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水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
【おしらせ】水戸済生会 内科専門研修プログラム説明会@Zoom
J2のあなたは来年の研修先をどこにするか、決めた人もいればまだまだ悩み中という人もいるかと思います。当院のJ2も決めた人、決められない人などイロイロです。
専門研修を始めるには、専門医機構に登録して、診療科と研修施設を決める作業が必要になりますが、先日内科学会からメールがあって、昨年同様に11月1日から登録が開始されるそうです。
さて、当院では基幹型の内科専門研修プログラムを有しており、特に腎臓内科、消化器内科、循環器内科は内科専門医を取得後に異動することなく各サブスペシャルティ領域の専門医資格を取得できる施設です。
5月には院内で当院の内科専門研修プログラムの説明会を開催しましたが、このところお問い合わせいただくことが増えてきました。
このため、院外で研修しているあなたを対象にZoomでの説明会を開催することにしました。開催日時は以下の通りです。J2が対象ですが、関心のある方なら医学生でもJ1でも参加可能です。
【水戸済生会 内科専門研修プログラム説明会】
日時:2023年9月15日(金)
20時開始(40分程度の予定です)
場所:Zoom
内容:①内科専門研修の概略
②消化器内科の専門研修
③腎臓内科の専門研修
④循環器内科の専門研修
申し込み方法:下記リンクの問い合わせフォームからお申し込みください。フォーム内の「お問い合わせ内容」欄に「内科専門研修プログラム説明会参加希望」と入力し、送信して下さい。
あなたの参加をお待ちしています♪
(編集長)
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水戸済生会総合病院の臨床研修は
総合診断能力を有するスペシャリスト
を目指します
◆レジナビFairオンライン2023 内科
~専門研修プログラム~ に参加します!
9月11日(月)18時30分~です。
今回は循環器内科の専攻医も登場して、あなたのご質問にお答えします。
是非ご参加ください!
◆病院見学に来ませんか?
当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?どんな生活を送っているのか?あなたの目で確かめてみてください!
病院見学をご希望の方は、下のフォームからご連絡ください。
なお、病院見学がむずかしい時は、Zoomで個別説明会を行っていますので、下のフォームに「Zoom希望」と記入してご連絡ください。
↓
https://recruit-mito-saisei.jp/entry
救命救急センターだより「アナフィラキシー2」
ドクヘリが好きすぎて、パイロットになりたくなった消化器内科医naoです。こんにちは。
今日はドクターカーの日でしたが、当院の研修医の先生の中には、ドクヘリに憧れて医者になったなんて言う素敵な先生もいることが判明しましたので、是非レジデントになってからも当院で活躍してほしいなと思いながら本、日もアナフィラキシーの話をしたいと思います。
アナフィラキシーの対応しているとき、患者さんにアドレナリンを打ちつつ、自分自身の体内でもアドレナリンが大量分泌されています。
内視鏡治療中に後輩によく「夢中になるな、夢中になると周りが見えなくなって偶発症をおこしやすくなる」と指導するのですが、自分自身も周りが見えなくなってしまうことがあります。
以前、アナフィラキシーショックの対応していた時、もう収縮期血圧が50-60前後を推移し、患者さんは嘔吐を繰り返し、アドレナリンを2回打っても効果がなくどうしようと思っていたら、そばで見ていた別の先生が
「グルカゴン!」
と叫んで、グルカゴンを静注したら速やかに改善した、という体験があります。βブロッカーを内服している患者さんではグルカゴンが有効なことがあるということを身をもって知りました。
グルカゴンは1-5mgをゆっくり静注
必要に応じて5-10分ごとに追加(ただし高血糖や消化器症状に注意)
今度は静注です。筋注ではありません。
緊急時だからこそ、冗談を言えるくらい落ち着いて、周りを見ながら、常に次の選択肢を頭に入れつつ冷静に対応をしましょう。それができると、めちゃカッコいいですよ!
