臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
生活歴を確認をしていますか?
こんな患者さんがいました。
80歳代の男性の外来患者さん。主訴は不眠。ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤を処方されているけれど眠れないので、もっと強いやつに変更して欲しいとのこと。
こんな時あなたはどうしますか?
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まず、不眠は患者さんにとっては非常につらいことだと認識することが大事です。また、うつ病など他の疾患の一つの症状として訴えることがあるので、何で不眠を訴えるのか、背景を理解することが大事です。
話をよく聞かないで、安直に睡眠剤をもっと強いものに変更すれば、患者さんも満足してすんなり帰ってくれるし楽かもしれません。でもNGな対応です。さらに、高齢者にベンゾジアゼピンを使用するとせん妄や転倒による骨折リスクが高くなることはすでに有名です。ますます、こういう対応はNGです。
こんな時は薬の変更や増量を考える前に、問診が大事です。生活歴で仕事や嗜好品、飲酒について聞き出しましょう。不眠の訴えがある場合は、特に就寝時間や起床時間、食事や昼寝の時間など、生活スタイルをよく把握する必要があります。じっくり話を聞くことで、患者さん自身も問題点に気づくことがありますし、話を聞いてもらえたという満足感がえられます。
さて、上記の患者さんに生活歴を聞いてみると、日中は庭の手入れなど体を動かしている。夕方は16時過ぎにビールを飲みながら夕食を食べて、17時過ぎには風呂に入る。18時過ぎには就寝! 0時ころに目が覚めて、夜中にまたビールを飲んでいるそうです。起床は5時ころ。
こんなに寝ているのに不眠の訴えがある訳です。当然ながら睡眠剤を増やしても患者さんが満足する訳がありません。このケースであれば、出来るのなら就寝時間を遅らせるのが一番いいと思います。
このように生活歴を詳細に聴取すると大きなヒントが見つかります。疾患を見るのではなく、患者さんを把握することが大事です。忙しい中でも、上手に聞き出せるように意識してみてください。
(編集長)
研修医インタビューのページが
更新されています♪
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
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呼吸器内科専門医と読む胸部X線写真4 井上先生のZoomレクチャーより
山形大学の井上純人先生による「呼吸器専門医と読む胸部X線写真」からのシェアです。前回までで、井上先生が教えてくれた17個のチェックポイントのうち7つ目までを紹介しました。
今回は8つ目から11番目のルールまで一気に紹介します。
⑧縦隔は気管、食道、下行大動脈を評価
⑨気管の分岐は右がより直線状
⑩食道は通常見えない
⑪下行大動脈の線が追えるはず
編集長が研修医の時は、胸部レントゲンで縦隔陰影を見ると言っても、どこを見ればよいか分かりませんでした。縦隔陰影と心陰影とを何となくごまかして使い分けていました。でも、井上先生は縦隔を見るときのポイントは気管、食道、大動脈という縦隔にある臓器を追いかけるようにみることを強調していました。
気管の分岐角についてはあなたも聞いたことがあるかもしれませが、その他のポイントも知っておくと役立ちます。
食道は壁が薄く、ペタッとつぶれた状態が正常ですから、内部にエアが見えればおかしいということになります。特に下の写真のように心臓の裏にエアが見えるときは、重度の食道裂孔ヘルニアと診断できます。
矢印が胃内のエア
最後に下行大動脈の線を探しに行きましょう。椎体と重なっていても、それらしい線が追えるのですが、追えないときは心臓の後に何かあるのかも?と疑う必要が出てきます。
A) 正常な下行大動脈の線が追えます(矢印)
B-1)下行大動脈の線が追えない
B-2)CTで左肺下葉腺癌が指摘されました
繰り返しになりますが、縦隔陰影の確認の際は気管支、食道、下行大動脈を確認しましょう。
(編集長)
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点滴の目的は?
どの診療科でも、入院患者さんが検査や手術を受けるときに点滴を取りますよね?よく指導医から「点滴出しておいて」と頼まれると思いますが、そもそもこの点滴は何のために行っているのでしょうか?そして、具体的に何をオーダーすればいいのでしょう?パスに入っている点滴だから・・・・と何も考えずにオーダーしないで、ちょっと考えてみましょう。
例えば、消化器内科でERCPをする時なら前投薬(鎮痛剤)など薬剤投与ルートの確保が主たる目的です。心不全や腎不全が無いかなど、患者さんの背景を考えて点滴内容を決めればよいと思います。
では、全身麻酔で胃切患者さんの点滴は?
