臨床研修ブログ

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小児の脱水と臨床徴候・・・・第26回鑑別診断道場より

2018.12.11

第26回鑑別診断道場の特別講演からです。

鈴木先生から小児の脱水に関する話題も

ありましたのでシェアします。

 

いきなりですが、あなたに質問です。

小児の脱水の評価に一番良いのは何でしょう?

答えは「体重」です。

 

軽度~中等度の脱水は、体重の3%~9%の喪失

重度の脱水は、体重の9%を超える喪失

とされています。

 

具体的に考えてみると、

例えば体重12㎏の小児

(だいたい2、3歳ごろ)なら

3%の喪失は360g

6%の喪失は720g

9%の喪失は1080g

となります。

 

普段の体重を親に聞いて、もし500g減っていたら

中等度の脱水ということになります。

大人の感覚だと500gくらいは何てことないと

思ってしまいますが、要注意ですね。

 

臨床徴候は以下のようにまとめていただきました。

 

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆病院見学に来ませんか?

どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ冬休みを利用して、当院へ見学に

お越しください。あなたの目でリアルな

研修生活をのぞいてみて下さい。

 

病院見学や、その他のご質問・お問い合わせは

こちらからご連絡ください。

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

 

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鑑別疾患のあげ方 その2

2018.12.08
カテゴリー: 初期研修

前回に引き続き鑑別疾患のあげ方を

紹介します。編集長が勧める鑑別疾患

の挙げ方は2つ。

 

一つ目は病因から攻める方法

二つ目は解剖学的に攻める方法です。

今回はこの解剖学的に攻める方法を

紹介します。

 

例えば「胸痛」の鑑別をあげてください

と言われたら、あなたはいくつ鑑別を

あげられますか?

 

狭心症、心筋梗塞、大動脈解離・・・・、

これで終わりなんてことはないと思いますが、

病名を覚えていても、すぐに思い出す

のは難しいですよね。何かと紐づけ

しておくと、思い出しやすいものです。

 

この時、解剖学的に近い臓器や組織を

考えていくと思い出しやすくなります。

 

具体的には

皮膚:帯状疱疹

 

乳房:乳癌、乳腺炎

 

:肋骨骨折、圧迫骨折、骨転移

 

筋肉:筋肉炎

 

肺(さらに胸膜、肺胞、間質、気管支、

気管と分けて考えましょう)

気胸、胸膜炎、肺癌、肺炎、気管支炎

 

心臓(冠動脈、心外膜、心筋、弁)

狭心症、心筋梗塞、急性心外膜炎、

心筋炎、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症、

 

大血管(大動脈とその分枝、大静脈)

大動脈解離、大動脈瘤破裂

 

縦隔:縦隔炎、縦隔気腫、縦隔腫瘍

 

食道:逆流性食道炎、食道破裂、食道腫瘍

 

:胃炎、胃潰瘍、胃癌

 

肝臓:肝膿瘍、肝腫瘍

 

胆嚢・胆道:胆石、胆嚢炎、胆管炎

 

甲状腺:甲状腺炎

 

神経:肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛

 

横隔膜:横隔膜下膿瘍

 

まだまだあると思いますが、このように

解剖学的に近いものを順に頭に浮かべて、

それに関する疾患をあげていくと

意外とたくさん出てきますね。

 

臨床の現場では、前回紹介した

VINDICATE!!!+Pと、この解剖学的に

攻める方法を無意識に組み合わせて

鑑別疾患を考えていると思います。

 

医学生や研修医のうちは、鑑別疾患を

たくさんあげるトレーニングを意識しましょう。

と同時に、鑑別疾患を広げるだけでなく、

目の前の患者さんの診断に至るように

鑑別を絞り込むトレーニングも大事な

ことを忘れないようにして下さい。

(編集長)

こちらも中学生の職場体験の一コマ

・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆病院見学に来ませんか?

どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ冬休みを利用して、当院へ見学に

お越しください。あなたの目でリアルな

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鑑別疾患のあげ方 その1

2018.12.06
カテゴリー: 初期研修

もう12月に入りました。

当院では今月から新しい科に

ローテーションした研修医も多く、

まだ落ち着かない様子ですね。

やはりローテーションすると、

慣れるまで2週間ほどかかります。

あせらず行きましょう。

 

さて、今日は鑑別疾患の挙げ方に

ついて紹介します。

 

鑑別疾患を思い浮かべながら

診療に当たらないと、すぐに

袋小路にハマっています。

 

例えば発熱患者はみんな肺炎か

尿路感染症、胸痛の患者はみんな

狭心症。腹痛の患者はみんな

便秘か胆石発作と診断してしまう・・・。

 

あなたも経験があるはずです。

 

編集長が勧める鑑別疾患の挙げ方は

2つあります。

 

一つ目は病因から攻める方法

有名な VINDICATE!!! + P

(ヴインディケイト+P)です。
 

二つ目は解剖学的に攻める方法です。

 

