臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
「先生、酸素始めますか?」
あなたがER当直をしている時でした。
ようやくERの患者が途切れた夜中に
病棟からあなたのPHSにコールが
来ました。
「先生、肺炎と心不全で入院中の
87歳の○○さんですが、SpO2が
80台に下がっています。酸素始め
ますか?」
と言われました。
確か、この患者さんは先週入院して、
今はだいぶ改善していたはず。
そろそろ退院について
家族に話をしていた患者さんです。
調子がよかったはずなのに
さて、何が起こったのでしょう?
そして何を確認すればいいのか?
ちょっと考えてみて下さい。
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編集長なら、まず看護さんにこう尋ねます。
「SpO2下がっているけど、本人の様子は
スヤスヤ寝ていますか?」
苦しそうなら、まず心不全の悪化を考えて
すぐに病棟に向かい、本人の呼吸状態や
バイタルを確認します。
必要なら夜中でも胸部レントゲンや
血ガスをチェックします。
でも、スヤスヤと寝ていたら
何を考えればいいでしょう?
ここで編集長が真っ先に考えたのは
チェーンストークス(Cheyne-Stokes)呼吸
です。
チェーンストークス呼吸とは
呼吸が段々と深くなり、また段々と浅くなり、
最後には無呼吸になる。そしてまた
浅い呼吸が始まり段々と深くなる、
という周期を繰り返す呼吸です。
1周期はだいたい1~2分くらいで、
繰り返すため「交代性無呼吸」とも
呼ばれています。睡眠時など
覚醒レベルが低下している時に
出現し、脳梗塞後や心不全、肺炎の時
などによく見られます。
冒頭の患者さんは、高齢で心不全の
方ですからチェーンストークス呼吸が
あってもおかしくありません。
無呼吸や呼吸が浅い時にSpO2を測れば、
当然低下しています。
対応の基本は原疾患の治療なので、
この場合、「スヤスヤ眠っている」
=「心不全の悪化は来していない」
と考えて、そのまま経過観察でOKです。
ところで、看護師さんに
「・・・・しなくてイイですか?」
と言われると、何かしないとマズい気に
なってしまいますよね。
なのでつい、あまり根拠もないのに
「じゃ、お願いします」と言ってしまい
がちです。
もちろん編集長も何度もやったことが
ありますが、看護師さん達に分かって
もらえるように説明して、必要のないことは
「必要がない」と言えるようにしましょう。
(編集長)
ERで蘇生後、これからICUに向かいます
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