臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

病院見学のススメ

2019.02.21
カテゴリー: 初期研修

あなたが今、4年生もしくは5年生なら、

春休み中の病院見学をどうするか?

そろそろ考えている時期かもしれません。

 

新年度になると、あっという間に

マッチング面接の時期になってしまいます

から、春休みの病院見学は重要です。

 

今は春休みも短くて、各大学や学年で

スケジュールも大きく異なるので、効率の

よいスケジュールを立てたいところです。

 

当院も出展するレジナビや、実際に

病院見学をした人のクチコミは大いに

参考にすべきですが、それだけで

決めてはいけません。

 

絶対に病院見学に行ってください。

実際に行ってみると、それぞれの病院に

よって、想像以上に雰囲気が違うことに

気づくはずです。

 

病院見学に行った際のポイントは・・・、

指導医クラスの話は、半分程度に聞いて

おけばOKです。なぜかと言えば、基本的に

イイことしか言わないから。

 

むしろ研修医たちに直接話を聞きましょう。

あなたの知りたいことを質問してみましょう。

研修医も1年前には同じように悩んでいた

訳ですから、つまらない質問でも聞くべき

です。一番参考になる答えが返ってくる

はずです。

 

そして研修医たちの元気の良さや看護師さん

や技師さんたちの雰囲気にも注目してみて

下さい。研修医を育ててくれるのは指導医

だけではありませんから。

 

さらに、気になっている病院や候補として

考えている病院には2回、3回と見学に

行ってみることをおススメします。

何故かと言えば、どうしても初めての

ところは緊張するし、余裕がないので

周りを見ているようで見えていません。

2回目になると余裕ができて、おなじ病院

見学でも見える風景が違うはずです。

 

加えて1回目にあった研修医が、2回目には

ものすごく頼りになる研修医に見えるはず。

この時期なら、2年目の研修医の姿は、

あなたが2年間の研修を終えた時の姿に

重ねることが出来ます。

 

当院に病院見学に来ていただいた方からは

・研修医の先生が担当してくれて、質問

 しやすかった。

・昼食の時に研修医の先生とお話ができて

 とても参考になった。

・初期研修医の先生が対応していただき、

 手技や治療を積極的に行えることが

 分かりました。

 

などのコメントをいただいています。

 

当院では病院見学を随時受け付けて

いますので、メールでご連絡ください!

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html

 

昨年のレジナビ風景 

(編集長)

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春のイベントのご案内

春休みに病院説明会が開催されます。

当院も参加しますので、ぜひブースに

お越しください!

 

 

レジナビフェアスプリング2019東京

日時:平成31年3月10日(日)午前10時~午後5時

場所:東京ビックサイト 東7・8ホール

詳細はこちら

https://www.residentnavi.com/rnfair/ts190310

 

茨城県臨床研修病院合同説明会

日時:平成31年3月17日(日) 午後1時~午後5時

場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール

詳細はこちら

https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/jinzai/ishikakuho/isei/ishikakuho/mstudent/goudousetumeikai20190317.html

 

◆感想やコメントはFacebookページから

 お願いします!

https://www.facebook.com/mitosaiseikai/

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気腫合併肺線維症(CPFE)

2019.02.19
カテゴリー: 初期研修

COPDの患者さんには良く遭遇します。

画像で気腫性変化があって、

血ガスを取るとCO2が貯まっている。

肺機能検査では予測肺活量(%VC)は

保たれているけど、1秒率(FEV1/FVC)が

低下しているのが典型例です。

 

ところが、濃厚な喫煙歴と画像的に

どう見てもひどい肺気腫があるけど、

血ガスでCO2が貯まっていない、

肺機能検査をしても1秒率が正常と

いうことがあります。

 

そんな時は、気腫合併肺線維症

(CPFE:Combined Pulmonary Fibrosis

 and Emphysema)を鑑別に挙げて下さい。

 

CPFEの特徴は

CTで両側に上肺野優位に肺気腫、

下肺野優位にびまん性の肺線維症を

伴う間質性変化を認め、1秒率は一見

正常を示しますが、高度の肺拡散能

(DLco)を来しています。

 

上肺野の気腫性変化

 

 

下肺野の間質性変化

 

1秒率が一見正常を呈するのは、

1秒量の低下と共に肺活量も同時に

低下するからです。

 

男性に多く、高頻度に肺高血圧や

肺癌を合併します。

 

労作時の息切れが強いのですが、

簡易肺機能検査で見落とされる

可能性があるので、注意が必要です。

(編集長)

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春の合同病院説明会のご案内

春休みに病院説明会が開催されます。

当院も参加しますので、ぜひブースに

お越しください!

