臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

入院患者がショックバイタル!現場でどう動く?【ケースで学ぶ初期対応】

2026.01.08
カテゴリー: 救命救急センター

こんにちは。

ドタバタ研修医のテラメガネです。

今回は「入院患者がショックバイタルを示したとき、現場でどう対応するか?」について、実際のケースをもとに反省の意も兼ねて解説させていただきます。

 

ある日の当直で…

ほぼ完徹だった当直、ひと段落した午前6時…

「入院中の患者さん、普段と様子は変わらないけど血圧が測定できない…」

そんな連絡がPHSにかかって来たら、あなたはどう動きますか?

 

まずは評価!

PHSのままで現在のバイタルを確認しましょう。

特にAirwayに異常が無いかは、PHS越しで確認しましょう。

 

電話では以下の内容がわかりました。

意識清明

HR108、RR24、SpO2 98%(RA)、BP測定不能

到着後、あなたはどうしますか?

 

一次評価のポイント

患者さんのところに到着したら、実際に自分でもABCDE評価しましょう!

 

A:会話可能か。いびきあるか。胸郭の運動は正常か。吸気に狭窄音無いか。

B:陥没呼吸あるか。呼吸回数(簡単に速いか 規則的か)、SpO2

C:脈は中枢と末梢で触れるか。CRT 皮膚色 BP 心電図波形

D:GCS 瞳孔

E:体温、皮疹など。

 

実際の評価は以下の通りでした。

A:会話可能 

B:呼吸音清でSpO2保たれている 

C:橈骨動脈触れず冷感あり 
  モニター波形変化なし、BP60/45程度
D:GCS E4V5M6、

E:BT37.8 全身に皮疹ないが四肢に軽度浮腫認める。自覚症状は倦怠感のみ

 

→代償破綻したショック

では次になにをしますか?

 

評価をもとに介入!

評価が終わったらそれに合わせた対応をしましょう。

今回は血圧を安定させるために以下の介入が検討されると思います。

 

1. 人を集める
2. モニター・酸素・救急カートを準備
3. 動脈ガス採取
4. 輸液ライン2ルート確保(全開投与)
5. 昇圧剤準備

 

私が評価している間に、ERのお姉さん方が心配して様子を見に来てくださいました。そのためコードブルーはせずに、一緒に当直をしていた上級医の先生だけ呼んでいただきました。

 

今振り返るとバイタルの安定と同時並行でショックの原因精査をするために人をもっと集めるべきだったかもしれません。

 

介入後の評価、介入

浮腫が強く2ルート確保できず、CV挿入し輸液全開で投与。
生食全開で投与するも反応なし
末梢からノルアドレナリン0.03γで開始してBPやや改善

→ひとまずバイタルはこれ以上崩れることはなさそう。

 

ショックの鑑別と二次評価

バイタルへの介入がおわったら次は原因精査です。

(繰り返しになりますが、本来は同時に行うべきです)

 

SAMPLE聴取 カルテ確認、血液ガス、レントゲン、エコー(rush exam)などで原因精査しましょう

 

情報をまとめると70代女性、ADL自立されていた方でCKD+感染症による腎前性AKIで三日前に緊急入院となった方。陳旧性心筋梗塞やコントロール不良のDMの既往歴があり、1500ml/dayの輸液で治療されていたが無尿。連日のL/DではHb19HCT55程度、WBC20000、CRP8程度となっていました。

 

静脈ガスのデータは (動脈血ガスを取るつもりでしたが・・・)

pH7.20程度pO2 40 PCO2 30 HCO3- 10.8 、Na127 K5.75 Cl-98.0 Lactate 8程度

血糖値は225 Hb17.6  でした。

 

Rush examでは (詳細は偉大な先輩がまとめてくれたこちらをご覧ください

pump:心嚢液貯留なくEF50%以上はありそう D shepeもなさそう

tank : IVC 虚脱

Pipe : CV挿入優先し評価せず。

胸部Xp:肺炎像、心拡大なし。

 

上記の情報から、あなたはどんなショックを想起しますか?

当時の僕は以下のことを考えました。

 

鑑別

・WBC CRP高値+輸液反応性乏しい qSOFA 2点 

→血流分布異常性ショック、その中でも敗血症性ショックか。

感染のフォーカスは同定できず、強いて言えば尿路感染症か。

 

・Hb HCT高値でIVCも虚脱

→循環血漿量減少性ショック
1500ml/day +食事で脱水になり得るのか? 心原性ショックや閉塞性ショックは積極的に疑わず

 

まとめると、バイタルや所見からは敗血症性ショック+循環血液量減少性ショックが考えられるものの、Covid19以外で感染示唆する所見なく、inも十分にある一方でoutはないことが気持ち悪い。

 

介入とその後

ノルアドレナリン投与、血液培養・MEPN投与しCT撮影するも明らかな膿瘍はわからず。カテコラミン投与下でMAP 60mmHg程度、輸液後も頚静脈虚脱、四肢に浮腫出現

 

ICUに入室すると某先生が次のようなことを話していました・・・・次回に続きます!

(ドタバタ研修医のテラメガネ)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

水戸済生会総合病院の臨床研修は

総合診断能力を有するスペシャリスト

を目指します

◆第25回水戸医学生セミナー

~内科と救急のエッセンスを体験しよう~

 

2026年2月28日(土)、3月1日(日)に開催します。

JATEC,MCLSなどの内容を盛り込んだメディカルラリーに挑戦してください!

医学生セミナーの詳細を今すぐ確認する

 

 

◆病院見学に来ませんか?

当院の研修医がどんなふうに仕事しているのか?どんな生活を送っているのか?

あなたの目で確かめてみてください!

 

病院見学をご希望の方は、下のフォームからご連絡ください。

 

なお、病院見学がむずかしい時は、Zoomで個別説明会を行っていますので、

下のフォームに「Zoom希望」と記入してご連絡ください。

病院見学の申し込みはこちら