臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
知っていますか? キノロンの注意点
2月28日に行われた松永先生による
感染症カンファからです。
今回のテーマは
「医師も知っておきたい感染対策」
でしたが、感染対策を一言で言うと、
問題となる微生物を、
「作らない」 「広げない」 「治す」
ということです。
これに関連して、あなたも
薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)
対策という言葉くらいは聞いたことが
あると思います。
2016年にAMR対策アクションプランが
策定されていますが、その中に
成果指標の一つとして
ヒトの抗微生物剤の使用量を
2020年までに
・全体で33%減少、
・経口セファロスポリン、フルオロキノロン、
マクロライド系薬を50%減少
・静注抗菌薬を20%減少
(いずれも対2013年比)
という目標が掲げられています。
ここでやり玉に挙がっている
キノロン系抗菌薬について
あなたはどの程度知っているでしょう?
ニューキノロン系薬は、尿路感染症や
肺炎に頻用されている薬剤ですね。
でも、耐性株は意外と存在することを
知っていますか?
例えば、尿路感染の代表的な起炎菌は
大腸菌(E.Coil)ですが、ある病院では
キノロン薬の感受性が73%しかない。
E.Coliだから何でも効きそうな印象ですが、
この値はキノロンの感受性は良好では
ない、キノロンを第一選択として用いる
ことができないレベルと言う意味です。
肺炎に対しても、成人肺炎診療
ガイドライン2017では
医療・介護関連肺炎に対して、
外来エンピリック治療としての
ニューキノロン系薬は弱い推奨と
なっています。
理由としては、副作用、耐性化の可能性、
そして結核をカバーしてしまうために、
結果として肺結核の発見が遅れて、
予後の悪化につながってしまうという
問題があるからです。
特に外来診療の場で、安易に
尿路感染症・肺炎=キノロン系薬
と選択しないように気を付けて下さい。
(編集長)
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春のイベントのご案内
春休みに病院説明会が開催されます。
当院も参加しますので、ぜひブースに
お越しください!
レジナビフェアスプリング2019東京
日時:平成31年3月10日(日)午前10時~午後5時
場所:東京ビックサイト 東7・8ホール
詳細はこちら
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https://www.residentnavi.com/rnfair/ts190310
茨城県臨床研修病院合同説明会
日時:平成31年3月17日(日) 午後1時~午後5時
場所:イーアスつくば 2Fイーアスホール
詳細はこちら
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