 

 

レジナビフェアスプリング2019東京

日時:平成31年3月10日(日)午前10時~午後5時

場所:東京ビックサイト 東7・8ホール

詳細はこちら

https://www.residentnavi.com/rnfair/ts190310

 

 

茨城県臨床研修病院合同説明会

日時:平成31年3月17日(日) 午後1時~午後5時

場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール

詳細はこちら

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◆春休みを利用して、当院へ病院見学に

 来ませんか?

 

当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?

どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください。

病院見学に興味のある方、

参加してみたい方こちらからご連絡ください。

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html

 

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「先生、酸素始めますか?」

2019.02.16
カテゴリー: カンファレンス循環器

あなたがER当直をしている時でした。

ようやくERの患者が途切れた夜中に

病棟からあなたのPHSにコールが

来ました。

 

「先生、肺炎と心不全で入院中の

87歳の○○さんですが、SpO2が

80台に下がっています。酸素始め

ますか?」

と言われました。

 

確か、この患者さんは先週入院して、

今はだいぶ改善していたはず。

そろそろ退院について

家族に話をしていた患者さんです。

 

調子がよかったはずなのに

さて、何が起こったのでしょう?

そして何を確認すればいいのか?

ちょっと考えてみて下さい。

編集長なら、まず看護さんにこう尋ねます。

「SpO2下がっているけど、本人の様子は

スヤスヤ寝ていますか?」

 

苦しそうなら、まず心不全の悪化を考えて

すぐに病棟に向かい、本人の呼吸状態や

バイタルを確認します。

 

必要なら夜中でも胸部レントゲンや

血ガスをチェックします。

 

でも、スヤスヤと寝ていたら

何を考えればいいでしょう?

 

ここで編集長が真っ先に考えたのは

チェーンストークス(Cheyne-Stokes)呼吸

です。

 

チェーンストークス呼吸とは

呼吸が段々と深くなり、また段々と浅くなり、

最後には無呼吸になる。そしてまた

浅い呼吸が始まり段々と深くなる、

という周期を繰り返す呼吸です。

 

1周期はだいたい1~2分くらいで、

繰り返すため「交代性無呼吸」とも

呼ばれています。睡眠時など

覚醒レベルが低下している時に

出現し、脳梗塞後や心不全、肺炎の時

などによく見られます。

 

冒頭の患者さんは、高齢で心不全の

方ですからチェーンストークス呼吸が

あってもおかしくありません。

無呼吸や呼吸が浅い時にSpO2を測れば、

当然低下しています。

 

対応の基本は原疾患の治療なので、

この場合、「スヤスヤ眠っている」

=「心不全の悪化は来していない」

と考えて、そのまま経過観察でOKです。

 

ところで、看護師さんに

「・・・・しなくてイイですか?」

と言われると、何かしないとマズい気に

なってしまいますよね。

 

なのでつい、あまり根拠もないのに

「じゃ、お願いします」と言ってしまい

がちです。

 

もちろん編集長も何度もやったことが

ありますが、看護師さん達に分かって

もらえるように説明して、必要のないことは

「必要がない」と言えるようにしましょう。

(編集長)

 

ERで蘇生後、これからICUに向かいます

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◆第19回水戸医学生セミナー 

~内科と救急のエッセンスを体験しよう~

 

平成31年3月2日(土) 3日(日) 

2日間で開催します。

開催概要はこちら

 

五感をフルに使って真剣に身体診察に取り組み、

身体診察後の詳細なフィードバックを受ける。

 

すると、あなたはもう一度ベッドサイドに

行ってみたくなるはずです。

 

あなたは身体診察のみで、どこまで診断に

迫れるのか?ぜひ挑戦してみて下さい!

 

水戸医学生セミナーは、大学の授業で

体験できない、内科と救急のエッセンスを

盛り込んだ「究極の体験型セミナー」です!

 

現在参加者募集中です。

定員まで若干名の空きがあります。

お急ぎお申し込み下さい!!

