臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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抗菌薬の整理法3  松永先生のカンファより

2018.07.07

松永先生の感染症カンファから

イイところを紹介しています。

 

前回までは、抗菌薬表の利用と

第1世代および第2世代セフェム系

抗菌薬の特徴を紹介しました。

 

今回は第3世代セフェムです。

 

第3世代セフェムの特徴は

・グラム陰性桿菌により強い

・サルモネラ菌、赤痢菌にも効く

・髄液移行性が良い

この3点です。

 

よく使う状況としては

尿路感染症、肺炎、髄膜炎ですね。

 

代表格は

セフトリアキソン(CTRX) 

  (先発品)ロセフィン

セフォタキシム(CTX) 

  (先発品)セフォタックス

セフポドキシム(CPDX) 

  (先発品)バナン

 

さらに緑膿菌をカバーする

セフタジジム(CAZ)

  (先発品)モダシン

を第3世代に含めることもあります。

 

ただし、セフタジジムは注意が必要です。

緑膿菌をカバーしますが、グラム陽性球菌

への効力は失われています。

 

具体的には、市中肺炎で必ずカバーを

すべき肺炎球菌に効かないので、

Empiric therapyの際に用いるのは危険です。

 

抗菌薬表にすると、こんな感じです。

(編集長)

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◆レジナビフェア2018でお会い

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抗菌薬の整理法2  松永先生のカンファより

2018.07.05

松永先生の感染症カンファから

イイところを紹介しています。

 

苦手な人が多い抗菌薬についてですが、

抗菌薬を勉強する時のポイントは

「この菌に有効な抗菌薬が何なのか?」

をおさえることです。

 

前回は抗菌薬表を利用すること、

そして第1世代のセフェム系抗菌薬を

紹介しました。

 

今回は第2世代セフェムです。

 

第2世代セフェムの特徴は

・グラム陰性桿菌のカバーを少し広げた

 インフルエンザ桿菌、モラクセラ・カタ

 ラーリスをカバーするので市中肺炎に

 使える

・腸内細菌科のカバーを少し広げた

 この2点です。

 

第2世代セフェムには

・セフォチアム(CTM)

 パンスポリン(先発品)

 

・セファクロール(CCL)

 ケフラール(先発品)

 *第1世代に分類されることもあります

 

これらが代表的な薬剤ですが、他に

2つのグループがあります。 

 

・セファマイシン系

 セフメタゾール(CMZ)

・オキサセフェム系

 フロモキセフ(FMOX) 

 フルマリン(先発品)

 

セファマイシン系とオキサセフェム系は

第2世代セフェム+嫌気性菌

セフェム系では苦手な嫌気性菌を

カバーします。

 

 

さらにセファマイシン系は特徴的な副作用が

あるので覚えておきましょう

・VitK欠乏による出血傾向

・アンタビュース作用(嫌酒作用)

 

抗菌薬表にすると、こんな感じです

次回もセフェム系を紹介していきます。

(編集長)

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抗菌薬の整理法1  松永先生のカンファより

2018.07.03

6月28日に松永先生の感染症カンファが

開催されました。

 

10年目に突入した当院にとって無くては

ならないカンファの一つです。

 

 2回目のテーマは「微生物・抗微生物薬」

 

感染症診療の基本を確認しながら、

抗菌薬を一気に勉強しました。

 

抗菌薬はよく使っていますが、きっと

あなたも苦手なはずです。

 

その理由の一つはカルテや会話の中で

一般名、商品名、記号をごちゃごちゃに

使っているからかもしれません。

 

例えば、

一般名:セフトリアキソン

商品名:ロセフィン(先発品)

    セフィローム(後発品)

記号:CTRX

といった具合に、同じ抗菌薬なのに

いろいろな言い方があります。

 

最近は後発品の場合は一般名が

入っていることが多いようですが、

やはり面倒で苦手意識に

拍車をかけている気がしています。

 

まずは一般名と記号で覚えるのが

いいと思います。

 

さて、抗菌薬を勉強する時のポイントは

「この菌に有効な抗菌薬が何なのか?」

をおさえることです。

 

ここで抗菌薬表を利用すると

スッキリして分かりやすくなります。

さらに個々の菌名を覚えるのではなく、

菌をグループで覚えた方が理解

しやすいと思います。

 

昨年の記事で、ペニシリン系の

抗菌薬表を紹介しました。

菌の分類についても紹介しているので、

ぜひご覧ください。

https://ameblo.jp/mitosa-re/entry-12289422459.html

 

 

さて、今年はセフェム系抗菌薬を

紹介していきます。

 

ご承知のとおり、セフェム系は

第1世代から第4世代に分類されて

いますが、それぞれの世代の特徴と

代表的な薬剤を一つか二つを

覚えれば大丈夫です。

 

まずは第1世代セフェムから。

 

何と言ってもセファゾリン(CEZ)です

商品名はセファメジン(先発品)。

 

内服薬ならセファレキシン(CEX)

商品名ではケフレックスです

 

特徴はグラム陽性球菌、特に

ブドウ球菌や連鎖球菌に強い。

 

しかし腸球菌には効きません

グラム陰性桿菌のH.Fluには

効きませんが、グラム陰性桿菌の

PEK(Proteus, E.coli, Klebsiera)に

OKのこともあります。

ただし抗菌活性は強くない。

 

抗菌薬表にすると、こんな感じです

次回もセフェム系を紹介します。

(編集長)

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