臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

BLPARとBLNAR、BLPACR

2020.09.05

感染症で苦手意識をもつ理由に

たくさんの略語があります。

 

知っていれば、なんてことないの 

ですが、抗菌薬の略語だけでも

たくさんあるのに、PRSPとか

ESBLとか、ごちゃごちゃしてきますよね。

 

今回はMeguがBLNARのことをまとめて

くれました。

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BLNAR (β-lactamase negative 

ampicillin resistance)
インフルエンザ桿菌は、その耐性機序

により4つに分類される。

 

元々のインフルエンザ桿菌はアンピ

シリンが有効であった。しかし抗菌薬の

使用によってβラクタマーゼ産生の

インフルエンザ桿菌(BLPAR:β-lactamase

 positive ampicillin resistance)が出現した。
 

BLPARに対しては、ABPC/SBTが有用で

あったが、次にペニシリン結合タンパク

そのものが変異した耐性株が出現した。

これがBLNARである。

 

BLNARはアンピシリン、第二世代セフェム

にも耐性を持つため、これを疑う場合は

BLNARにもBLPARにも有効な第三世代

セフェム(CTRXなど等)を使用する。
 

さらに、βラクタマーゼを産生するにも

かかわらず、βラクタマーゼ阻害薬の

クラブラン酸が効かない耐性株も出現

している(BLPACR= β-lactamase 

positive ampicillin-clavulanate resistant)
 

BLPACRの報告数はまだ少なく、治療が

確立されていないが、CTRXに感受性の

ある株が残っているとの報告もある。

(Megu)

PICCはお任せ♪

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Legionella肺炎

2020.09.03
カテゴリー: カンファレンス 内科

レジオネラは1976年に米国の

在郷軍人会にて肺炎の集団発生が

あったことから、かつては在郷軍人病

とも呼ばれていた。

 

レジオネラ菌は土壌、河川、湖沼等に

生息しているが、通常は感染の危険が

あるほどの菌数はない。しかし、24時間

風呂や循環式の給湯器やクーラー等で

爆発的にに増殖することがあり、集団

感染を引き起こす。

 

国内では例年7月を中心に報告が

増加しており、季節変動が比較的明確

である。高齢(50歳以上)、喫煙、大量飲酒、

肺疾患、免疫機能異常などが感染の

リスク因子となる。
 

レジオネラ肺炎の潜伏期は2-10日程度

であり、初期には湿性咳嗽の他に発熱、

食欲不振、頭痛、消化器症状など様々な

非特異的症状を呈するため、症状のみ

ではレジオネラ症の診断は困難なことが

ある。

 

診断にはイムノクロマト法による尿中抗原の

検出が最も簡便である。この他には遺伝子

検出、ペア血清による抗体価上昇等で

診断可能である。
 

レジオネラ肺炎は感染症法の4類に

指定されるため、診断後は直ちに保健所に

届け出が必要である。
 

治療は、レジオネラ菌は細胞内寄生細菌

のため、宿主細胞に浸透するニューキノロン、

マクロライドなどを使用する必要がある。

重症例ではこれらの併用も行われることが

あるが、議論のあるところである。

(Megu)

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【お知らせ】病院見学受け入れ再開について

2020.09.01
カテゴリー: 初期研修

地域でのCOVID19の感染拡大に伴い

8月初めから病院見学の受け入れを

中止していました。

 

その間に、院内でも患者が発生する

など、当院も大きな影響を受けましたが、

ようやく落ち着きを取り戻しつつあります。

 

これに伴い、

病院見学の受け入れを

9月14日(月)から再開

することとしました。

 

以前は、患者数の多い地域(東京、

埼玉、千葉、神奈川)で、直近2週間

以内に滞在していた方はご遠慮いた

だいていましたが、今回は地域による

制限を設けず、1日の受け入れ人数を

制限するなどで対応いたします。

 

しかし、体調不良時や濃厚接触が

疑われる場合は、直前であっても

キャンセルをお願いします。

 

また当院や地域の感染状況により

予告なく受け入れ中止とすることが

ありますので、ご理解いただくよう

お願い致します。

 

なお、このブログでは引き続き、

当院研修医の活躍や勉強ネタを

アップしていきますので、忘れずに

チェックしてください!

(編集長)

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