今回はVINDIVATE!!!+P

(ちなみに!!!にも意味があります)を

紹介します。

V:Vascular (血管系)
I:Infection (感染症)
N:Neoplasm (良性・悪性新生物)
D:Degenerative (変性疾患)
I:Intoxication (薬物・毒物中毒)
C:Congenital (先天性)
A:Auto-immune (自己免疫・膠原病)
T:Trauma (外傷)
E:Endocrinopathy (内分泌系)
!:Iatrogenic (医原性)
!:Idiopathic (特発性)
!:Inheritance (遺伝性)
P:Psychogenic (精神・心因性)

 

これは有名なティアニー先生が

紹介していたものですが、すごい

ところは全ての疾患が網羅されている

ところです。もともとティアニー先生が

病理学をやっていたので、こんな

アプローチに至ったと聞いたことが

あります。

 

原因が良く分からない、どこに

とっかかりを求めればいいのか

わからない、そんな時に呪文を

唱えながら鑑別を考えてみて下さい。

 

次回は解剖学的に攻める方法を

紹介します。

(編集長)

中学生の職場体験での一コマ

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実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

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なぜアメリカへ?

2018.12.04

当院で初期研修を行い、引き続き

腎臓内科医として活躍中の郡司先生が、

3か月という短い期間でしたが

アメリカに留学してきました。

 

郡司先生は腎臓内科医のはずですが、

透析のシャント(=VA:Vascular access)

に精通しており、医師向けの講習会で

タスクフォースを務めるなど若手ながら

活躍中です。

 

そんな郡司先生が、VAのことをもっと

勉強するためにアメリカに行ってきました。

 

これから何回かに分けて郡司先生の

記事をアップしていきますが、

「コネなしからどうやってアメリカに

行けたのか?」とか、「アメリカの病院の

ホントのところ」など、面白い内容に

なっています!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

私はミズーリ州セントルイスという

アメリカの真ん中あたりにある、

Washington University(WASU)に

Observershipという形で短期滞在

してきました。

 

日本では腎臓内科なのですが、こちらには

血液透析に必要なvascular access(VA)の

管理や手術などをみるために移植外科に

行きました。

 

学生のころから、海外にいくことなど

みじんも思っていなかった自分なので、

もちろん英語もYoutubeであいさつを

覚えるくらい。またUSMLEも持っていません。

 

ただ、自分の今後を考えたときに、

人生において海外を見る機会は今しか

ないのではないかと思ったのです。

日本の中での研鑽はこれからも

していかなければなりませんが、

海外に関しては、若いうちに見ておいた

方が自分にとっても良いのではないかと

考えました。そして、周囲の方々の

本当に理解のある応援もあり、

幸運にもWASUに行くことができました。

みなさんに本当に感謝しかありません。

 

VAの管理や手術成績などに関しては

日本が一番成績がよいとされています。

日本では中心静脈カテーテルを使用した

透析患者さんは世界と比べて少なく、

自己血管を使用したVAの比率も高く、

開存成績もよいのです。

 

しかし、アメリカは人工血管を使用した

VAや中心静脈カテーテルを使用した

VAが多く、社会的にも問題となり自己血管

によるVAを推奨する運動も行われている

くらいです。

 

このような状況なのに、なぜ自分は

アメリカを見てみたいと思ったのか

というと、今でも多くの外科系の医師は

アメリカに渡り研鑽を積まれる方がいる

ほど技術的には高いはずなのに、

なぜ開存成績なども含めて違いが

できてしまうのかを実際に見てみた

かったのです。

 

治療法、管理の仕方、スタッフ、患者の

理解度など、文献を見ているだけでは

伝わってこない実際を見てみたくなり

ました。

(郡司)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

次回はどうやってWASUに行くことに

なったのかを紹介します。

お楽しみに。

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HIVで知っておくべきこと・・・・松永先生のカンファより

2018.12.01

少し前になってしまいましたが、

11月に松永先生の感染症カンファが

開催されました。今回のテーマは

「HIV」でした。

 

正直なところ当院でHIVに遭遇することは

非常に少ないです。でも、そのために

HIV治療の進歩についていけていない

ところがあります。

 

つまり我々が間違った理解している、

さらにそれに気づけていない危険が

あるのです。そういう点で松永先生

のレクチャーは重要です。

 

今回のレクチャーではHIVに関して

非専門家が知っておくべきことを

下記にまとめていただきました。

 

・HIV感染症は長期生存可能な疾患である

・良好にコントロールされているHIV感染者は

 「免疫不全者」ではない

・良好にコントロールされているHIV感染者が

 他者へHIVを感染させるリスクは非常に小さい

・不用意な治療中断は時に重大な結果を

 もたらす

・一部の抗HIV薬は高度の薬物相互作用を

 有する

・針刺し事故時に予防内服が有効である

・事故後の服薬開始はできるだけ早い方

 が良い

・HIV感染症の専門家は決して相談を

 嫌がらない 

 

次回からこれらについて紹介していきます。

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・

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