そして最後に、本来は最初にお伝えするべきだったかもしれませんが、皆さんが医師としてではなく、一市民としてアナフィラキシーの現場に立ち会ってしまったときの対応についてもお話ししたいと思います。長くなりますが、今回はちゃんとこの記事の中でお伝えします。
なによりもまず、応援を呼びましょう。
そのうえでアナフィラキシーの原因となったものを可能な限り除去します。とはいっても、ほとんどの場合食物などで体内に入ってしまっているのでむつかしいかとは思いますが。
そして、体位は基本的に床に寝てもらったほうが良いです。必要に応じて下肢挙上も効果があるとされています。血圧が低下していなくても、急な体位変換で血液分布が変わり急変する可能性があるからです。なので仰臥位あるいは回復体位で安静にしていることが望ましいです。
すきを見ながら体の状態をできるだけ評価します。呼吸の状態、後から来る医師のための体重などの情報(特に小児で)、皮疹の範囲、血圧の情報も可能な限り、橈骨が触知するか、鼠経が触知するか、頸動脈が触知するかでおおよその血圧を推定できます。
何事も、いざ対面すると固まってしまうことが多いですので、シミュレーションが大切です。この記事をここまで読んでいただいたのであれば、是非、シミュレーションして、いざというときスムーズに動いてください!
ではまた次回の記事で!
(Nao)
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9月11日(月)18時30分~です。
今回は循環器内科の専攻医も登場して、あなたのご質問にお答えします。
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救命救急センターだより「アナフィラキシー」
皆様お久しぶりです。
猛暑で生気を失ってしまったものの空への想いは捨てていない消化器内科医Naoです。僕はヘリポートまでのブルードラゴン(救急車)に氷をたくさん入れた水筒を入れて何とか生き延びつつ頑張っておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
本日はアナフィラキシーの対応です。
さて、アナフィラキシーの対応をするには、まずアナフィラキシーをアナフィラキシーと診断しなければなりませんが、皆様ちゃんと診断基準覚えていますか?
診断基準1
皮膚や粘膜に全身性の蕁麻疹、掻痒、紅潮、口唇・舌・口蓋垂の腫脹などをきたしている。
診断基準2
典型的な皮膚症状を伴わなくとも、アレルゲン(と考えられるもの)に獏らした後急速に下記の症状をきたす場合
1. 高度の呼吸器症状(呼吸困難、喘鳴、気管支攣縮、低酸素血症など)をきたしている。
2. 血圧低下、湿疹、失禁、筋緊張低下など
3. 重度のけいれん性腹痛、反復性の嘔吐など
上記のいずれかに該当する場合アナフィラキシーが強く疑われます。
パニック発作や喘息など(ガイドラインでは非常に多数挙げられていますが)、似た症状を示す他の疾患が否定されることが前提となります。
診断ができた後の対応で大切なのは、さっさとアドレナリンを打つことです。過去の報告では、アナフィラキシーに対するアドレナリンの不使用は脂肪のリスクを高めることが指摘されています。
プレホスピタルで出動する場合は、十分な情報が得られない場合も多いため、状況からアナフィラキシーをしっかり疑い、速やかな治療介入を開始することが非常に大切です。
出動中に寄せられる情報からアナフィラキシーを疑ったら、もうアドレナリンを薬剤バッグから取り出し、針をつけて準備し、アルコール綿と薬だけ持って現場に飛び出していくなんて言うこともあります。
さて、その大切なアドレナリンの投与量覚えていますか?
成人 0.5mg、小児では0.01mg/kgです。これを「筋注」です。静注ではないですよ。筋注です。これを5-15分ごとに繰り返します(多くは1回で効きます)。
今回心配なので調べてのですが、アドレナリン筋注は妊娠中でも母体の循環動態を守ることが胎児を守ることにつながるので。適応になるとのことでした。
ここで怖いのが、アドレナリンが効かない人がいます。その話は長くなったのでまた次回にします!乞うご期待!
(Nao)
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病棟からのコールを減らすコツ・・・食事とクスリ
早いもので9月になりました。人によってはローテーションが変わって、新しい診療科のことを
覚えるのに精いっぱいだと思います。
編集長自身の経験でも、研修医たちを観察していても、ローテーションが変わると、慣れるまでには2週間ほどかかります。
最初の週は何が何だか分かりませんが、2週目にはすこし動きもわかってきて、3週目には自分で
先を読んで行動できるようになるはずです。焦らずに頑張ってください。
さて、そんな慣れない状況なのに、PHSには病棟の看護師から連絡がじゃんじゃん入ってきます。仕方ないとあきらめるのは簡単ですが、減らせるものなら、減らしたいですよね。今回は、そんな時に役立つコツを伝授しましょう。
看護師さんが、必ず確認してくる2つのポイントがあるのを知っていますか?・・・そう、「食事とクスリ」です。
・検査や手術前に食事を止めるのか?
