
臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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服薬のアドヒアランス
編集長が外来をやっている時に重視しているのは、服薬のアドヒアランスです。
こちらとしては、患者さんの症状を軽減させたり、長期的な予後の改善やイベント抑制のためにお薬を処方している訳ですが、患者さんが服用してくれなければ、効果は期待できません。
服薬のアドヒアランスを確認する方法は、独自の技をお持ちの先生がいるので、是非聞きだして、参考にしてみると良いと思いますが、編集長は下記のようなところで確認しています。
その方法は、残薬の確認です。年に1,2回ですが、患者さんに「残薬を調整するので、次回の外来の時に自宅に残っているお薬をぜんぶ持ってきてください」と伝えています。
忘れる人もいますが、持ってきたらざっと数えて、残薬数が一定に処方を調整します。薬剤が多いと時間も取られて面倒ですが、どの薬剤が残っているのかを把握するだけでもOKです(もちろん処方のコメント欄に記入すれば、調剤薬局に依頼することもできます)。
この情報を把握すると、アドヒアランスを改善するための処方の変更に役立ちます。たとえば、朝夕に服用するDOACが、夕方の分だけ多く残っている時は、朝のみの服用のDOACに変更するなどです。
他にも、予想もしないような理由で服用していないことが明るみになることがあります。
ある時、血圧のコントロールがなかなか付かない高齢の患者さんに、残薬を持ってきてもらったところ、ナント降圧剤が380錠(!)も残っていたことがあります。詳細は忘れましたが、雑誌で読んだか、知人に言われたか、とにかく薬はあまり良くない旨のことを言われ、不安から服用しなくなったようです。
こんな時に、患者さんを責めてもいいことはありませんから、一度すべての処方をやめて、一剤ずつ、本人が納得するように時間をかけて再開していきました。編集長も、かなり凹んだエピソードなのですが、これ以降も年に数回は残薬確認するように患者さんに声掛けをしています。
ちなみに、ワーファリンを処方している患者さんは、ほぼ毎回INRをチェックしますが、これが安定している人はアドヒアランスの問題もほぼないというのが経験則です。
我々は、処方したから服用しているだろうと考えがちですが、患者さんは不安や不満を言い出せず、服用していないことは想像以上に多いようです。我々の方からいろいろな機会を作って、確認してみることが大事です。
(編集長)
お勉強中♪
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