臨床研修ブログ

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低ナトリウム血症の対処4

2018.08.25

低Na血症の鑑別を紹介して

きましたが、改めて最初に提示した

症例に戻ってみましょう。

 

症例は70歳代の男性

8年前に陳旧性心筋梗塞による心不全で

入院歴あり。その後は心不全での入院や

狭心症状もなく経過。

冠危険因子は糖尿病、高血圧、脂質異常症。

内服薬はフロセミドとスピロノラクトン

ARBとβ遮断薬、スタチン、抗血小板薬、

メトホルミン、DPP4阻害薬でした。

 

ある日の外来で、

Na117mEq/lと著明な低Na血症を指摘。

この時の血糖は189㎎/dl、HbA1cは6.9%

2か月前の採血ではNa136mEq/lと

正常範囲でした。バイタルは問題なく、

特に倦怠感の訴えも意識障害もなしでした。

 

低Na血症を見た時は

・血症浸透圧

・尿浸透圧

・随時尿での尿中Na濃度

この3つをオーダーして、さらに

患者さんの体液量を評価します。

 

この症例では

血漿浸透圧は239mOsm/l

尿浸透圧は194mOsm/l

尿中Naは49.7mEq/l

体液量は正常でした。

 

前回のフローチャートを見ていくと

・SIADH

・甲状腺機能低下症

・副腎不全

が鑑別になります。

 

ところが、フロセミドを内服していると

尿中Naは高値になります。

 

患者さんも元気で食事もとれていたので

甲状腺と副腎の採血を追加して、

さらにフロセミドの内服中止の指示を

出して3日後に外来で採血フォローを

することにしました。

 

その3日後、採血してみると

Naは118mEq/lと変わりありませんでした。

尿中Naも同様に32mEq/lと高値のままで、

さらに甲状腺機能低下も副腎不全も

否定されました。

 

となると診断は・・・、SIADH

 

今までずっと外来でフォローしてきた

患者さんが、いきなりSIADHになって

しまった??

 

さて、あなたなら次はどうしますか?

考えてみて下さい。

(編集長)

 

ベッドサイドでの診察風景

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◆病院見学はもうお済みですか?

どうやって研修病院を決めたらいいのか

分からない・・・。

 

それには病院見学をするのが一番です。

さらに直接研修医から話を聞くのがベストです。

実際に見学に行くと、想像以上に雰囲気が

違うことに気づくでしょう。

 

ぜひ夏休みを利用して、当院へ見学に

お越しください。あなたの目でリアルな

研修生活をのぞいてみて下さい。

 

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