 

申込みの詳細はこちらから

https://ameblo.jp/mitosa-re/entry-12431130451.html

 

 

◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

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CPCが開催されました

2019.02.14
カテゴリー: 初期研修

ちょうど昨日のことですが、

今年度2回目のCPCが開催されました。

 

CPCとはClinico-pathological conference

 の略で、日本語では臨床病理検討会と

呼ばれます。CPCは初期研修中の

必須項目となっており、初期研修医が

スライド作りや症例提示を行います。

 

今回も1年目研修医の二人が症例提示

を行いました。1例目は拡張型心筋症の

症例、2例目は透析患者の敗血症、ARDS

の症例でした。

いくら画像診断が進んだとはいえ、

剖検や病理と臨床経過を突き合わせると、

新たな発見があります。

 

今回の症例で言えば、2症例目は全く

想定していなかった大腸憩室穿孔と

限局性腹膜炎が明らかになりました。

 

今後、似たような状況に遭遇した時

次はどう対応すべきかを考えておく

ことは非常に重要です。そういった点で

剖検やCPCは非常に貴重な学びの

機会となっています。

(編集長)

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P(リン)のお話・4

2019.02.12

今までPの話をしてきましたが、

今回は症例をもとに考えてみましょう。

 

【症例】

70歳台独居の男性が数日前から

食事摂取ができず、家の中を倒れて

いるところを近所の人が発見し

救急搬送されました。

 

体温36.0℃、脈拍102/分、血圧98/66

生化学:TP5.7g/dl、Alb2.3 g/dl、

Na134mEq/dl、K2.9 mEq /dl、

Cl94 mEq /dl、BUN19㎎/dl、

Cr1.32㎎/dl、Ca7.0㎎/dl、P2.4㎎/dl

 

このような症例の診療で注意すべき

点はなんでしょうか?

 

当院の透析室

 

本症例では低Alb血症や低K血症、

低P血症を認めるため、ある程度の

期間低栄養状態が続いていたものと

考えられます。

 

また、頻脈傾向で血圧も低いことから

循環血漿量の減少が予想されます。

よく脱水の際にBUN/Crの上昇が

みられると思いますが、低栄養が

過ぎる場合にはBUNの上昇を

伴わないこともあります。

 

独居の高齢男性が脱水になった原因の

検索が重要だと思います。また脱水や

栄養状態の補正をする際には、

KやPなどの電解質の補正も併せて行う

必要があります。

 

こういう患者さんにブドウ糖を含む輸液を

行うと低Kや低P血症を助長する可能性

があり、低Kによる心室頻拍(VT)や

心室細動(VF)、低Pによる横紋筋融解や

肝機能障害を呈する危険が高くなるので

注意が必要です。

(腎臓内科のベイマックス)

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平成31年3月2日(土) 3日(日) 

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合格祈願2019

2019.02.09
カテゴリー: 初期研修

今日と明日の2日間で

医師国家試験が行われています。

 

今まで何度も試験をくぐり抜けてきた

あなたなら充分知っていることですが、

試験は最後まで何が起こるか分かりません。

 

最後まで気を抜かないこと、

最後まであきらめないことが大事です。

 

現役のあなたも、そして2回目の

あなたも、必ず合格を手にしてください。

 

そして、春から一緒に臨床の現場で

人のために役立つ仕事をしましょう!

 

当院のスタッフ一同、あなたの合格を

心よりお祈り申し上げます。

   (編集長)

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◆第19回水戸医学生セミナー 

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平成31年3月2日(土) 3日(日) 

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内科地方会で発表してきました!

2019.02.07
カテゴリー: 初期研修

 2月2日に内科学会関東地方会で

2人の先生が発表してきました。

 

研修医1年目の高橋先生と、

腎臓内科で後期研修中の松永先生。

二人とも堂々としたプレゼンで、

座長の質問にも落ち着いて答えて

いました。

 

ちなみに腎臓内科の海老原先生

(副院長)も座長を務めており、

共同演者の椎名先生も含めての

記念写真 ?がこちらです。

↓↓↓

 

おそらく、あなたも学会発表デビューは

地方会になると思います。忙しい中での

発表準備は大変ですが、指導医が

ほとんどスライドを作ってくれて発表

だけ、というのでは勉強になりません。

 

