臨床研修ブログ
水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
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若年女性の頭痛・・・・第18回水戸医学生セミナーより
先日開催された第18回水戸医学生
セミナーから、イイところを紹介します。
今回は1日目の午後に水戸協同病院で
行われたケースカンファからです。
水戸協同病院のメインはPhysical
examination roundですが、これが終わると
ケースカンファがあります。
今回は小林先生からの症例提示でした。
症例は若年女性の頭痛。今までも
頭痛はあった(緊張性頭痛らしい症状)けど、
1週間ほど前から異なるタイプの頭痛で
食事がとれないほど。この日は昼過ぎから
増強したために受診。下を向くと頭痛が
増強する。神経学的には異常なし。
この情報だけで、あなたは何を鑑別に
挙げますか?考えてみてください。
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ここで病歴が隠されていて、昼過ぎから
増強したというのは、じつは昼寝から
起きた時とのこと。朝の起床時も増強
していたそうです。
では最初の鑑別から変更はありますか?
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さらに病歴が明らかにされました。
月経困難症がありピルを服用していた。
そろそろ絞り込めたでしょうか?
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この後、頭部CTとMRIが供覧されましたが、
頭蓋内占拠病変なし、出血なしでした。
さて、診断は?
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答えは、脳静脈洞血栓症でした。
この疾患は頭痛や意識障害、けいれんなど
症状が幅広いので疑わないと見落とす
可能性の高い疾患です。
画像所見も疑ってかからないと見落とします。
通常の頭部MRIでは見落とす可能性が高く
疑えば静脈相を狙って造影MRIを撮ります。
ピル服用患者ではリスクが高くなります。
この症例では下を向いたり、起床時に
増強したのは頭蓋内圧が上昇したからと
考えられます。
通常良く遭遇する片頭痛や緊張性頭痛と
異なること、ピルを服用していたことから疑って、
画像検査に進んで診断に至った症例です。
いつもながら勉強になるケースカンファでした。
せっかくの機会なので、ネットなどで
典型的な画像を確認しておくとイイですね。
(編集長)
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