臨床研修ブログ
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免疫能低下と感染症・・・・・松永先生の感染症カンファより
少し間が空いてしまいましたが、
11月に開催された松永先生の
感染症カンファからです。
今回のテーマは「免疫能低下と感染症」。
「免疫能低下」とか「免疫不全」と聞くと
あなたはどんなイメージを持つでしょうか?
化学療法中の白血球減少とか、
HIV感染とかをイメージするかも
しれません。
では、これらの患者さんが、発熱を主訴に
受診したら、対応は同じでいいのでしょうか?
松永先生が強調した重要点は以下の通りです。
そこで今回は、細胞性免疫と液性免疫、
そして好中球減少について整理します。
細胞性免疫の低下を来す背景は
・悪性腫瘍・感染症
急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、
HIV感染症、HTLV-1関連疾患
・医療行為
移植(造血幹細胞・固形臓器)、
ステロイド投与、免疫抑制剤、
生物学的製剤
関連微生物には
・細菌(細胞内寄生菌)
サルモネラ、ノカルジア、リステリア
Tb、MAC
・ウイルス
ヘルペス属、インフルエンザ、
アデノウイルス
・真菌
Pneumocystis jiroveci
Cryptococcus neoformans
・寄生虫
トキソプラズマ、糞線虫
液性免疫が低下する背景として
・悪性腫瘍・感染症
多発性骨髄腫、HIV感染症
・医療行為
造血幹細胞移植後、脾臓摘出後
関連微生物としては
・細菌
肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌
好中球減少を来す背景には
・血液疾患
・化学療法
・薬剤
・放射線
関連微生物として
5日未満の初期であれば
・細菌 緑膿菌、MRSA
5日以上の長期では
・細菌
・真菌 カンジダ、アスペルギルス
特に好中球減少時の発熱は
発熱性好中球減少症
(FN:Febrile Neutropenia)と呼びますが、
FNでは
・症状や所見がでにくい
・進行が速い
・通常みられない部位に感染症が起こる
・まれな微生物による感染症が起こる
といった特徴があります。
具体的な例を出すと
・膿尿がない腎盂腎炎
・髄膜刺激症状のない髄膜炎
・髄液で白血球上昇のない髄膜炎
・身体所見や胸部レントゲンが正常な肺炎
なので、想定しておかないと
診断・治療ができないのです。
(編集長)
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