臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

SPIDDM その1(疫学)

2021.06.15

今回からは、3月まで当院でローテーションをしていたマナ先生が書いてくれた記事です。マナ先生は筑波大に戻りましたが、ブログの記事をお願いしたら、こころよく引き受けてくれました。有難うございました!

 

そんなマナ先生が当院で経験したSPIDDMに関してのまとめです。今回は概要と疫学です。

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

40代女性がDKAで入院されました。救急科入院中に急性期を脱し、総合内科に転科され、そこから担当させていただきました。これまでの糖尿病の病歴を聴取していると、数ヶ月の経過でHbA1cが急激に上昇していることがわかりました。

 

急激な血糖コントロールの増悪を見たとき、原因として何を考えれば良いでしょうか?がんの併発、精神的ストレス、食生活の乱れ・・・

 

その他に忘れてはいけないものとしてSPIDDMがあります。今回の症例ではSPIDDMの診断となったので、SPIDDMとは何なのか?まとめたいと思います。

 

●  SPIDDMとは

Slowly Progressive Insulin-Dependent Diabetes Mellitus(緩徐進行1型糖尿病)

 

発症時は食事、内服薬療法で治療が可能なインスリン非依存状態であるが、数年間観察していると徐々にインスリン分泌能が低下し、最終的にはインスリン依存状態に移行することが臨床的特徴。膵島細胞抗体(ICA)、抗GAD抗体、インスリン自己抗体(IAA)、IA-2抗体などの膵島関連自己抗体が重複もしくは単独で経過中持続的に陽性を示す。

 

●  疫学

GAD抗体陽性例に限ると、日本で2型糖尿病と思われている症例の約8%に認められる。

欧米では日本よりやや頻度が高い。

発症年齢は30-50歳と中年から高齢であることが多い。

30歳以降に発症した1型糖尿病のうち40%以上が2型糖尿病と診断されているという報告もある。

 

次回は「診断」と「治療」についてです。

(マナ)

 

先日の徳田先生カンファの一コマ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

総合診断能力を有するスペシャリスト

を目指します

 

◆Web版・個別病院説明会を開催します!

直接研修医からホントのところを聞いてみませんか?

6月1日~6月30日まで開催します!

詳細はこちらから

 

◆病院見学に来ませんか?

当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?どんな生活を送っているのか?あなたの目で確かめてみてください!

病院見学をご希望の方は、こちらからご連絡ください。

https://recruit-mito-saisei.jp/entry

 

◆レジナビFairでの病院紹介動画が見れます!

2月17日に開催されたレジナビFairでの紹介動画(11分)を、こちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください!

初期研修紹介動画

 

◆水戸済生会の内科専門研修説明動画はこちら

「レジナビFair 専門研修(内科)プログラム」で紹介された説明動画がご覧いただけます。

内科専門研修プログラム動画