臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。
腰痛のレッドフラッグサイン
いきなりですが、症例を考えてみましょう。
70歳代の一人暮らしの男性。
1週間前から腰痛を自覚し、自宅で寝て
いることが多かった。親族が訪れた時に、
食事もあまりとれていなかったことから
病院を受診した。右腰痛以外は症状なし。
既往はリウマチ性多発筋痛症のため
ステロイドを処方され減量中。来院時の
バイタルは血圧130/80 心拍数86
体温38.5度 呼吸数18
身体所見では右腰部に筋圧痛を認める
のみで他の異常所見はなし。
患者さんは発熱には気づいていなかった
のでいつからかは不明。
この場合、あなたはどう対処しますか?
腰痛はよくある症状で、すぐに画像検査や
入院が必要となることは少ないのですが、
中には重篤な疾患が隠れていることが
あります。
そこを見分ける時に役立つのが
レッドフラッグサイン(警告症状・警告所見)
です。
具体的には
・4~6週間の保存療法でも改善しない
・夜間疼痛や安静時痛
・筋力低下や感覚障害の進行
・50歳以上
・癌あるいは癌を強く疑わせるような病歴
・原因不明の体重減少
・静脈麻薬の使用
・最近の尿路感染症、皮膚感染症
・免疫抑制状態
・発熱、悪寒
・骨粗鬆症の既往
・慢性のステロイド使用
・薬物乱用
・強い外傷
提示した症例では、発熱とステロイド服用の
2つのレッドフラッグサインがあります。
感染などを念頭に入院を含めて精査が
必要となるケースです。
入院後に血液培養からグラム陽性球菌が
検出され、感染性心内膜炎の診断に
いたりました。
腰痛のレッドフラッグサインは是非とも
覚えておいて下さい。
(編集長)
オリエンテーションの一コマ
(電カルの使い方を指南中)
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◆山中克郎先生の講演会
ドクターGにも出演されたことのある
諏訪中央病院総合内科の山中先生が
初めて当院にお越しになります。
ベッドサイドと研修医向けの講演を予定
しています。院外からの参加も歓迎します!
平成30年4月13日(金)14時~
参加を希望される方はこちらにご連絡ください!
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http://www.mito-saisei.jp/resident/contact.html
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