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抗生剤など前投薬の投与ルート確保に加えて、麻酔導入時に血圧が下がったりするので、十分な細胞外液を入れておく必要があります。
PCIの患者さんの場合ではどうでしょう?
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薬剤の投与ルート確保はもちろんですが、もう一つ重要なこととして造影剤腎症の予防目的に補液が必要です。教科書的には生理食塩水ですが、これも心機能などを見て決めるのがよいでしょう。
最後に、同じPCIの時でも透析患者さんの場合はどうでしょうか?
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この場合は造影剤腎症については無視してよいですし、過剰な輸液は透析時の除水量を増やすので不利になります。なので、例えば500㎖の点滴ではなく、わざと100㎖や200㎖の点滴にするのも手です。
パスを利用するのは当然ですが、なぜそのようなパスの内容になっているのか、理由を考えなくなってしまいうのはパスの欠点かもしれません。
目的や理由を理解しておかないと、応用が利かなくなってしまいます。その状況での点滴の目的は何か?患者背景は大丈夫か?を考える習慣はつけておきましょう。
(編集長)
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呼吸器内科専門医と読む胸部X線写真3 井上先生のZoomレクチャーより
山形大学の井上純人先生による「呼吸器専門医と読む胸部X線写真」からのシェアです。井上先生は胸部単純X線写真のルールと称して、17個のチェックポイントを教えてくれました。前回までに6つ目まで紹介しました。今回は7つ目からです。
7つ目のルールはCP角は鋭角(鈍角で液体貯留、癒着、横隔膜平定化)
あなたも知っているCP角はこんな感じで鋭角なのが正常です。鈍角になっていれば胸水など液体貯留や癒着を考えます。また5つ目のルール(正常での横隔膜のレベルは、前側の第6-7肋骨、後側の第10肋骨が横隔膜と重なる)と合わせて肺の過膨張や横隔膜の平定化を判断できます。
ところでもう一つのCP角があるをご存じでしょうか?上述のCP角はCost-phrenic angleで肋骨と横隔膜の作る角のことですが、もう一つのCP角はCardio-phrenic angleで心臓と横隔膜が作る角です。
こちらのCP角も鋭角が正常です。鈍角な時は、例えば下のCTのように何か隠れているかもと考える必要があります。
(編集長)
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呼吸器内科専門医と読む胸部X線写真2 井上先生のZoomレクチャーより
山形大学の井上純人先生による「呼吸器専門医と読む胸部X線写真」からのシェアです。井上先生は胸部単純X線写真のルールと称して、17個のチェックポイントを教えてくれました。前回は3つ目まで紹介しましたが、今回は4つ目のルールからです。
4つ目のルールは心臓の形は「弓」を評価する。
心陰影におけるそれぞれの弓が解剖学的にどこを見ているのかを再確認しておきましょう。質問すると、意外と答えられない人が多いところです。
5つ目のルールは、正常での横隔膜のレベルは、前側の第6-7肋骨、後側の第10肋骨が横隔膜と重なる。
肺野の過膨張や横隔膜の平定化を評価したり、横隔膜が挙上しているかを判断するために、肋骨と横隔膜が交差するレベルを確認します。確認方法としては前側(胸壁側)の肋骨を数える場合と、後側(背側)の肋骨を数える方法があります。
前側を数えるときは、第6か7肋骨で重なります。
後側で数えるなら第10か11肋骨で重なります。
横隔膜のもう一つのチェックポイントとなる6つ目のルールは、右横隔膜は、左に比べて1~1.5cm(半椎体程度)挙上している。逆に左横隔膜が挙上している時はどうしてなのか?と考えてみる必要があります。
次回に続きます。
(編集長)
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呼吸器内科専門医と読む胸部X線写真1 井上先生のZoomレクチャーより
暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?予想通りコロナ患者も増えてきて、現場は慌ただしくなってきましたね。
そんな水戸済生会の内科には、消化器内科と循環器内科、腎臓内科がありますが、残念ながら呼吸器内科はありません。ですが、肺炎などのコモンな呼吸器疾患は総合内科で担当していますし、呼吸器専門医がいなくともECMOを含めた新型コロナ患者の診療も行っています。
とはいえ、正直なところ呼吸器疾患を不安なく診療できている訳ではありません。そこで、昨年度から呼吸器専門医の井上純人(いのうえすみと)先生を講師に迎えてZoomレクチャーを開催していますが、今年度の第1回目が7月初めにありました。
井上純人先生は山形大学の第一内科講師、附属病院教授で、実は編集長と同級生です。山形大学では、ベストティーチャー賞を何度も受賞しており、今では殿堂入りを果たしたそうです。医学部学生はもちろんですが、学内では知らない人はいないほど教え上手で面倒見のいい先生です。
今年度最初のレクチャーは、昨年同様に「呼吸器専門医と読む胸部X線写真」。胸部レントゲンの読み方を、かなり丁寧に教えてもらいましたので、今回からその内容をシェアしていきます。
井上先生は胸部単純X線写真のルールと称して17個のチェックポイントを教えてくれました。
まず最初のルールは、ID、名前、撮影日時を確認する
当たり前すぎることかもしれませんが、患者さんを取り違えていないかの確認は大事です。さらに、撮影日時の確認も忘れないようにしましょう。頻回に撮影する検査なので、実は1年前のレントゲンを見ていた・・・、なんてことが起こってしまいます。
そして2つ目のルールがどのような撮影条件で撮影されているか?
ご存じのように、正しい撮影方法は立位のPA(後方→前方)です。ERでのポータブル撮影では臥位のAP(前方→後方)だったり、座位のAPだったりします。APとPAでは下図のように管球と検出器の関係で、APの方が大きく映るので、
3つ目のルールとして心胸郭比(CTR)は<50%で正常ですが、APなら<60%で正常 となります。
次回に続きます。
(編集長)
Zoomレクチャーの一コマ
右側が井上先生
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起立性低血圧・・・山中先生のZoomレクチャー
5月19日に山中先生のZoomレクチャーが開催されました。
山中先生は、福島県立医大会津医療センター総合内科の教授として活躍されていますが、総合内科の大御所(!)の一人です。著書もたくさんあり、ドクターGにも出演されたことがあります。
そんな山中先生とは、以前当院の小児科に勤務されていた先生が、山中先生と部活の先輩後輩という仲で紹介していただいたのがご縁です。コロナ前は水戸にお越しいただいていましたが、昨年度は2回ともZoomでのレクチャーをしていただきました。
山中先生と言えば「攻めの問診」ですが、症例を使いながら、そのコツを分かりやすく教えていただきました。今回はその中から一つシェアします。
よく経験する失神について、特に頻度が多いのが①心血管性失神(心疾患、不整脈)、②神経調節性失神(迷走神経反射、状況失神など)、そして③起立性低血圧の3つですが、山中先生はこれらを「失神3兄弟」と呼んでいます。
その中で起立性低血圧は
・⽴位では下肢に500-1000 mlの⾎液が貯留する
・起⽴性低⾎圧の定義
⽴位3分以内に収縮期⾎圧が>20 mmHg or 拡張期⾎圧が>10 mmHg低下するもの
ただし、高齢者では少し3分以上経ってから血圧が下がってくることも多いそうです。
・頻度︓>65歳では20%(症状があるのは2%)
・症状︓めまい、ふらつき、失神、倦怠感、嘔気、頭痛、認知⼒低下
この認知力低下というのが意外ですね。他にも、
・循環⾎液量の20%を失う出⾎でも起こる
・⾷後低⾎圧、薬剤性(利尿薬、降圧薬、抗うつ薬)、アルコールが原因のこともある
・鑑別診断:糖尿病、パーキンソン症候群、アミロイドーシス、シェーグレン症候群
たいていの場合は問題ないのですが、起立性低血圧だと診断しても、普段からその背景に隠れている疾患がないかを忘れないようにしましょう。
(編集長)
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◆次は、5月31日(火)開催のレジナビでお会いしましょう!
