臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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心臓の聴診その4 山中克郎先生のレクチャーから
前回までは聴診器を当てれば気づける
心雑音としてASとMRを、そしてちょっと
慣れると聞き取れるARについて紹介
しました。これらの心雑音は、臨床で
遭遇する頻度が高いので、ぜひ聴き
とれるようなって欲しいですね。
さて、どんな雑音なのかは山中先生に
教えてもらったデモでクリアできましたが、
そもそも聴診器をどこに当てれば
よいのでしょう?
もし当てる位置が違っていたら、マズい
ですよね。今回はそのあたりを
整理してみます。
聴診器を当てる位置は、下の図のように
ポイントは5か所です。
①胸骨有縁第2肋間(2RSB)
大動脈弁および大動脈の音が
最も強く聴取される
②胸骨左縁第2肋間(2LSB)
肺動脈弁および肺動脈の音が
最も強く聴取される
③胸骨左縁第3肋間(3LSB)
Erb(エルブ)領域とも言われ、大動脈
および肺動脈由来の音が聴取される
④胸骨左縁第4肋間(4LSB)
三尖弁および右室の音が
最も強く聴取される
⑤第5肋間と鎖骨中線の交点(5LMCL)
心尖部領域とも言い、僧帽弁と左室の
音が最も強く聴取される
ここで注意点ですが、MRなど僧帽弁
由来の心雑音は、5LMCLに聴診器を
当てれば聴くことができます。
ところが、大動脈弁由来の雑音は
下の図のように、思っているより
広範囲で聴取されます。
時に胸骨付近では弱いか、聴取できない
のに、心尖部付近で聴取されることがあり、
Gallavardin現象と言われます。
Gallavardin現象は、編集長も何度か
騙された?経験がありますが、MRと
非常に紛らわしいので、知っておくと
役に立ちます。
(編集長)
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