臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
新年のご挨拶 2019
ブログ読者のみなさま
明けましておめでとうございます。
本年もこのブログを、どうぞ
よろしくお願い申し上げます。
昨年も、その前も新年最初のブログに、
将来計画に関する記事を載せました。
↓
今回はこの1年の計画、具体的には
ローテーションについて書こうと思います。
当院ではこの時期に、新年度の
ローテーションの調整を始めています。
J1たちに話を聞いて、2年目のローテー
ションを決めるわけです。
ご存知の通り、初期研修には必修科目が
あって、内科6か月、救急3か月、地域1か月
です。(これは2020年度から変更になり、
上記に加えて小児科、外科、産婦人科、
精神科が必修になります)
この条件をクリアしたうえで、出来るだけ
それぞれの希望に沿った形にしていきます。
面白いことに、希望を聞いていると
大きく2つのパターンがあることに気づきます。
一つは、自分の希望診療科を決めていて、
それに関連する診療科のみをローテー
ションしたい人。
もう一つは、いろいろ勉強したくて、
1か月ごとにマイナー科も含めて
たくさんローテーションしようとする人。
どちらが良いとか悪いとかではありませんが、
2年間の初期研修の目的は「プライマリケア」
ですから、バランスの問題だと思います。
関連する科だけローテーションは
一見効率的ですが、どこまでを関連すると
言えるのかは曖昧です。結局のところ
自分のやりたいことだけになって
しまわないかが心配な点です。
例えば、外科を考えてい研修医が
いたとしましょう。内科的なことは
どうも苦手で、特に糖尿病とか
透析は良くわからない・・・。
でも糖尿病や透析患者さんの手術を
しない訳に行きません。どう管理するのか
まで出来なくとも、透析患者さんは何に
注意して腎臓内科医に相談すべきなのかは
初期研修医のうちに修得できます。
病院を受診する患者さんの背景は
じつに様々ですから、多くの合併疾患を
抱えている高齢者で、どの診療科が
イニシアチブを取ればいいのか?
このような時は、いろいろな診療科を
ローテーションしていた方が、各科の
事情も分かるし、相談しやすくなります。
一方、いろいろな診療科を1か月ごとに
ローテーションしても、知識も手技も
果たして身に付けられるのか?とも
思ってしまいます。
もちろん、知らないよりはいいですが、
臨床はそんなに甘くありません。
やった気になっただけでは、あなたも
患者さんも不幸です。
ということで、当院では
・目標はプライマリケアの習得
・1診療科を、できれば2か月以上
・希望の診療科が決まっているなら、
パートナーとなる科のローテーション
を勧める(例えば、消化器内科希望なら
消化器外科の研修を組み込む)
これらを基本方針にして相談しています。
今後は2020年度から必修科が増えるので、
この方針通りに行かない場面がふえる
かもしれませんが、初期研修でさまざまな
症例を経験して、その後の専門研修でも
当院の研修目標である、
「 医療を支えるチームの一員として
『疾患』のみならず『患者さん』を診ること
ができる」
ようになってほしいと考えています。
さらに、これから医療環境が大きく変化
することが予想されています。臨床の
スキルを身に付けることはもちろんですが、
医学以外のことにも関心をもって、大きな
変化に対応できるようになって欲しい
と思います。
あなたにとって2019年が、
飛躍の1年になりますよう、
一緒に頑張って行きましょう!
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(編集長)
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