レジナビFairオンライン 6年生対象 ~今からでも間に合う!病院特集~
5月31日 18時から登場します!
ぜひご参加ください!!
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低カリウム血症
今回は、J2のナス顔研修医が経験症例をもとに低K血症についてまとめてくれたのでシェアします。
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カリウム(K)の正常範囲としては3.6~5.0mEq/Lであり、主にそれ未満の値を低K血症といいます。特に血清K2.5mEq/L未満になると筋力低下や不整脈が起こる可能性が高くなり、循環器内科Drから言わせれば高K血症よりも低K血症の方が怖いとのこと(だいぶ意外でした)。
高K血症はなんとなく危ないイメージだからこの一年で対応は学べたけど、そもそもなんで低K血症になるんだろう?そんな迷える研修医の先生の方々(自分も含め)のために実際に経験した症例を踏まえて低Kの鑑別の仕方についてまとめました。
症例は80代男性。誤嚥性肺炎で入院しました。入院時の採血でK3.2と低値であり、内服薬の中に利尿剤などの低K血症を来す疑わしい薬剤もなく、元々入院前のADLは自立して食事摂取も良好だったのですが早急にPICC挿入し補正を開始しました。
ここで、低K血症の原因として、
①細胞内へのシフト
②腎からのK喪失
③腎外でのK喪失
これらを考ていきます。
低K血症を見た時は病歴の聴取や薬剤の確認のほかに、まず随時尿で尿中Kと尿中Cl、血液ガスを調べます。
尿中Kが20mEq/L未満の場合、③の腎外でのK喪失を考えます。具体的には摂取不足、嘔吐、下痢がないかを確認します。消化管の術後やイレウスなどで胃管挿入中も同様に低K血症になります。
尿中Kが20mEq/L以上の場合、まず②の腎からのK喪失を考えます。しかし微妙な時は①の細胞内へのシフトも含めて考える必要がでてくるので、血液ガスをチェックします。①の細胞内シフトは、アルカローシス(代謝性・呼吸性とも)やインスリンの使用、周期性四肢麻痺などでみられます。
②の腎からのK喪失では高血圧の有無を確認します。高血圧の既往があるならアルドステロン症や腎血管性高血圧などが鑑別となるので、レニン、アルドステロンを測定します。
高血圧の既往がなければ血液ガスをもう一度確認し、アシドーシスがあってHCO3<22mEq/Lなら尿細管性アシドーシスの可能性が出てきます。
高血圧なしでアシドーシスもなく、HCO3が低下していなけば、次に尿中Clを確認します。尿中Clが10mEq/L未満であれば嘔吐や利尿薬使用後を考えます。尿中Clが10mEq/L以上であれば利尿薬、Bartter症候群、Gitelman、Mg欠乏などを考えます。薬剤の中で合成ペニシリン、アミノグリコシドなどの抗菌薬も低K血症の原因になるそうです。
鑑別疾患が非常に多くあり、ちょっと分かりにくくなりましたが、低K血症を見たときは尿の電解質と血液ガスをチェックして鑑別を考えていきます。
ちなみに冒頭の症例は、入院時に呼吸性アルカローシスを呈しており、点滴や経口でのK補充でも当初はあまり改善しませんでした。しかし肺炎の改善とともにK補充なしで正常範囲になったことから、アルカローシスの影響と考えられた症例でした。
(ナス顔研修医)
鑑別を考え中
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◆次は、5月21日(土)開催のエムスリーです!
