臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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SPIDDM その1(疫学)
今回からは、3月まで当院でローテーションをしていたマナ先生が書いてくれた記事です。マナ先生は筑波大に戻りましたが、ブログの記事をお願いしたら、こころよく引き受けてくれました。有難うございました!
そんなマナ先生が当院で経験したSPIDDMに関してのまとめです。今回は概要と疫学です。
(編集長)
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40代女性がDKAで入院されました。救急科入院中に急性期を脱し、総合内科に転科され、そこから担当させていただきました。これまでの糖尿病の病歴を聴取していると、数ヶ月の経過でHbA1cが急激に上昇していることがわかりました。
急激な血糖コントロールの増悪を見たとき、原因として何を考えれば良いでしょうか?がんの併発、精神的ストレス、食生活の乱れ・・・
その他に忘れてはいけないものとしてSPIDDMがあります。今回の症例ではSPIDDMの診断となったので、SPIDDMとは何なのか?まとめたいと思います。
● SPIDDMとは
Slowly Progressive Insulin-Dependent Diabetes Mellitus(緩徐進行1型糖尿病)
発症時は食事、内服薬療法で治療が可能なインスリン非依存状態であるが、数年間観察していると徐々にインスリン分泌能が低下し、最終的にはインスリン依存状態に移行することが臨床的特徴。膵島細胞抗体(ICA)、抗GAD抗体、インスリン自己抗体(IAA)、IA-2抗体などの膵島関連自己抗体が重複もしくは単独で経過中持続的に陽性を示す。
● 疫学
GAD抗体陽性例に限ると、日本で2型糖尿病と思われている症例の約8%に認められる。
欧米では日本よりやや頻度が高い。
発症年齢は30-50歳と中年から高齢であることが多い。
30歳以降に発症した1型糖尿病のうち40%以上が2型糖尿病と診断されているという報告もある。
次回は「診断」と「治療」についてです。
(マナ)
先日の徳田先生カンファの一コマ
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