臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
下部尿路障害 その5
アラレちゃんの下部尿路障害の解説。
今回は排尿障害の治療に関してです。
<治療・排尿障害に対するアプローチ>
女性の排尿障害の頻度は低く、
男性がほとんど。
①内服薬やアルコール摂取の確認
尿閉をきたす。アルコールは排尿筋の
収縮力を直接低下させることで症状を
増悪させる。
②薬物療法
α1遮断薬は前立腺平滑筋および
膀胱頚部平滑筋の緊張を低下させる。
副作用としては起立性低血圧、射精障害
がある。他に5α還元酵素(前立腺体積を
低下させる。ただしPSAが低下するため
使用前にPSA値を確認する必要がある)、
PDE5阻害薬(平滑筋にNOを作用させ
平滑筋弛緩を促進する)がある。
③尿道カテーテル留置
留置は尿閉の場合。以後の排尿管理は
泌尿器科へコンサルトが必要となる。
(アラレちゃん)
ERCPを終えて、患者さんの入れ替え中
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水戸済生会総合病院の臨床研修は
『総合診断能力を有するスペシャリスト』
を目指します
◆冬休みを利用して、
当院へ病院見学に来ませんか?
当院の研修医が
どんなふうに仕事しているのか?
どんな生活を送っているのか?
あなたの目で確かめてみてください!
冬休み中の病院見学のお問い合わせが
多くなっています。
病院見学をご希望の方は、お早めに
こちらからご連絡ください。
↓
https://recruit-mito-saisei.jp/entry
◆感想やコメントはFacebookページから
お願いします!
↓
https://www.facebook.com/mitosaiseikai/
—–
下部尿路障害 その4
アラレちゃんの下部尿路障害の解説。
今回は畜尿障害の治療に関してです。
<治療・蓄尿障害に対するアプローチ>
①生活指導
・水分摂取量・総尿量の確認
体重×25-30mlの尿量となるように
飲水量を調整する。夜間頻尿がある
場合は夕方以降の飲水量を制限する。
・カフェイン・アルコール・内服薬の調整
カフェインやアルコールによる利尿
効果で症状を悪化させるため、
摂取の制限が必要。特に夜間頻尿が
ある場合は夕方の摂取を控える。
利尿薬や糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)
なども多尿の原因となりうる。
②行動療法
・膀胱訓練
排尿を我慢して、蓄尿量を上げる
ことが目的。強い尿意を感じた時に
気を紛らわせ、尿意がさったところで
トイレへ行く。最初は5分からはじめ
徐々に時間を延ばしていく。
・骨盤底筋体操
女性の場合は骨盤臓器を骨盤底筋で
支えているため、お産や加齢の影響で
腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱の原因と
なる。目標は50回/day。
③薬物療法
β3刺激薬と抗コリン薬がある。
抗コリン薬は、膀胱にあるムスカリン
受容体に作用して膀胱を弛緩させる。
ムスカリン受容体は全身に存在する
ため、副作用として口腔内乾燥や
便秘の症状に注意が必要である。
β3刺激薬は膀胱の平滑筋にある
受容体へ作用し弛緩させることで
蓄尿量を増やす。抗コリン薬のような
副作用は認めないが、不整脈患者
への使用は注意を要する
(新規薬剤のビベグロンはそういった
副作用はない)。
また男性の場合、前立腺肥大症の
影響による過活動膀胱の場合は
まずは前立腺肥大症の治療薬を
優先する。
(アラレちゃん)
第28回茨城県央レジデントセミナーより
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水戸済生会総合病院の臨床研修は
『総合診断能力を有するスペシャリスト』
を目指します
◆冬休みを利用して、
当院へ病院見学に来ませんか?
当院の研修医が
どんなふうに仕事しているのか?
どんな生活を送っているのか?
あなたの目で確かめてみてください!
冬休み中の病院見学のお問い合わせが
多くなっています。
病院見学をご希望の方は、お早めに
こちらからご連絡ください。
↓
https://recruit-mito-saisei.jp/entry
◆感想やコメントはFacebookページから
お願いします!
↓
https://www.facebook.com/mitosaiseikai/
—–
下部尿路障害 その3
今回もアラレちゃんの
下部尿路障害の解説です。
いよいよ下部尿路障害の話です。
<下部尿路障害>
蓄尿障害:
膀胱に尿がためられない
→ 尿失禁・頻尿・尿意切迫感
排尿障害:
膀胱から尿が出せない
→ 排尿困難・尿勢低下・尿閉
障害の原因は、神経性と非神経性
の二つがある。言い換えると、
指令系統の異常か、尿路器官の異常。
神経性は脳卒中後やParkinson病、
水頭症、脊髄損傷、ヘルニア、糖尿病
などが挙げられ、どこのレベルの
神経障害かで症状は変わってくる。
非神経性は前立腺肥大症や
骨盤臓器脱、尿道狭窄、尿道
過活動などが挙げられる。
<評 価>
主観的評価
問診、既往歴、内服歴、
質問票(IPSS、OABSS、ICIQ、etc)
尿のトラブルは羞恥心を伴っている
ことも多く、問診に加え質問票を
うまく使用するとよい。
内服薬は、感冒薬・鎮咳薬・
抗ヒスタミン薬・抗コリン薬・
抗うつ薬、利尿剤を服用して
いないか確認することに加え、
アルコールやカフェインの摂取
状況も忘れず聞き出す。
客観的評価
排尿日誌
超音波検査(残尿量・前立腺体積)
尿流測定 etc
排尿日誌
24時間の排尿量と排尿回数
そして飲水量を確認できる
ただし大変なので2-3日分で十分。
超音波検査
残尿量・前立腺体積は
(長径+短径+前後径)÷2で計算。
残尿は100mlを超えないことが理想。
残尿はブラダースキャンでも測定可能。
前立腺体積は≧20mlで軽度肥大。
(アラレちゃん)
PICC挿入前にエコーで練習中
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水戸済生会総合病院の臨床研修は
『総合診断能力を有するスペシャリスト』
を目指します
◆冬休みを利用して、
当院へ病院見学に来ませんか?
当院の研修医が
どんなふうに仕事しているのか?
どんな生活を送っているのか?
あなたの目で確かめてみてください!
冬休み中の病院見学のお問い合わせが
多くなっています。
病院見学をご希望の方は、お早めに
こちらからご連絡ください。
↓
https://recruit-mito-saisei.jp/entry
◆感想やコメントはFacebookページから
お願いします!
↓
https://www.facebook.com/mitosaiseikai/
—–