臨床研修ブログ
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救命救急センターだより「ECMOとPCPS」
空飛ぶ消化器内科医を目指して救急科修行中のnaoです。こんにちは。
先日のドクターカー出動事案で実は初めての経験がありましたので、ご報告します。比較的若年の方のCPAで、目撃あり、バイスタンダーCPRありという救命を目指せる事案でした。初期波形はVFでDCを何度かかけ、その後PEA。現場で挿管し、ライン確保の上、自院へU turn搬送しました。直ちに救急外来直結のハイブリッドカテ室に搬入しPCPS導入しました。
以前にもお話ししたように当院はコロナに対してECMO対応していたため、呼吸状態悪化からのECMOは経験がありましたが、心肺停止患者さんに対してのPCPS導入に立ち会うのは今回が初めての経験でした。ほとんどAが全く触れない中で救急科Drたちの恐ろしい速さでのシース留置に驚きましたが、循環器Drがすぐに到着したため、そのまま循環器に引継ぎ、PCPS開始し併せて冠動脈造影に移行していただきました。
さて、今回あえてここまでECMOとPCPSという単語をごちゃまぜにして書いてみましたが、現場ではECMOという単語とPCPSという単語を使う人とに分かれていて、用語がわからないと話が通じないという状況になります。
ECMOはextracorporeal membrane oxygenationといい、体外式膜型人工肺と言われます。脱血管と送血管の留置の位置の違いでVV ECMOとVA ECMOと呼ばれます。
VV ECMOはrespiratory ECMOとも呼ばれ、重症の呼吸不全患者に対して適応になります。VA ECMOはcardiac ECMOとも呼ばれ、重症心不全患者に対して適応になります。
PCPSはPercutaneous cardio pulmonary supportといい、経皮的心配補助を指します。つまりV-A ECMOとほぼ同義です。ですので、今回の現場で言うECMOは(VA-)ECMOを指していたわけです。
ECMO導入は初めてで自分は救命士と交代でCPRしていただけという形でしたが、動きが少し理解できたので、次回からは自分のできる仕事の幅を広げていきたいと考えています。
ちなみに、この事案、実は最初に現場直近の中核病院に収容依頼をしたのですが、依頼中にROSCしたため当院へ搬送した事案になります。この時、僕のプレゼンがひどいもので、Hotに対応してくださった先生が、「復唱」という形で僕に簡潔明瞭なプレゼンを指導してくれた(ように感じた)ということで強く記憶に残った症例です。プレゼン力、大切ですね。
(Nao)
空飛ぶ消化器内科医
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