栄養療法は大きく静脈栄養(PN)
と、経腸栄養(EN)に分けられます。
さらに静脈栄養は末梢静脈栄養
(PPN)と中心静脈栄養(TPN)に
分けられます。
◎末梢静脈栄養(PPN)
peripheral parenteral nutrition
<主な適応>
・入院前の栄養状態が比較的
良好で早期に経口摂取再開が
期待できる場合
・経口摂取、経腸栄養における
補充目的
・CV留置が危険な場合(自己抜去、
重症菌血症等) など
<用いる製剤>
・糖質濃度10%程度の溶液→5%以下
ではエネルギーにならない
・脂肪乳剤→用量あたりのエネルギー
量が高く、浸透圧下げられる
・アミノ酸製剤→糖質のみでは
異化亢進してしまう
<注意点>
・高浸透圧(高カロリー)輸液は
不可(→静脈炎を起こす)
・長期に行うと中途半端な栄養
となりかえって栄養障害をきたす
・また輸液ルートも2週間程度で
差し替えが必要(→苦痛が伴う)
・カリウムなど血管刺激性高い
電解質の多量投与には不向き
◎中心静脈栄養(TPN)
total parenteral nutrition
<主な適応>
・経腸栄養が不可能、もしくは
必要な熱量に達さない場合
・末梢静脈栄養が長期化、もしくは
熱量不足や水分制限が必要な場合
→中心静脈カテーテルを使用し投与する
<用いる製剤>
・高カロリー製剤→おおよそ3-4日間
で目標熱量に到達させる
・アミノ酸製剤
・脂質(PPN投与が多い)→急性
脂質異常や膵炎に注意
・ビタミン/微量元素→長期では
鉄やセレン欠乏に注意
<注意点>
・代謝性合併症: 血糖上昇、電解質
異常、refeeding症候群など
・消化器系異常: 糖質過剰による
肝機能不全、消化管萎縮による
免疫低下(細菌増殖)など
・カテーテルトラブル: CRBSI
◎経腸栄養(EN)
eternal nutrition
<主な適応>
・重症患者の栄養療法における
第一選択→可能な限り早期から
開始(経口、経鼻胃管、胃瘻など)
・静脈栄養よりも感染症発生リスクの
低下、ICU滞在日数の減少が
示されている
→IgAの産生や、bacterial trans
-locationの予防
※死亡率低下は証明されていない
<注意点>
・腸閉塞や消化管穿孔、浮腫に
よる腹腔内圧上昇例では使えない
・嘔吐/下痢やrefeeding症候群、
NOMIなど様々な合併症を生ずる
次回は栄養療法の実際の考え方に
ついて取り上げます。
(Dr.K)
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