・いつ再開するのか?
・同様にクスリは飲ませていいのか?
・中止するのか?
看護師は、ここを必ず確認してきます。逆に考えると、この点を指示簿に明記しておけば、PHSが鳴る回数は確実に減らせます。
あなたは食事とクスリの指示を忘れないようにしてください。
(編集長)
入院が決まってオーダー入力中♪
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入院患者の発熱 ~膝の痛み~
今回はJ1のどんぐり坊やのデビュー記事です。最後まで診断をつける経験は非常に貴重なものです。さらに経験してすぐに、カンファでの発表でも、このブログでも、何でも良いのでアウトプットすると記憶に残りますので、ぜひ実践してみてください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こんにちは、どんぐり坊やです。今回は経験した症例を1つ紹介します。
入院中の患者さんに突然39度の発熱がありました。みなさんまず何を考えますか?
天下の「内科レジデントの鉄則」には入院患者の発熱原因7Dなんてものもありますね。
Drug 薬剤熱
Device デバイス
DVT 深部静脈血栓症
CDトキシン CD腸炎
Decubitus 褥瘡
CPPD 偽痛風
Debris 胆泥:胆嚢炎/胆管炎
恥ずかしながら「やばいやばい、採血・血培・尿倍!抗生剤どうしよう⁉
入院中だしタゾピペかな?」とか考えていたのですが、、、
よくよく診察してみると膝を痛がる様子。触ってみると熱感と腫脹が!よしよし、7Dにも入っているし、偽痛風だ!と決めつけてはいけません。
ここで必ず鑑別にあげなければならないのが化膿性関節炎。こればっかりは関節液を見てみないとわからない。
というわけで、整形外科の先生に見守っていただきながらちゃんと関節穿刺もしました。性状や細胞数からも化膿性関節炎というよりは偽痛風でよさそう。そして見事ピロリン酸カルシウムも検出!
診断基準としては以下のRyanとMcCartyらの診断基準が用いられています。
(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?page=2&id=19130 参照)
幸いNSAIDs投与で速やかに解熱し、痛みも改善していきました。無駄に抗菌薬を投与することを免れた症例であり、診察の重要性を改めて実感させられました。
ちなみに治療としては他に、ステロイド関節内注射・内服・静注、コルヒチンなどが挙げられていました(UpToDateより)。 単関節なのか多関節なのか、腎機能や肝機能によって薬剤選択は行っていくようです。
皆さんも入院患者の発熱では偽痛風を忘れずに、ぜひ関節穿刺までトライしてみてください。
(どんぐり坊や)
回診でプレゼン中♪
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【4年ぶり】茨城県修学生サマーセミナー@水戸済生会総合病院
茨城県では、修学生や地域枠の医学生を対象に、サマーセミナーを開催しています。
県内各地の医療機関の見学などが主な内容で、コロナの影響で2020年から中断していましたが、4年ぶりに再開となり、先週は当院に13名が来てくれました。
初期研修医との懇談風景
参加者は1年~4年生でしたので、すぐに初期研修とか、診療科のことなどは、イメージしにくかったかもしれません。しかも午前中だけの慌ただしいスケジュールでしたが、当院のJ1とJ2から、直接に話を聞けて、大いに刺激になったようです。
次は、ゆっくりと時間を取って病院見学にお越しください!
