臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
インスリンを処方する時に覚えておくべきこと
病棟で看護師さんから「インスリンがもうなくなるので処方して下さい」と言われました。つい2日前にその患者さんに処方した記憶があるけど・・・、と思いつつ言われた通りに処方しましたが、どうもスッキリしません。
ちなみにその患者さんは、入院前には3種類の経口糖尿病薬を処方されていましたが、今回は肺炎で入院して、血糖コントロールが悪化していたのでインスリン強化療法を行っていました。具体的にはノボラピッド朝14単位、昼10単位、夕10単位とグラルギンを眠前に12単位で打っています。実は2日前に処方したのはグラルギンで、今日言われたのはノボラピッドの方でした。
さて、あなたはグラルギンが何日で無くなるか、ノボラピッドは次に何日後に処方しなくてはいけないか、分かりますか?
研修医に聞いてみると、たいてい答えが返ってきません(笑)。でも難しくないので、覚えておくと便利です。
患者さんが使うインスリンには、プレフィルドタイプとカートリッジタイプの2種類がありますが、いずれも1本あたり300単位入っています(ランタスXRという製剤のみ450単位入っています)。そして、インスリンを1回打つごとに、空打ち分として2単位必要になります。
つまり、1回打つたびに「打つ単位数+2単位」必要になることを覚えておけば大丈夫です。
冒頭の例で考えると・・・・、
グラルギンは1日1回12単位ですから、1日あたり12+2=14単位を使用することになります。グラルギン1本に300単位入っていますから、300÷14=21日分ということになります。
ノボラピッドでは、1日3回で14+10+10=34単位となりますが、空打ち分として毎回2単位ずつ必要になるので2×3=6単位
つまり1日あたり34+6=40単位を使用することになります。ノボラピッドも1本に300単位入っていますので、300÷40≒7日分ということになります。
そうなると、グラルギンは3週間に1本処方、ノボラピッドは1週間に1本処方でOKということになります。
またインスリンの際に必要な注射針についても簡単です。当院で採用されているナノパスニードル®は1パックに14本入っているので、インスリン強化療法(=1日4回打ち)をやっている時は、2パック処方すれは1週間もつことになります。
これらを前もって処方しておけば、看護師さんからのPHSが減ることになりますので、ぜひ覚えておいてください。
(編集長)
病棟で看護師さんと情報共有
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆春休みは病院見学に来ませんか?
当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?どんな生活を送っているのか?あなたの目で確かめてみてください!
病院見学をご希望の方は、下のフォームからご連絡ください。
なお、病院見学がむずかしい時は、Zoomで個別説明会を行っていますので、下のフォームに「Zoom希望」と記入してご連絡ください。
↓
https://recruit-mito-saisei.jp/entry
◆専門研修ブログもご覧ください!
当院には基幹型内科専門研修プログラムがありますが、その強みは消化器内科、循環器内科、腎臓内科の診療体制です。あなたも最短で内科専門医、そして施設を異動することなくサブスペシャルティ専門医と関連する各種の資格を取得できます。そんな内科専門研修プログラムを紹介するブログもぜひご覧ください。
↓