臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
突発性難聴
突発性難聴は比較的経験することが
多い疾患です。
40~60歳代が多いとされていますが、
若い方でも発症することがあります。
実際のところ、編集長の研修医時代に、
後輩が突発性難聴になりました。
気づいたきっかけは、「聴診器を
当てても聴こえない・・・」というものでした。
突発性難聴は、教科書的に
①突然発症
②高度感音性難聴
③原因不明
を特徴とします。
この場合の高度難聴とは
「純音聴力検査での隣り合う3周波数で
各 30dB 以上の難聴が72時間以内に
生じた」という定義なので、診断は
やはり耳鼻科の先生にお任せしましょう。
あなたがERなどで突発性難聴を疑うのは、
「突然発症の片側性の聴力低下」です。
両側性の聴力低下で発症することも
ありますが非常に稀だそうです。
ここでの突然発症とは、
「なんとなくこの数日で・・・」
というのではなく、
「〇月〇日の朝起きたら・・」とか、
「午前中は何も無かったのですが、
午後に仕事で電話をとったら」と
いった感じです。
そして、注意しておきたいのは、
聴力低下を主訴に受診するのではなく、
めまいや耳鳴、嘔気・嘔吐を主訴に
受診することがあります。
その場合、突発性難聴が見逃されて、
治療開始の遅れにつながり、結果として
症状が改善せずに患者さんのQOLを
大きく低下させてしまいます。
特にめまいや耳鳴など、耳の症状を
訴えた時には、聴力低下の有無を
必ず確認しましょう。
なお、突発性難聴に伴うめまいは、
約30~40%で見られるとされ、
メニエール病と違って発症前後のみで
繰り返さないことが特徴です。
治療はステロイドの全身投与がほぼ
標準治療のようになっていますが、
他にもATPの投与や高圧酸素療法などが
あります。
大事なことはできるだけ早期に、
具体的には1週間以内に治療を開始する
ことです。
若年や高齢者、回転性めまいを伴う場合、
発症から2週間以上たってからの治療開始、
などが耳鼻科的な予後不良因子です。
治療により、約1/3で治癒、1/3で部分改善、
1/3で不変と覚えておきましょう。
突発性難聴は、比較的遭遇する疾患
ですので、患者さんを安心させるためにも、
あなたが疾患や治療の概略を説明できる
ようにしておきましょう。
(編集長)
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