら除外可能です。

 

もしJoltが陽性なら、もっと特異度の

高い、項部硬直やBrudzinski徴候、

Kernig徴候をさっと確認し、髄液検査を

ためらわないことです。

 (編集長)

休憩中にも、まじめに質問してます

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◆水戸済生会総合病院の

 内科専門研修について

 

0月から登録開始がうわさされている

専門研修ですが、当院には内科の

基幹型研修プログラムがあります。

 

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水戸済生会の専門研修・・・消化器内科その2

2019.09.21
カテゴリー: 後期研修

今回も消化器内科の続きです。

 

前回は、当院の消化器内科が、

働き方改革にいち早く対応し、

院内で最も時間外労働が激減した

診療科だということを紹介しました。

 

今回は研修内容についてです。

 

消化器内科での研修内容の特徴は

以下の3点に集約されます。

 

① 幅広い治療手技の習得

内視鏡治療はもちろん、RFA、PTGBD、

PTBDをはじめとしたエコーガイド下

経皮治療、TACEなどの血管内治療も

すべて自科で行います。他にも

食道胃静脈瘤に対するBRTO、

憩室出血や外傷に伴う腹腔内出血

なども、血管内治療グループと共に

治療にあたります。

 

つまり、当院での専門研修では、

消化器内科がカバーする、ほぼ

すべての治療手技を習得することが

可能です。

 

② 内視鏡機器

当院ではオリンパス社とフジフィルム社の

両方の拡大内視鏡および経鼻内視鏡を

保有しており、それぞれの良さや特徴に

あわせて内視鏡を選択して、検査治療が

できます。特に研修の初期から、二つの

癖の異なる内視鏡に触れることにより、

応用力の高い技術を身につけることが

できます。超音波内視鏡についても

ラジアル型、コンベックス型両方を保有

しています。経乳頭的処置が困難な

症例についてはEUS-CDSも積極的に

行っています。

 

③ IBD診療

当院はIBD症例も豊富に経験できます。

初発症例の典型的な寛解導入から、

外科治療に至るような重症症例まで

幅広く取り扱っており、IBDの基本治療薬

である5-ASA製剤の使い分けはもちろん、

栄養療法、血球除去療法、免疫抑制剤、

生物学的製剤など、ありとあらゆる医療

リソースを用いたIBDの幅広い治療戦略を

学ぶことができます。

 

ここでちょっと考えてみてください。

あなたが消化器専門医を目指すうえで、

一番優先することは何ですか?

 

・やりがいでしょうか?

・手技を多くやって、実力を伸ばすこと?

・プライベートの充実?

 

水戸済生会の消化器内科は

これらを実現できる環境です!

 

消化器内科に興味があって、

茨城の医療を本気で考えている、

茨城の医療を支えたいと思っている、

そんなあなたからの、お問い合わせや

ご質問をお待ちしています。

 

お問い合わせはこちら

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0月から登録開始がうわさされている

専門研修ですが、当院には内科の

基幹型研修プログラムがあります。

 

ご質問・お問い合わせは下記の

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水戸済生会の専門研修・・・消化器内科

2019.09.19
カテゴリー: 後期研修

今回は消化器内科の紹介です。

 

水戸済生会の消化器内科は、

その診療内容が充実しているのは

もちろんですが、それよりも知って

いただきたいことがあります。

 

水戸済生会の消化器内科は、

働き方改革にいち早く対応し、

院内で最も時間外労働が激減した

診療科です。

 

有給休暇も全員がきちんと取得

できており、すべての有給休暇取得も

夢でなくなりました。

 

正直なところ、消化器内科もかつては、

「若手は、馬車馬のように働き、

苦労をするのが当然だ」という風潮が

ありました。

 

でも、現在はこの考え方はなくなりました。

やはり、心身ともに健全な医師

でなければ、最善の医療を提供できない

と考えたからこそ、改革に成功したのです。

 

具体的に何をやっているのかというと・・・、

 

消化器内科はチーム制を採用しており、

週末の非番日は、業務から完全に

解放されます。

 

休日なのに、ちょっと病院に様子を見に

行く必要もありません。もちろん、

若手だからと言って、当番が多すぎる

こともありません。みんなで負担を

分け合っています。当番の回数は

後期研修医から上級医まで、ほぼ均等の

割り振りで、実際のところセンター長も

ちゃんと当番をやっています!