(編集長)
ドクヘリの格納庫も見学♪
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舩越先生のZoomレクチャー・・・マイナーエマージェンシー3回目
先日、東京ベイ浦安市川医療センター救急集中治療科(救急外来部門)部長の舩越拓先生にZoomでレクチャーを行っていただきました。
舩越先生のことは、このブログでも何度か紹介していますが、救急領域では名が知られた存在の
先生で、多くの監訳や著書があり、レジデントノートなどの雑誌の企画も行っています。編集長とはIVRつながりで、兄弟子、弟弟子という関係で、コロナ前からレクチャーをお願いしていました。前回は5月に開催したのですが、このブログで紹介するのを忘れていました(スミマセン)。
今回の内容は「マイナーエマージェンシーの苦手意識を克服しよう」の3回目、完結編ということで、指先のトラブルシューティングと眼科救急のミニマムを取り上げていただきました。
指先のトラブルとしては、爪下血腫、爪周囲炎の対処や釣り針の取り方(String Yank Technique)も教えてもらいました。
眼科救急では、眼窩吹き抜け骨折、外傷性視神経損傷といった外せない内容に加え、エコーで対光反射を見る方法など、編集長は知らなかった内容も盛り沢山でした。特に大事な点として、「視力は目のバイタルサイン」 「視力低下と眼痛は緊急性が高い」といった大原則を強調していて、深夜でも眼科医に連絡する際のTipsがちりばめられていました。
マイナーエマージェンシーについては今回でおしまいですが、舩越先生のレクチャーは、今年度4回の開催を目標にしていただいていますので、次回以降も楽しみです♪
(編集長)
レクチャーでの一コマ
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仕事の進め方・・・3つのヒント
研修医になって、そろそろ6か月目になります。あなたも、だいぶ病棟の仕事や当直にも慣れてきた時期ですが、仕事をしていても、どれも中途半端な感じになっていて、もう少し段取りよく仕事を終わらせたい、なんて感じていませんか?
実際のところ、ドクターの仕事は非常に幅広いし、いつ呼ばれるか分からない、という特性があります。
指導医から「これやっといて」と頼まれたことを済ませようと思っていたら、看護師さんから声がかかってしまい、結局仕事が全部中途半端になっている・・・。患者さんの疾患について調べようと思っても、いつも後回しになって結局調べていない・・・。
大丈夫です、心配いりません。あなただけではありません。
でも、自分なりに段取りよく仕事を進める工夫をして行かないと、いつまでたっても同じことの繰り返しです。そこで、仕事の進め方について3つのヒントを紹介しようと思います。
①ルーチンワークはさっさと終わらせる。
病棟業務で入院患者さんの指示を出す、点滴のオーダーを出す、入退院の時の必要書類を準備するなど、看護師さんから催促の連絡が来る前にルーチンワークをさっさと片付けましょう。
指導医に確認してからだと、結局は後回しにしてやらないままです。指導医に確認しなくても出来るところを、一部分だけでも空き時間にやってしまいましょう。看護師さんには、「分からないところは○○先生に確認してから指示をいれます。」と言っておけばOK。漏れがないようにチェックリストを使うのも非常に有効です。
②完璧を目指さない
今まで医学部で勉強してきたあなたは、今日のカルテを一つ書くのも、つい無意識に完璧なものを目指してしまっています。そのために、「後でやろう」と思うのですが、やることがどんどん増えるだけで、結局夕方になってもカルテの一つも完成させていない。なんてことがあるはずです。
そこで完璧ではなくとも、ある程度できていればOKと考えると、すごく気が楽になります。完璧でなくとも、カルテを数行でも書いておけば、後で追加や修正することは、それほど辛く感じません。完璧を目指さない、という考え方はとても大事です。
③締め切りを決める
人間は締め切りがあると、時間を上手に使えるようになります。試験があると勉強するけど、試験がないと勉強しない(する気が起きない)というのも、試験という締め切りがあるからです。なので、小さいことでも自分で締め切りを設定して、それを守るようにしてみましょう。そうすることで、仕事に優先順位をつけやすくなり、生産性がアップします。
ここで紹介した3つのコツは、明日からすぐに出来るものです。効果抜群ですので実際に試してみてください。
(編集長)
カテ室での一コマ
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患者さんと話す時は(3)・・・NURSE
前回までは患者さんに話をする時に役に立つSPIKESプロトコールを紹介しましたが、もう一つ使えるツールを紹介します。
今回紹介するのは感情に対応するスキルの一つであるNURSEです。看護師さん、特にがん看護の領域でよく知られているものですが、ドクターにとっても非常に有用です。
SPIKESで紹介したE:感情の把握と共感と言っても、ちょっと難しいところがあります。例えば患者さんが怒り出したとか、泣き出した、何も話してくれなくなった、という時にNURSEが役立ちます。
NURSEとは、
N: Name
U: Understand
R: Respect