症例発表といえ、数多くの文献を集め、

スライドを作って、想定される質問を

予想しながら原稿を作る。時間内に

終わるようにプレゼンの練習をして、

当日発表するという手順は、

これから何度もあるし、数をこなす

ほど上手になります。

 

今回も、文献の集め方やスライドの

作り方を指導医や先輩たちに

教えてもらいながら、まとめ上げて

いました。そしてせっかく発表したので、

次はケースレポートにまとめて雑誌に

投稿するまで、もうひと頑張りです。

(編集長)

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◆第19回水戸医学生セミナー 

~内科と救急のエッセンスを体験しよう~

 

平成31年3月2日(土) 、3日(日) 

2日間で開催します。

 

多発外傷患者が搬送されて来た時、

初めに何をしますか?

 

もし多数傷病者が発生する多重事故や

災害が発生した時、あなたが最初に

するべきことは何ですか?

 

大学では教えてくれない現場での対応を、

この「究極の体験型セミナー」で

身に付けてください!

 

現在参加者募集中です。

定員まで若干名の空きがあります。

お急ぎお申し込み下さい!!

 

開催概要はこちらから

http://www.mito-saisei.jp/resident/mitoigakuseiseminar19.html

 

 

◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

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P(リン)のお話・3

2019.02.05

今回は低P血症に関してです。

 

前々回のPの体内動態から考えて

わかるように、低P血症の原因も

①腎臓からの排泄増加

②腸管からの吸収低下

③細胞内への移行

に分けて考えることができます。

 

①腎臓からの排泄増加

 副甲状腺機能亢進症

 先天性疾患(骨軟化症、X連鎖性低P血症性くる病など)

 腎移植後

 薬剤(利尿剤、抗がん剤、グルココルチコイド、

 アセトアミノフェン、フェジン®)

 Fanconi症候群

 

②腸管からの吸収低下

 経口摂取低下

 ビタミンD不足

 慢性下痢

 P吸着剤

 慢性飲酒

 

③細胞内への移行

 呼吸性アルカローシス

 Hungry bone syndrome             

 糖尿病性ケトアシドーシスの治療中

 栄養失調やアルコール依存者への栄養補給

 白血病

 テオフィリン

 

などが挙げられます。

薬剤性のものとしてアセトアミノフェン

とありますが、こちらは中毒の際に

起こる可能性がある程度です。

 

フェジンでの低P血症に関してはPTHの

活性型ビタミンD産生作用の低下や

尿細管での再吸収の抑制が考えられて

います。

 

糖尿病性ケトアシドーシスの場合、

細胞内からPが細胞外へ移動して

いるため、濃度は正常に見えるが

体内のPが減少しています。その状態で

治療することにより低P血症を起こす

ことがあります。

 

急激なPの低下は横紋筋融解などを

引き起こす可能性もあるため、Pを補充

しながら治療することが必要です。

 

また外来で見かける軽度の低P血症の

中には、食後採血で細胞内にPが取り

込まれているだけのものもあるので

正確なPの値としては、空腹時が望ましい

とされています。

 

治療としては経口での摂取になります、

その際、乳製品などを積極的に摂取して

もらうように指導を行うこととなります。

 

1.0㎎/dl未満の高度の低P血症の場合には

リン酸Naなどを使用して経静脈的に

補正することになります。

 

ICUなどで高カロリー輸液などを行う際に

低P血症に気づかず行ってしまうと

肝機能障害などを起こすことがあるため

注意が必要です。

(腎臓内科のベイマックス)

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頭が真っ白になりました・・・

2019.02.04
カテゴリー: 水戸医学生セミナー

「冷静に考えればそんなに難しいこと

じゃないのに、あの場でいろいろ言わ

れると頭が真っ白になる・・・・。

できなかったことは悔しいけど学生の

うちに「知っているのとできるのは違う」

ってことに気が付けたのは大きな収穫

でした。」

 

 

これは水戸医学生セミナーでのメディカル

ラリーを終えた直後の参加者の言葉です。

ラリー中に、この医学生が何をしていい

のか分からず立ち尽くしていたので、

終了後にスタッフが「どうでした?」と

尋ねたらこの言葉が返ってきたそうです。

 

水戸医学生セミナーでのメディカルラリー

は医学生と研修医の4,5名が1チームと

なって、約20分間のラリー中にスタッフ

が演じる患者のトリアージ、診断、処置を

行い、その点数を競うものです。

スタッフは臨調感あふれる演技で、

参加者を戸惑わせます。

 

