臨床研修ブログ

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おしっこの色

2019.04.11

だいぶ前に紹介した記事ですが、

先日の回診中に、おしっこの色が

話題に挙がったので、ベイマックスの

記事を再掲します。

 

患者さんや看護師さんにスラスラと

説明できるとカッコいいと思いますよ。

(編集長)

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おしっこの色ってまじめに考えたこと

ありますか?

 

ベッドサイドで導尿カテーテルから

出ている尿が紫だったらどうします?

 

こういう時にびっくりしないように色に

ついての知識も持っておきましょう。

 

①黄色

正常の尿はウロクロームが尿中に

存在するために黄色になります。

脱水などで濃くなった場合には色調が

濃くなることもあります。

 

②淡黄色

希釈尿の場合にみられます。利尿剤の

使用、高Ca血症、糖尿病、尿崩症など

でも見られます。

 

③乳白色

脂肪尿か乳び尿です。まれに重症の

尿路感染症で白血球が混じると乳白色に

なります。ネフローゼ症候群でも高比重の

リポ蛋白が中心の脂肪が含まれること

により、この色になることがあります。

乳び尿は外傷などでリンパ管と尿路が

交通することで生じます。ICUでよくある

のはプロポフォールの使用によるもの

が多いです。

 

④(淡)赤色

1ℓの尿に1mlの血液が混入するだけで

尿は淡赤色になります。腎から下部尿路

までどこからの出血でもなりえます。

糸球体性の血尿か非糸球体か凝固異常

によるものか・・・など鑑別が必要になり

ます。また、色素を含む食物と尿のpHの

組み合わせで赤色尿がでることがあります。

具体的には、赤ビーツやブラックベリーと

酸性尿、ダイオウとアルカリ尿などで

みられます。ほかにも、アドリアマイシンや

フェノチアジンなどの色素を含む薬物で

生じることがあります。

 

⑤赤褐色

尿にヘモグロビンやミオグロビンの酸化物が

含まれると赤褐色を呈します。鑑別としては

溶血性疾患と筋損傷が重要です。

溶血性疾患ではLDHの上昇やハプト

グロビンの低下など、筋損傷では挫滅、

過度の運動、電撃症、敗血症、甲状腺

機能低下症、低K血症、スタチン系による

横紋筋融解などが考えられます。

また、メトロニダゾールでも起こります。

慢性糸球体腎炎の血尿とは、尿の定性での

潜血反応と尿沈渣での赤血球数との

かい離で鑑別することは有名ですね。

 

⑥橙色

リファンピシンの内服や、直接ビリルビンに

よりみられることがあります。閉塞性黄疸では

尿は橙色になるが、便は白色になります。

 

⑦青から緑色

緑色は青色の色素とウロクロームが混合

されてみられます。インドメタシンや

トリアムテレンなどの医薬品や洗口剤の

リステリンでも報告があります。

プロポフォール投与中の患者でも緑色が

みられることがあります。緑膿菌の感染症

では菌由来のピオシアニンにより尿が緑に

なることがあります。慢性の閉塞性黄疸では

ビリルビンの酸化物であるビリベルジンが

排泄され尿の色調変化をきたすことが

あります。

 

⑧紫色

導尿カテーテルが長期留置されている

患者の尿バッグが紫色になることがあり

ます。腸内でトリプトファンが細菌により

インドキシル硫酸に変換され、尿中に

排泄、尿バッグで再び細菌によりインジゴと

インジルビンの色素に変換されて生じます。

便秘を伴う長期臥床患者や吸収不良

症候群、トリプトファン代謝障害のHartnap病

でみられることもあります。

 

⑨灰色から黒色

チロシン代謝経路の酵素欠損症である

アルカプトン尿症では、尿に大量に排泄

されるホモゲンチジン酸が酸化し、黒色を

呈します。悪性黒色腫や一部のアジソン病

では体内で産生されるメラニンが排泄され

黒色になることがあります。

降圧薬のα-メチルドーパは、代謝物の

α-メチルドーパミンなどにより尿が灰色

から黒色になります。

 

以上、おむつのCMのような色の尿も

あり得るというお話でした。

(腎臓内科のベイマックス)

 

さて、これから回診!

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◆昨年に続き、山中先生の

 レクチャーを開催します!

 

ドクターGにも出演されたことのある

福島県立医大会津医療センター

総合内科教授の山中克郎先生が、

昨年に引き続き当院にお越しに

なります。

 

昨年好評だったベッドサイドでの

身体診察や、レクチャーを予定して

います。

 

院外からの参加も歓迎しますので、

ご連絡ください!

 

平成31年4月12日(金)午後~

参加希望のご連絡はこちらへ!

http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html 

 

◆病院見学や、ご質問・お問い合わせは

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