S: Support
E: Explore
N:Name(感情を言葉で表す)
患者さんの感情を想像して言葉で表現することで、患者に共感していることを示します。これによって、患者自身が感情の中にいることを認識し、気持ちを静めるきっかけにできます。例えば「こんな話を聞いて驚かれたと思います」「こんな話をされては辛いですよね」と声をかけます。この時は感情を正確に感情を言葉にすることが目的にではないので、あまりに気にする必要はないそうです。共感を示そうと努力していることが伝わるだけでも、気持ちを静めるきっかけになるそうです。
U:Understand(理解を示す)
良くない知らせを聞かされて、様々な感情が生じるのは当然のことと理解を示します。例えば怒り出した患者に「いきなりこのような話を聞かされて、お気持ちをお察しします」と理解を示すことで、心を開いてくれるきっかけになります。
R:Respect(敬意を示す)
患者や家族に、現在の状況に至るまでの苦労をねぎらいます。こうすることでつらい気持ちから救われたように感じて、心を開いてくれるきっかけになります。例えば「大変な治療を頑張って続けてこられたのですね」とか、加須に「毎回病院に付き添うだけでも大変だったでしょう」といった声掛けが患者に敬意を示すことにつながります。
S:Support(支持する)
とてもがっかりしている患者や家族に対して「医師としてできる限りのことをします」といった言葉をかけましょう。辛い状況でも、あなたに見捨てられることなくサポートが得られると分かれば、救われたような気持ちになります。
E:Explore(さらに掘り下げて聞く)
患者がなかなか感情を抑えられない時でも、発する一言一言に耳を傾けて、掘り下げて聞いてみます。特に、繰り返し発する言葉の裏に、患者の真意が隠されていることが多いように思います。例えば会話の中で「家族には迷惑をかけたくない」といった発言から、家族の状況を掘り下げて聞き出し、家族のサポートを提案することで気持ちを静めることができるかもしれません。
実際にはNURSEを使って患者の感情に対応し、再びSPIKESに戻って話を進めるという感じで使ってみてください。
(編集長)
内視鏡室での一コマ
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患者さんと話す時は(2)・・・SPIKESのつづき
患者さんに話をする時に役に立つSPIKESプロトコールを紹介しています。
SPIKESとは、
S:Setting(インタビュー環境のセッティング)
P:Perception(患者の認識の把握する)
I:Invitation(話への導入)
K:Knowledge(事実を伝える)
E:Explore emotions and empathize(感情の把握と共感)
S:Strategy and summary(治療戦略とまとめ)
前回の続きでKnowledgeから見ていきましょう。
K: Knowledge giving medical facts(事実を伝える)
説明する時は医学用語を避けて、患者や家族が理解できる言葉で話しましょう。「Perception」で把握した患者や家族の理解と医学的事実のギャップを埋めていくようにします。説明する時はまとめて話さないで、少しずつ区切って話し、区切りごとに「私の話についてこれていますか?」と、患者の理解度を確認すると良いでしょう。
E: Explore emotions and empathize as patient responds(感情の把握と共感)
患者の感情を探って、認識して、それに応答していきます。例えば患者さんが泣き出したり、怒り出したら、それ以上話しても相手の頭に入っていきません。まずは感情に対応して、信頼関係を築くことが優先です。
具体的には、「あなたがどう感じているのか話してもらえませんか?」と、患者の感情を探るためにOpen questionで、かつ直接的な問いかけを使います。その後に「あなたはこれを期待していなかったようですね」「たいていの人は、これが見つかると怒ります」このような言葉で、患者の感情に対して共感的に反応します。さらに、「もっと話してみて下さい」といったフレーズを使って患者に話をしてもらいます。
S: Strategy and summary(治療戦略とまとめ)
Strategy(医学的な戦略を立てて患者に提示する)
1.医学的にベストな戦略を考える
2.患者の状態や治療とその結果についての期待を考慮する
3.戦略を提案する
4.患者の反応を見る
5.患者の同意を得る
まとめ(インタビューの終わりは3つの要素を含めるとよい)
1.話し合ったメインの話題についての正確なサマリー
2.患者の理解度を確認し、疑問や質問がないか尋ねる
3.次に会う約束をする
SPIKESは、もともとテキサス大学MDアンダーセンCancer centerで用いられていたもので、主に癌の患者さんに悪いニュースを伝える時を想定したプロトコールですが、もちろん癌の患者さん以外にも使えるツールです。
大事なことは、自分が話す前に患者が何を知っているのか?どんな気持ちなのか?を話してもらうことです。自分だけ話すのではなく、患者と対話するのがポイントですね。
(編集長)
緊迫したERの一コマ
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