 

ただし、若手教育の目的で、平日は

主治医制を維持しています。なので、

平日の夜間帯は主治医が対応する

ことになっていますが、必要に応じて

当番医が対応してくれます。

 

休日夜間のバックアップ体制が

しっかりしています。

 

以前から、緊急治療を2名体制で行って

おり、夜間休日であっても内視鏡専任

看護師1名、消化器内科医師2名、

さらに放射線技師1名で治療を行って

います。

 

治療時は必ず上級医のバックアップが

あり、また治療方針に不安があるときは、

待機の上級医への相談が気軽にできます。

 

夜中に救急外来から呼び出され、一人で

治療適応を考えて、一人で治療するという

ことは、現在の当科ではありません。

 

ご存知の通り、茨城県は医師不足の

深刻な地域です。県庁所在地である

水戸市も例外ではなく、消化器内科も

深刻な医師不足にさらされています。

 

そんな中、水戸済生会の消化器内科では

「この地域の人たちが消化器の病気で

困ることがないように、そして医療難民を

出さない」と想いを一つにして

診療にあたっています。

 

そして、この使命を達成するために

年中無休の救急診療から、高度医療まで

実現すべく、体制の強化に努めています。

 

働き方改革前は、ほぼ毎日病院から

呼ばれるか、呼ばれなくとも病棟に

顔を出していました。

 

でも、若手医師からのアイデアで

働き方改革を進め、今では非番の日は

病院に行かず、安心してプライベートを

過ごすことができるようになりました。

 

消化器内科に興味があって、

茨城の医療を本気で考えている、

茨城の医療を支えたいと思っている、

そんなあなたからの、お問い合わせや

ご質問をお待ちしています。

 

お問い合わせはこちら

 

次回は診療内容について

紹介します。 

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肺炎患者の対応 その8

2019.09.17
カテゴリー: カンファレンス 内科

今回もNHCAPの続きで。

誤嚥のリスクについてです。

 

誤嚥と言うと、「誤嚥性肺炎」と

ほぼ同義に用いられているのが、

実情だと思います。あなたも、

聞いたり、使ったことがあると

思います。

 

では、誤嚥性肺炎の定義が

どうなっているのか

あなたは知っていますか?

 

実は誤嚥性肺炎の明確な定義は

ないのですが、一般的には、

「ADLや全身機能の低下、特に

脳血管障害を有する場合に認め

られやすい嚥下機能障害を背景に

起きる肺炎で、高齢者の食事摂取に

関連して発症する」

と理解されています。

 

実際のところNHCAPの患者さんは、

高齢でADLの低下を来しており、

脳血管疾患の既往も多いなど、

誤嚥性肺炎とかなりオーバーラップ

しているというのは、あなたも

直感的に理解できると思います。

 

HAPでも、免疫能が低下した

耐性菌リスクの高い肺炎と、

脳血管障害を背景とする誤嚥が

関与する肺炎との二面性を

併せ持っているのも理解できます。

 

実際、誤嚥のリスクが多いほど

急性期や慢性期の死亡率、

さらに再入院率の上昇に関連しており、

そのリスク因子を考慮することで

急性期死亡率を低下させる可能性が

あります。

 

そこで、NHCAPでもHAPでも、

最初に患者背景のアセスメントで

誤嚥のリスク評価をしましょうと、

ガイドラインで推奨しています。 

ただし、ここで注意点があります。

誤嚥性肺炎の明確な定義はないと

先述しましたが、誤嚥のリスクが

多いから、誤嚥性肺炎を起こす

という訳ではありません。

 

つまり、

誤嚥のリスクが多い≠誤嚥性肺炎

ということです。

 

編集長も、ガイドラインなどの文献を

読みながら、モヤモヤが解消されま

せんでした。なので、このブログでも

今まで記事にできずにいたのです。

 

でも、高齢者の肺炎だから抗菌薬は

ABPC/SBTと、何も考えずに機械的に

選択するのではなく、患者さんの

状態をよく把握して、「どこで?何が?」

考えながら治療にあたることが

大事だと思います。

 

*このシリーズは今回で終了します。

(編集長)

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