臨床研修ブログ

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ショックの定義

2024.01.23
カテゴリー: カンファレンス循環器

ERでも病棟でもショック状態の患者さんにしばしば遭遇します。先日も病棟で、そろそろ退院という患者さんの具合が悪くなったのですが、J1の先生が速やかに敗血症性ショックと診断して対応して事なきを得ました。

 

あなたもいろいろな場面で敗血症性ショックとか、心源性ショックとか使っているはずですが、研修医に「ショックの定義は?」と尋ねると意外と答えられません。血圧が低い=ショック と考えている人も多いのですが、これは本当でしょうか?

 

UpToDateではショックの定義を以下のように記載しています。

 

Shock is defined as a state of cellular and tissue hypoxia due to reduced oxygen delivery and/or increased oxygen consumption or inadequate oxygen utilization.

 

This most commonly occurs when there is circulatory failure manifested as hypotension

(ie, reduced tissue perfusion). 

 

Shock is initially reversible, but must be recognized and treated immediately to prevent progression to irreversible organ dysfunction.

 

つまりショックとは、細胞や組織の低酸素状態から臓器不全に至るものです。ここで血圧低下とは書いてありますが、具体的な血圧の値は書いてある訳ではありません。

 

ちなみに循環器外来では収縮期血圧が100mmHgを下回っている人が普通に歩いて来ますが、ショックではありません。

 

何を言いたいかと言うと 血圧が低い≠ショック ということです。

 

また、ショックは以下の4つに分類されています。

・心源性ショック(Cardiogenic shock)

・循環血液量減少性ショック((Hypovolemic shock)

・分布性ショック(Distributed shock)

・閉塞性ショック(Obstructive shock)

 

次回から、これらショックの分類について紹介していきます。

(編集長)

慣れた手つきでPICC挿入

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