臨床研修ブログ

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救命救急センターだより「人工呼吸器の管理」

2022.11.12
カテゴリー: 救命救急センター

寒さが一段と厳しくなってきましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

当院のICUはsemi closed型の運用となっており、術後などは主科で管理していますが、呼吸器やCHDFが必要になる症例など集学的治療を要する場合は救急科が管理を行っています。

 

長期呼吸管理をする場合は複雑な病態の患者さんが多く、なかなか研修医の先生が手出ししにくく、ショックや痙攣などBの異常以外の理由で挿管した場合の呼吸管理は短期間になることが多いことから、なかなか研修医の先生が人工呼吸器の管理を覚えるチャンスが少ないのが実情です。

 

そんな中でも、救急科のメーリングリスト(救急科はシフト制のため、その日の救急症例やICU症例の状態について毎日報告しあっています)では人工呼吸器の管理などについての情報もまわり、これは「研修医の先生が勉強になる症例」と位置付けるなどして研修医の先生に学んでもらうチャンスを作っています。研修医の先生たちも、難しい症例でも一生懸命勉強しながら管理を考えてくれていて頼もしいです。

 

人工呼吸器の管理は、自分がちゃんと勉強したのはコロナの管理のためで、当院はコロナの重症専用病棟を持っていたので、2020年4月から多数の呼吸器およびECMO患者さんを管理してきました。それまではショックや膵炎の患者さんの呼吸状態悪化したときの管理くらいしかやってこなかったのでまだまだ学ぶべきところがたくさんあります。

 

そんな中で今回研修医の先生向けに、指導医の先生方がいろいろな情報を流してくれているのですが、僕も勉強になった話を一つお伝えします。

 

人工呼吸管理をする場合、人工呼吸管理に至った理由をしっかり明確にしておくことが重要です。

 

心不全、肺炎、ショック、気道閉塞、手術・処置のための挿管、鎮静、意識障害、呼吸筋など理由は一つではないかもしれませんが、何のための呼吸管理なのか。何のための呼吸管理なのか明確にすることで、自動的に呼吸管理の予測期間、goalなどが定まってきます。

 

例えば、処置のための挿管であれば処置が終わればもう抜管してよいわけです。呼吸に問題があるわけではありませんので。呼吸筋の問題は神経難病によるものがほとんどでしょうが、呼吸器離脱できるとしても時間がかかる可能性が高いので、早期に気切し覚醒し呼吸リハを開始していく必要があります。

 

呼吸器だけにかかわらないですね。何のために何をしているのか、goalをどうするか、それを見定めることは医療だけでなく、日々の生活でも必要なことかもしれません。

(Nao)

重症患者搬送直後のER!

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