<関東・甲信越エリア>研修病院ナビ合同座談会に参加します。
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γ(ガンマ)計算
先日のことですが、糖尿病性腎症で維持透析中の方の敗血症性ショックの症例を担当しました。その時にノルアドレナリンの持続点滴をしたのですが、指導医から「ノルアドレナリンは何γ(ガンマ)で開始する?」と質問されて、固まってしまいました(笑)。なので、今回はγ計算について勉強したことをシェアします。
ノルアドレナリンを投与する際、投与量は非常に大切です。例えば5ml/hrのノルアドレナリンをお相撲さんと赤ちゃんに投与したとします。同じ5ml/hrでも体重が違えば、必要な量は変わってきます。そこで体重1kgあたり、1分間でどのくらいの量を投与すればいいのかを表すγ(ガンマ)を用います。
まず、1γ=1μg/kg/min と表されます。
→ minをhrに変換すると、1γ=60μg/kg/hr
→μgをmgに変換(1mg=1000μg)すると、1γ=0.06mg/kg/hr
→単位を並び替えると、1γ=体重(㎏)×0.06㎎/hr ということになります。
ノルアドレナリンは生理食塩水で希釈し用います。当院のICUなどでよく使う組成はノルアドレナリン5㎎+生食45㎖で計50㎖にするので、濃度は0.1㎎/㎖ですが、開始時は0.05γからとなっています。
この組成の場合、患者さんの体重が50㎏だとすると 0.05γ=0.05×50㎏×0.06mg/hr=0.15㎎/hr となります。
でも、看護師さんに指示を出すときは【㎎/hr】ではなく【㎖/hr】にしないと間違いのもとになるので、薬剤の濃度で割ると 0.15㎎/hr÷0.1㎎/㎖=1.5㎖/hr となります。
つまり体重50㎏の患者さんなら、ノルアドレナリンは開始時には1.5㎖/hr(=0.05γ)で開始すればよいということになります。
γをml/hrに変換する式は 1γ=体重×0.06÷濃度(㎎/㎖) で求めることができるので、これを覚えておくといいと思います。
なお、良く使う薬剤としては
・ノルアドレナリン 0.05γ〜0.3γ
・ドブタミン 1γ〜20γ
・ランジオロール 心機能低下例では1〜20γ
この3つは覚えておいた方がイイです。
そして、病院や病棟によってルーチンで使う組成があるので、必ずそれを確認しておきましょう。
(ミッフィー)
タイミングが合えば、、、
見学時にガウンを着て一緒にPICC
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◆マイナビレジデントフェスティバルに参加します!
5月11日(水)の関東エリア特集に当院も参加します。
当院は18:30~、19:00~の2枠で配信します。
前半は病院説明、後半は研修医への質問コーナーです(2回とも同一内容の予定です)。
マイナビへの登録が必要ですが、直前まで申し込み可能ですので、ぜひご参加ください!!
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P/ F 比
さて、今回は新J1のヒゲだるまが記事を書いてくれました。
研修医になって最初のローテーションが総合内科なので、いろいろベーシックなところを確認しながら病棟で奮闘中です。そんなヒゲだるまに酸素化の評価をどうするのか?と宿題を出したら、まとめてくれたのでシェアします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とても真面目とは言えなかった僕は、呼吸状態は「SpO2が95%くらいあれば大丈夫っしょ」くらいに思ってました。
ですが実際は鼻カニューレ、リザーバーマスク、NPPVさまざまな環境で計測されるSpO2があるわけで、そう単純なものではありませんでした・・・・。
例えばSpO2は98%であるがリザーバーマスク10Lを付けてる状況ではどうでしょうか?
SpO2は確かに高い値ですが、リザーバーマスク10Lはなかなかの量です。さて、こんな時はどう考えたらよいでしょう?
ここで出てくるのがP/F比です。
PはPaO2=動脈血酸素分圧、FはFiO2=吸入気酸素濃度の割合のことを言います。
FiO2の大まかな値は以下に載せておきます。
そしてこのP/F比は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の重症度を示す基準にもなっています。
具体的には
軽 症: 200 < P/F ≦300
中等症: 100 < P/F ≦200
重 症: P/F ≦ 100
さて、ここで冒頭の例を考えてみましょう。
SpO2が98%ではPaO2≒100と考え、リザーバーマスク10LはFiO2が0.8とすると、P/F=100/0.8=125となります。
これは上述したARDSの基準を参考にするとだいぶ悪いということがわかります。
おそらく1年前の僕なら「大丈夫じゃね?」でスルーしてたと思いますが、これからは酸素化の指標としてはP/F比を自然と使えるようになりたいものです。
(ヒゲだるま)
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当院には基幹型内科専門研修プログラムがありますが、その強みは消化器内科、循環器内科、腎臓内科の診療体制です。あなたも最短で内科専門医、そして施設を異動することなくサブスペシャルティ専門医と関連する各種の資格を取得できます。そんな内科専門研修プログラムを紹介するブログもぜひご覧ください。
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