臨床研修ブログ

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2つの治療計画を考える

2025.11.15
カテゴリー: 初期研修

あなたが担当している肺炎で入院していた高齢の患者さん。抗菌薬の投与も終了したのですが、入院中にADLが低下してしまい、施設退院の方針になりました。退院調整をしたのですが、退院はだいぶ先になるとのこと。そんな感じで、いつの間にか担当患者さんが増えているなんてことはないでしょうか?

 

そこで今回は、段取りよくスムーズに退院に結び付けるためのコツを紹介します。そのコツとは、2つの治療計画を考えておく」ことです。

 

どういうことかというと、1つ目はその日1日の計画」。例えば術後の患者さんなら、今日はドレーンを抜くとか、糖尿病の人なら今日中に眼科コンサルトをするとか。ICUの患者さんなら、何とかバイタルを安定化させようとか、抜管しようとか、カテコラミンをこの辺まで減量しようとか。

 

そして、多くの人に欠けているのが2つ目の「退院までの計画」です。例えば感染性心内膜炎と診断されたら、4週間は抗菌薬の投与が必要ですから、それまでに何を済ませるとかは、時間的な余裕があります。

 

ところが高齢者の肺炎なら、抗菌剤の投与は2週間程度としても、すぐに退院できるように、リハビリの介入をして、ADLを落とさないようにする。退院担当の看護師さんやソーシャルワーカーさんと相談して、自宅退院なのか?施設なのかを手配しておかないといけません。さらに家族にも退院に向けて、準備してもらわないといけません。意外とやることがあります。

 

このように疾患と直接関係ないことも先読みして、計画を立ててスムーズな退院に持ち込むのは、必須のスキルになります。

 

研修医の間は、指導医の先生に言われたことを片付けようと毎日必死になると思いますが、指導医と議論しながら退院までの全体の治療計画を意識して仕事をしていくと、格段に段取りが良くなります。ぜひ意識して診療にあたってみてください。

(編集長)

ERでREBOA挿入中

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