冒頭の医学生は、外傷患者を評価して、

それに続けて現場での処置をしようとして

いたのですが、別の傷病者役のスタッフから

「はやく何とかしてくれ!」と大声で

言われてしまったことで頭が真っ白に

なってしまったのです。

 

あなたが知識としては知っている、理解

していることでも、実際にやってみると

出来ないことは多くあります。

 

「そんなに難しいことじゃないのに・・・、」

と、「できない自分」と今のうちに対峙

しておくことは、これからの臨床の現場

に出ていくあなたにとって間違いなく

貴重な経験になります。

 

そんな

な経験ができる水戸医学生

セミナーのメディカルラリーに

ぜひ、あなたも挑戦してください!

 

参加者のラリーの感想は

・リアリティーを追及しており、とても

 楽しむことが出来た

・とても緊迫感があり、現実差があり勉強に

 なった

・大学の実習ではできない経験をたくさん

 得ることができた

・実際に体を動かすことの難しさを痛感した

・何もできなくて情けなく思ったが、本当に

 貴重な経験になった

 

 

水戸医学生セミナーは外傷を含めた

救急医療や身体診察を通した内科診断学、

言うなれば臨床における「動」と「静」

学べる究極の「体験型セミナー」です。

 

平成31年3月2日(土)と3日(日)の

2日間で開催します。

 

あなたも是非メディカルラリーに挑戦

してください!参加をお待ちしています! 

 

開催概要はこちら

 

第19回水戸医学生セミナーの

申込みはこちらのメールから

entry@mito-saisei.jp

 

メールには

・お名前

・大学名および学年

・住所

・携帯電話(前日や当日の連絡先)

 

以上を必ずご記入ください。

お申し込み後は、自動返信メールが

送信されます。

追って担当者からご連絡します。 

(編集長)

 

 

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P(リン)のお話・2

2019.02.02

今回は高P血症についてです。

ほとんどは低Ca血症に伴うもの

と言われていますが、高P血症の

原因としては

 

①腎臓からの排泄低下

②腸管からの吸収亢進

③細胞内からの移行

④偽性高P血症

に分けることができます。

 

①腎臓からの排泄低下

 腎機能低下

 副甲状腺機能低下症

 偽性副甲状腺機能低下症

 末端肥大症

 ビスホスホネート製剤

 

②腸管からの吸収亢進

 経口摂取の増加

 ビタミンD過剰

 

③細胞内からの移行

 二次性副甲状腺機能亢進症

 呼吸性アシドーシス

 腫瘍崩壊症候群

 

④偽性高P血症

 高γ―グロブリン血症

 高ビリルビン血症

 脂質異常症

 溶血

 

以上のような鑑別が挙げられます。

副甲状腺機能低下症と二次性

副甲状腺機能亢進症があるので

混乱があると思いますが、

副甲状腺機能低下症の場合には

腎臓からのP排泄にかかわるPTHが

不足するため高P血症となります。

 

一方、二次性副甲状腺機能亢進症

の場合には腎機能が廃絶している

ためPが排泄されず、PTHの作用

により骨からPが遊離するために

起こります。

 

臨床でよく見かける内服薬として

ビスホスホネート製剤もありますが、

こちらは近位尿細管からのP吸収を

増大させる作用があるため起こります。

 

治療としては食事からのP制限と

P吸着薬が基本となります。

 

食事のP制限に関しては乳製品や

たんぱく質を多く含むものの制限が

必要になることが多く、いつも

栄養士さんが良く指導をしてくれます。

 

おなじ肉でも鶏肉のほうが牛肉より

Pの含有率が低いなど食材の工夫も

必要になります。

 

P吸着薬に関してはいくつか種類が

あり、Ca系、Fe系、ポリマー系、Rn系

などがあります。透析をしているか

どうか、Caやi-PTHなどのホルモンも

含めて個々の患者さんに合わせて

どの薬剤を選択するのかを検討する

必要があります。

 

またP低下作用の強さや副作用なども

それぞれ違いますし、内服のしやすさ

なども検討する必要があります。

 

次回は低P血症について紹介します。

 (腎臓内科のベイマックス)

 

病棟での一コマ

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◆第19回水戸医学生セミナー 

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